レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「デッドマン・ダウン」(2013)です。
この作品は、あの「ドラゴン・タトゥーの女」を監督したニールス・アルデン・オプレヴ監督ハリウッドデビュー作になります。
ハリウッドは、しっかりしているところで高い興行収益を上げた俳優、監督にはここで仕事をしてみないと声を掛けてきます。映画会社は色々と脚本を持っているので監督、俳優に会う仕事を提供して、ヒットを何本か打てばハリウッドで、高額のギャラを貰い夢のような生活を過ごすことが出来ます。
ほぼ、お金がすべてと言うハリウッドシステムの中で中々サバイバルすることは大変なようです。多くの場合、1、2本映画を撮って、母国に帰るというパターンが多いみたいです。
この作品は、ノワールスリラーです。妻子をギャングに殺された寡黙なハンガリー人ヴィクター(コリン・ファレル)は、殺したギャング達の仲間に入り、そのボスを殺すタイミングを伺っている時に、同じマンションに住む顔に傷を持つ女性ベアトリス(ノウミ・ラパス)と親しくなる。
彼女も交通事故で顔に大きな傷を負い、加害者を殺そうと機会をうかがっていたのだ。二人とも復讐と言う深淵を覗き込もうとしているのだが・・・
全体に良く出来ています。TDI Vectoe銃でヴィクターが暴れまくる最後の銃撃戦も中々迫力ありますが、もう一工夫欲しいところだと思います。というより、この作品と「ドラコンタトゥーの女」との違いは、ホン(脚本)だと思います。
もっと良いホンを書き上げるか、捜した方が良いと思います。映画はホンだと、黒澤明監督もスタンリー・キューブリック監督も仰っています。
で、この映画の一番の長所はと尋ねられたら、ベアトリスの母を演じたイザベル・ユペールを上げます。顔に傷を負い、辛い辛いベアトリスをいつも励ますイザベル・ユペールを見ていると本当に癒されます。
「ローズバッド」「天国の門」辺りから拝見していますが、今回は本当に自然体の良い演技をしています。本当に素晴らしいです。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾