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週刊地震情報 2023.12.31
2023年最終週は震度3が4回 択捉島南東沖ではM6.6

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2023/12/31 19:28 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、前週よりも多い水準です。

特に地震が集中した地域はなく、千島列島から北海道、関東、九州、沖縄の各地で地震がありました。震度3以上の地震は4回は発生しています。(12月25日~31日10時の集計)

国内:巨大地震が懸念される千島海溝沿いで発生

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択捉島南東沖の地震
28日(木)18時15分頃、択捉島南東沖を震源とするマグニチュード6.6、深さ30kmと推定される地震が発生しました。この地震で北海道新ひだか町と浦河町で最大震度3、北海道の太平洋側の各地で震度2の揺れを観測しています。

択捉島南東沖では今年9月にもマグニチュード6.2の地震が起きていて、その際は最大震度2でした。地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸をもつ逆断層型と解析されています。

今回の震源周辺では太平洋プレートが陸のプレートに沈み込んでいて、規模の大きな地震がしばしば起きています。今回と同様に少し深い所では1978年にマグニチュード7.3、深さ40kmの地震があり、浅い所では1963年にマグニチュード8.1、深さ0kmの地震がありました。

政府の地震調査研究推進本部は色丹島沖および択捉島沖で今後30年以内にマグニチュード7.7〜8.5の地震が起きる確率を60%程度、マグニチュード7.5前後の地震が起きる確率を90%程度としており、大きな地震の発生が懸念される領域です。

国内:兵庫県南東部でM4.0 最大震度3の地震

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兵庫県南東部の地震
25日(月)4時42分頃、兵庫県南東部を震源とするマグニチュード4.0、深さ7kmと推定される地震が発生しました。この地震で兵庫県丹波篠山市で最大震度3。兵庫県三田市や京都府京都市中京区、亀岡市、福井県高浜町などで震度2を観測しています。

兵庫県南東部を震源とする震度3以上の地震は去年9月以来、1年3か月ぶりです。今回の震源は兵庫県南東部から京都府中部にかけて延びる埴生断層(はぶだんそう)に近い領域です。埴生断層が活動した場合、周辺の地域では最大で震度6強の揺れが想定されています。
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世界:ロシアでM5.3 バイカル湖周辺の断層活動か

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世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は2回発生しています。最も規模が大きかったのは、択捉島の沖で発生したマグニチュード6.5の地震です。(気象庁の解析ではマグニチュード6.6)

注目する地震はロシアで発生した地震です。日本時間の27日(水)の午後、ロシアのバイカル湖の北でマグニチュード5.3、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。地震の規模がそれほど大きくない上、周辺のは市街地がないため、特に被害は出ていません。

バイカル湖は断層の活動によって形成された「断層湖」と呼ばれるタイプの湖です。日本では琵琶湖や諏訪湖などが同様の成因でできています。

現在もバイカル湖の周辺では断層活動がみられ、ロシアでは地震の多い領域です。最近では2021年にバイカル湖の南西側でマグニチュード6.7の地震があり、古い所まで遡ると1957年にマグニチュード7.4の地震が起きた記録があります。

出典・参考
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。