beacon

森保J、先発8人変更でアジア杯GL突破! エース上田綺世が2得点&OG誘発

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW上田綺世(フェイエノールト)が2ゴール


[1.24 アジア杯グループD第3節 日本 3-1 インドネシア アルトゥママ]

 日本代表は24日、アジアカップグループリーグ第3戦でインドネシア代表と対戦し、3-1で勝利した。今大会初先発のエースFW上田綺世が2ゴールの大活躍。イラク戦の敗戦から立て直し、グループ2位での決勝トーナメント進出を決めた。31日のラウンド16ではヨルダン、韓国、バーレーンが争うE組1位と対戦する。

 初戦ベトナム戦は苦戦の末に4-2で勝ち切ったが、第2戦イラク戦に1-2で敗れ、35年ぶりのグループリーグ黒星を喫した日本。すでに首位通過の可能性が消滅している中、引き分け以上で2位通過という条件で最終戦に臨んだ。森保一監督はイラク戦の先発からGK鈴木彩艶、MF遠藤航、MF久保建英の3選手のみ残し、8人を入れ替えるターンオーバーを断行した。

 システムは4-1-4-1でGKの鈴木は3試合連続の先発。4バックは左からDF中山雄太、DF町田浩樹、DF冨安健洋、DF毎熊晟矢といずれも今大会初先発の選手が並び、中山と町田は初出場となった。アンカーには遠藤が入り、インサイドハーフはMF旗手怜央と久保。サイドハーフは左にMF中村敬斗、右にMF堂安律が入り、1トップは上田が務めた。[スタメン&布陣]

 試合は前半早々に動いた。開始3分、堂安からのスルーパスをペナルティエリア右で受けた上田が強引に前を向くと、DFジョルディ・アマトに後ろから掴まれて転倒。主審はいったんプレーを流したが、VARの介入を受けてオンフィールドレビューを実施。PK判定に修正された。キッカーは上田。右足でゴール右に力強く沈め、先制点を奪った。

 その後はインドネシアが勢いを強めてロングフィードで押し込んでくると、冨安のクリアでプレーを切るも、DFアルハンのロングスローが日本ゴールを襲う。鈴木が相手選手にブロックされて飛び出せない状況となったが、町田が190cmの長身を活かしてクリア。日本にとって最初のピンチを冷静に阻んだ。

 インドネシアが5バックで守備を固める中、日本は前半21分、旗手の浮き球パスに上田が抜け出すも通らない。同24分には高い位置で毎熊がボールを奪い切り、ショートカウンターを開始。そのまま上田と絡んだ久保が右足で狙ったが、シュートは左に外れた。同31分、日本は数的不利で右を攻め込まれたが、クロスを中山が防いで難を逃れた。

 なおも攻める日本は前半34分、久保の浮き球スルーパスに中村が抜け出すと、中村のシュートのこぼれ球から久保が右足で狙ったが、相手がブロック。それでも二次攻撃を素早く仕掛け、毎熊が久保とのワンツーから右ポケットを攻め込むと、ダイレクトで完璧な折り返し。これに中村が飛び込んだが、シュートは左ポストを弾いた。

 日本は前半44分、左サイドを攻め上がった久保のクロスがファーサイドに通り、毎熊が滑り込みながら折り返すも、やや体勢の悪かった上田のシュートは相手DFがブロック。同アディショナルタイム2分、旗手のスルーパスから上田が左に抜けるも、エリア内でのタッチが乱れてシュートには至らない。そのまま1-0でハーフタイムを迎えた。

 すると後半も立ち上がりに試合を動かした。7分、攻守の切り替えが続いたところで冨安が冷静なボール奪取を見せ、縦につけたところから鋭い速攻がスタート。中村と絡んだ堂安が左サイドを抜け出し、ゴール前にグラウンダーのクロスを送ると、ファーサイドに流れたボールを上田が押し込んだ。上田は2ゴール。これで国際Aマッチ通算10点目となった。

 さらに日本は後半9分、相手のFKを鈴木が飛び出してキャッチ。そのまま右にパントキックを蹴ると、堂安の足元にピタリと通す。そのまま堂安が縦に抜け、旗手とのワンツーからペナルティエリア右をえぐると、GKとの1対1から左足でシュート。だが、これは惜しくも左に外れ、3点目とはならなかった。

 後半17分、冨安が相手を引きつけながらロングキックを蹴り、堂安が抜け出すと、飛び出した相手GKの裏を突くループシュートを狙う。だが、これも枠を外れた。同19分には上田のポストプレーを起点とした中央突破でカウンターを仕掛け、左サイドを中山が深く侵入。大外のクロスに堂安が飛び込むも、相手DFにクリアされた。

 日本は後半22分、遠藤が繰り返しのファウルでイエローカードを出される。フル稼働が続いている遠藤は累積警告が気になる展開となった。同23分には旗手と中村に代わってMF南野拓実とFW前田大然を投入。同25分には遠藤の競り合いでボールを残すと、久保が左サイドを突破し、ゴール前にクロスを送る。ところが前田には通らずにGKに阻まれた。

 その後はインドネシアが196cmの長身DFエルカン・バゴットを最前線に入れ、パワープレーを展開。局面の競り合いが続いたことで観客もヒートアップし、インドネシアの荒いプレーが出てき始めた。同37分、森保監督は冨安と久保を下げてDF渡辺剛とMF佐野海舟を投入。渡辺が今大会初出場を果たし、これで負傷中のMF三笘薫を除くフィールド全選手がピッチに立つ形となった。

 さらに日本は後半41分、堂安に代わってMF伊東純也を投入。すると同43分、毎熊からのスルーパスに抜け出した伊東がクロスを送り、上田が右に持ち出してシュートを狙う。軌道はゴールからは外れたが、相手に当たったボールがゴールイン。オウンゴールで3点目を奪った。

 ところが後半アディショナルタイム1分、日本はインドネシアのロングスローをクリアし切れず、ファーサイドに流れたボールをDFサンディ・ウォルシュに決められ、1点を返される。最後は課題を残す形となったが、試合はそのままタイムアップ。先発を大きく入れ替えた日本が3-1で勝利し、決勝トーナメント進出を決めた。

(取材・文 竹内達也)

「試練を与えて…」3戦連続起用に込めた森保監督の思い、差別発言も受けた鈴木彩艶「サッカーに集中できた」
ベンチ外の板倉について森保監督「違った選手を起用しようと。受け入れてもらった」
先発復帰で「叩きのめす」体現したDF冨安健洋、森保Jを蘇らせた“行っていいよ”指令
「常にチームのために」堂安律が示した勝利への意志、2得点演出も決定機逃し「あれが決勝なら後悔している」
堂々2発もオウンゴール判定を悔しがる上田綺世「ちょっと厳しい。自分でも3点取ったと思っていた」
物足りなさも感じていた今大会初出場初先発の中山雄太「ここが始まり」
久保、堂安とは「やりやすい」右サイドで強烈なインパクト残した毎熊晟矢「日本の武器になれるように」
浮き球ラストパス多用した久保建英、その理由はカタールの芝「納豆みたいな感じで…」
3試合フル出場の遠藤航、韓国と対戦の可能性もある決勝T1回戦へ「どこが来ても倒すだけ」
練習場からポジションの近い選手と話し込む姿が見えた旗手怜央「意図を合わせていけるように会話を多くした」
“冨安指令”で走った久保建英「プレスをかけるほうが僕は好き」負傷明けでもGL3戦奮闘
インドネシアの196cm長身パワープレーに競り勝ったDF渡辺剛「自分だったら勝てると」
アジア杯初出場で果敢にハイライン支えたCB町田浩樹「次はもっとよくなる」
選手採点

●AFCアジアカップ2023特集

竹内達也
Text by 竹内達也

TOP