合格ダルマ作りの最盛期を迎えた柄本夫妻=10日、小浜市福谷のツカモト民芸センター

 転ばぬだるまで、試験当日も実力発揮を-。受験シーズンを迎え、福井県小浜市の民芸品店では「合格ダルマ」作りが大忙しとなっている。両眉を上げ、厳しいながら温かみのあるだるまの表情が一つ一つ手作業で描かれ、本番を間近に控える受験生を応援している。

 だるまは同市福谷のツカモト民芸センターが1967年から作っている民芸品で、若狭塗箸の塗料に使われる赤や緑、黄色などの樹脂を固めて作られる。40年ほど前に「合格」の文字入りを作ったところ「底が平らで転ばない」と徐々に有名になり、全国から買い求められるようになった。

 型に入れて固めた樹脂を割って作るため、形は三角すいや台形などさまざま。磨いてツヤを出し、つり上がった眉やへの字形の口などを描いて顔を仕上げる。だるま作りで漆器加飾工として「現代の名工」に選ばれている店主の柄本忠彦さん、直江さん(妻が一つ一つ手作業で作っており、色合いや表情も全て違う。1月10日も2人で次々と顔を描いていった。

 だるまは年間を通して作っているが、12~2月が最盛期となる。今シーズンはこの期間中に約250個を作る予定。

 「一見怒っているようだが、よく見ると仏様のように、こちらが見つめられているような表情にこだわっている」と忠彦さん。「資格試験に向けて買っていく人もおり、目標を実現する力になっていると思うとうれしい」と話した。

 販売は店頭のみ。価格はサイズによって異なり税込み1300円から。キーホルダーは同1200円。火、水曜定休だが、1月中は極力対応する。問い合わせは同センター=電話0770(52)2590。

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