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大量に揃うPCゲームのラインナップからこれまでとは違うゲームを探してみたものの、結局は昔からのお気に入りをプレイすることになる──。この流れを、どれだけ繰り返してきたことだろうか。
新しいゲームを始めるには、大きな覚悟が必要だ。このゲームは自分に合わないと判断できるまで何時間もかかるだろうし、自由に使える時間は限られている。
要するに、ひとつのゲームを永遠にプレイできればいいのだ。PCゲームは家庭用ゲーム機のゲームより奥が深く、長く遊べる場合が多い。さらには、MOD(有志がつくった改造用プログラム)を追加すれば、長期的により豊かな体験もできる。
これから紹介するゲームには、何度もプレイし続ける価値がある。何百時間でも、あるいは何千時間でも楽しみ続けることができるはずだ。
自分の世界を創り上げる
「Minecraft(マインクラフト)」ほど寿命の長いゲームを、ほかに思いつくだろうか。いとも簡単に病みつきになってしまうゲームであり、何年にもわたって毎日プレイしても、尽きることのない創造の可能性を備えている。
ランダムに生成される冒険の世界は生き延びることの挑戦と見事に融合しており、シェルターを建て、アイテムをつくり、モンスターから身を守る行動へと誘導される。マインクラフト上で建築された素晴らしい作品は畏敬の念を抱かせるようないい例だ。ゲームを極めることで到達するひとつの可能性を見せてくれる。一方で協力できる要素もあり、LANを使った小規模なグループでも、オンラインで大勢のプレイヤーとでも遊ぶことが可能だ。
一部のマルチプレイ用サーバーは、オーナーが独自でつくりあげた世界観や劇的なプロットが構築されており、YouTubeで世界中の視聴者に向けて配信されている。マインクラフトは誕生してから10年以上が経っているが、Minecraftはいまも進化を続けている。この尽きることない魅力の大部分は、何でも思い通りに創造できるゲーム性にあるのだ。
やめられない、止まらない
シリーズ1作目として発売された「シヴィライゼーション」を覚えている年齢ではあるのだが、この有名なターン制の戦略ゲームにどっぷり浸かったのは、「シヴィライゼーション II」が初めてだった。
「もう1ターン」という合言葉でセッションが夜通し続いたことも1度や2度ではなく、大学生活に支障が出たこともある。いまとなってはいい思い出だ。
誕生したばかりの文明を、探検と定住、発見、戦争を通じて何世紀にもわたって導き、地球の支配に奮闘するという魅惑的な挑戦は、際限なく夢中になれる。このシリーズは、何年もかけて大きく成長している。そして最新の「シヴィライゼーション VI」にも、旧作と同じく危険なほどの中毒性があるのだ。
プレイヤーは選んだ国を何週間もかけて育てられるが、敗北の痛みはすぐに消えて勝利への意欲に変わるところも、このゲームの魅力のひとつだ。次はもっとうまくやれるという信念とともに、いつだってもう一度挑戦したくなる。
すべてはプレイヤーの思いのまま
「The Sims」シリーズは本当に終わりのないゲームであり、どのゲームとも違うユニークさがある。オリュンポス山に住むギリシャ神話の神のように悠然と座りながら、デジタルなDIYに勤しみ、自分のイメージした通りにキャラクターを作成できる。そして、ときどき“実験体”たちをつついては、それらの反応を確かめられるゲームだ。
シムたちを育て、のどかな場所で充実したキャリアをもつ幸せな家族をつくり上げることや、ちょっとした騒ぎを引き起こして奇妙な空想的な世界観に浸ることができる。ゲーム内のキャラクターの生活を左右させる力は、すべてプレイヤーの手のなかにあるのだ。
The Simsシリーズは、悪意に満ちた衝動的行為に対する規制が進んだことや、際限のない拡張パックによって健全化と商業化が進んだことで、一部の魅力を失った。それでも何日も続けて夢中でプレイできることに変わりはない。
ゲーム内の仕様や設定、髪型、スキン、服装などを変えられるMODのおかげで、もう一度プレイしてみる価値もかなり高くなっている。何より自分のペースでプレイするのは、気晴らしにもリラックスにもなる。
宇宙の開拓者となれ
「RimWorld」に700時間をつぎ込んだ後ですら、学ぶことはまだまだ存在しているように感じる。探索するものや試すべき新たな戦略が、いつでも山積みだ。
敵意に満ちたエイリアンが住む惑星で、遭難した宇宙船の生存者をまとめながら機能的なコロニーをつくることは難しい。宇宙海賊や巨大な虫、荒れた天候といったものに忍耐力を試される。
製作者が意図した通りに「Permadeathモード(セーブデータを1つしかもてないモード)」をオンにしてプレイしてみてはいかがだろう。そうすることで、苦労の末に手にした勝利は犠牲になった人たちを偲びながら感動的なものになること間違いない。
また、複雑なストーリーには感情を揺さぶられることも多いが、上から見下ろすタイプのシンプルな2Dグラフィックスには、ストーリーを邪魔しない効果がある。
ダウンロードコンテンツ(DLC)の「RimWorld Royalty」と「RimWorld Ideology」には、新たな道が用意されている。公式のDLC以外にも活発なMODコミュニティもあるが、改変されていない(「バニラ」と呼ぶ)状態でプレイを続けても十分楽しめる。
神話と破壊
プレイヤーはハデスの冷血な息子であるザグレウスを操作し、人間界の甘美さを求めながら残忍な悪魔で埋め尽くされた地獄の迷宮から脱出を図る。
アクションが昔ながらの等角図法で繰り広げられる「HADES」は、ひと目見るだけでは典型的なローグライクのダンジョン探索型ゲームだ。とはいえ、非常にクオリティーの高い作品となっている。
キャラクターやステージのデザインは美しい。魅力的な脚本と声優陣の素晴らしい演技によって、ギリシャ神話に登場するおなじみのキャラクターたちが現代風にアレンジされている。
死は避けられないが、そこから学び強くなることで、ストーリーの脈絡の理解につながる。さまざまな敵を相手に自分で選んだ能力と武器を組み合わせて、巧妙で満足のゆく戦いを繰り広げることで常に新鮮さが感じられる。もうやり尽したと思ったあとでも、HADESには新しい発見が必ずあるのだ。
FPSの原点を楽しむ
Counter-Strike: Global Offensive
「Counter-Strike」シリーズのマルチプレイヤーなガンプレイには、ほかの一人称視点シューティングゲーム(FPS)にはない“純度”がある。開発元のValveは極上のFPSのエッセンスを抽出し、チーム制ゲームと卓越したステージデザインを巧みに融合させた。
テロリストチームが爆破や暗殺、人質籠城を成功させようと画策し、対テロチームがそれを阻止しようと奮闘する。「Counter-Strike: Global Offensive」はFPSの原点に忠実であり、ゲームプラットフォーム「Steam」のランキングで何度も1位を獲得しているのはそれだけの理由があるのだ。
巧妙で動きが速く、競技性が高いこのタイトルは、初心者には苦痛でしかない。トップレベルのプレイヤーと張り合うには、電光石火の反応速度が必要だ。しかし、腕が同じくらいのグループとマッチすれば、チーム戦はとてつもなく楽しいものになる。
牧歌的な世界に迷い込む
農業シミュレーションの面白さがよくわからないという人もいるかもしれない。しかし、RPGの要素にたっぷりの魅力が混ぜ込まれた「Stardew Valley」の世界観に、思わず魅了されてしまうことだろう。キュートなアートスタイルと優しい音楽が、爽やかで穏やかな雰囲気をつくり上げている。
選択肢は無限で、農場の改良や作物の栽培と収穫、動物の世話に限らない。魚釣りもあれば、倒すべき怪物もいるし、町の住人からの依頼をこなすこともある。さらには、恋が芽生える可能性さえある。オンラインと画面分割でマルチプレイを選ぶことで、友達と一緒にプレイすることも可能だ。また、年1回のアップデートで、ゲームの内容は継続的に更新されている。
Stardew Valleyは、わたしたちが暮らしている世界よりもはるかに素晴らしい。人を批判しない世界に迷い込むことは、ストレスと不安の解消に大いに役に立ってくれるだろう。
ポップカルチャーとの融合
「フォートナイト」が登場したときは、Valveの不朽の名作「Team Fortress 2」と錯覚してしまった。しかし、開発元のエピックゲームズはその後、さまざまな人気タイトルからもいくつかの要素を取り込んでおり、「Minecraft」もインスピレーションのひとつとして挙げられている。
島に集まった最大100名のプレイヤーが死ぬまで戦う「PUBG: BATTLEGROUNDS」によって、バトルロイヤルというジャンルが広く知られるようになった。そしてエピックゲームズは、すぐにこの形式を取り入れたゲームを開発し、フォートナイトを時代精神へと一気に押し上げた。
どんなゲームにも特定のファン層が存在するものだ。しかし、フォートナイトにはクリエイティブなロールプレイング要素と、三人称視点の激しいシューティングアクションの両方が備わっているので、どんなゲーマーでも楽しめる要素がある。
またエピックゲームズは、ポップカルチャーを巧みに融合させている。例えば、SNSではやったダンスや音楽イベント、映画『スター・ウォーズ』シリーズ、ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」といったものと積極的にコラボしているのだ。
シーズンごとにテーマをもたせることによって鮮度を保ち、プレイヤーが「またやりたい」と思うゲーム性をつくっている。
「TOTAL WAR」シリーズは、ターン制のステージとリアルタイムの戦闘を組み合わせることで、究極の戦略シミュレーションゲームを実現している。デスク上の将軍として、古代ローマ統一を目指して戦う実力を試すことができる「TOTAL WAR: ROME」は、この歴史シリーズの最高傑作だ。
この歴史ゲームは、さまざまな時代や地域が舞台となっており、2019年には古代中国を舞台とする「TOTAL WAR: THREE KINGDOMS」も登場した。だが、「WARHAMMER」シリーズの設定は、ファンタジーだ。歴史という足かせから解放され、さまざまな戦闘が可能になっている。派閥や兵隊の種類など、非常にユニークなプレイスタイルを利用できる。
「TOTAL WAR: WARHAMMER I」をすでにもっていれば、IとIIを組み合わせた巨大マップでプレイでき、とてつもなく壮大な軍事作戦を実行できる。「Total War: Warhammer III」で三部作が完結するので、この3つを融合した超巨大マップでプレイできるようになるはずだ。
「The Elder Scrolls V: Skyrim」は、プレイヤーがいなくても進み続ける世界のように思える。クエストが終わったエリアでさえ時の流れは止まっておらず、もう一度訪れてみる価値がある。
ベセスダ・ゲームスタジオによるこの魅惑的なアクションRPGは、広大で豊かなオープンワールドにユーザーを誘う。奇妙で味のあるキャラクターや生き物、大量の戦利品に溢れていて、ストーリーにもバリエーションがある。ギルドや派閥ごとにメインストーリーがあり、道徳的なジレンマを含んだ分岐構造が備わっている。
数々のサイドクエストや、発見すべき大量の魔法アイテムだけでなく、家を建てて結婚するといった選択肢もある。ディレクターのトッド・ハワードが、Skyrimは永遠にプレイできると断言してから10年以上が経った。コンテンツやバージョンの更新は絶え間なく続いており、新たなMODも続々と登場している。そしてハワードの言葉通り、多くのプレイヤーがまだプレイを続けているのだ。
「Factorio」は、ゲームというより一種の呪いに近い。この工場建設シミュレーションをじっくりプレイすると決めたら最後、夜になって眼を閉じるとベルトコンベヤーが見える。夢のなかでも、生産プロセスを完璧なものにして基地を改善するための最適化を目指すことになるだろう。
タワーの防衛という要素があることで、基地の建設はさらに困難になる。異星の虫たちが、波状攻撃をかけてくるのだ。しかし、未知の惑星に墜落した、というよくある設定は二次的なものだ。というのも、重要なのは複雑な自動機械を完成させることだからである。
このタスクがどれほど満足感を得られるものか伝えることは難しい。数え切れないほどの更新と、広範なMODで拡張されたゲームは、目覚めている時間をすべて吸い尽くすことだろう。
(WIRED US/Translation by Miho Amano, Galileo/Edit by Naoya Raita)
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