細菌性膣症とは?発症する原因や症状・治し方(自然に治るのか)も解説!

膣内環境の悪化によっておりものの異常などが起こる細菌性膣症

「おりものから魚のようなニオイがする」「おりものが増えた」という場合は、細菌性膣症を発症しているかもしれません。

細菌性膣症は再発しやすい病気のため、原因やきっかけを把握して予防することが大切です。

今回は、細菌性膣症の特徴や原因、治し方などについて解説します。

 

細菌性膣症とは

細菌性膣症とはどのような病気なのでしょうか。

はじめに、細菌性膣症の原因や特徴を確認してみましょう。

 

細菌性膣症は自己感染することのある病気

膣内には多くの常在菌が存在していて、この細菌の集まりを膣内細菌叢(ちつないさいきんそう)といいます。

膣内細菌叢は膣内フローラと呼ばれることもあります。

健康的な膣の細菌叢は、乳酸桿菌(乳酸菌の一種)がその大部分を占めています。

乳酸桿菌は、乳酸などをつくりだすことで雑菌の増殖を抑え、膣内環境を良好に保つことに役立っています。

乳酸桿菌はいわゆる善玉菌といえます。

 

細菌性膣症は、膣内の乳酸桿菌が減少し、雑菌が異常に増殖した状態です。

雑菌が異常に増殖してしまうと、人の体に良くない影響を与えるようになります。

異常増殖し、人の体に良くない影響を与えるようになった雑菌は、いわゆる悪玉菌といえます。

 

細菌性膣症は性感染症(STDまたはSTI)なの?

細菌性膣症は、性行為がきっかけで発症することもありますが、もともと自分の体に存在する常在菌が、なんらかのきっかけにより異常増殖してしまい、発症する場合もあります(自分の常在菌に感染することを「自己感染」といいます)。

そのため、性感染症(STDまたはSTI)のような一面と、そうでない一面があります

 

細菌性膣症の症状

細菌性膣症になると、どのような症状が現れるのか確認してみましょう。

 

性器周囲・おりものの異臭(魚臭・生臭い)

細菌性膣症では、性器周囲やおりものに魚臭のような異臭を感じることがあります。

人によってはイカ臭いと感じることもあります。

正常なおりものは、ヨーグルトのような少し酸っぱいニオイがしていることも多く、生理前には酸っぱいニオイが強くなることがあります。

性器周囲やおりものから、魚のようなニオイを感じたら、細菌性膣症の疑いがありますので、早めに受診することをおすすめします。

 

おりものの増加

細菌性膣症では、おりものの増加を感じることがあります。

そのおりものは灰色でさらさらしていることが多いようですが、おりものの色や状態だけでは細菌性膣症かどうかはわかりません

正常なおりものは透明・乳白色をしており、下着につくと乾燥して黄色く見えることもあります。

おりものの量や状態は、生理周期や年代によって変化しますが、いつもと違うおりものの量や色であれば早めに受診しましょう

 

細菌性膣症になるきっかけ

細菌性膣症は、生活習慣や間違った膣ケア、性行為などさまざまなきっかけで発症します。

ここでは、細菌性膣症になるきっかけを4つ紹介します。

 

睡眠不足や疲労などによるストレス

睡眠不足や疲労などのストレスにさらされ続けると、免疫力の低下につながり、細菌性膣症のきっかけとなる場合があると考えられています。。

運動不足、不規則な生活、栄養バランスの悪い食事、喫煙、過剰な飲酒なども免疫力低下につながるので注意しましょう。

 

膣内の自己洗浄

経血やおりものが気になるときに、すっきりしたい気持ちからシャワーやビデで膣内を洗う人もいます。

しかし、膣内まで洗ってしまうと膣内の細菌バランスが乱れて、細菌性膣症のきっかけとなる場合があると考えられています。

 

性行為

不衛生な性行為、コンドームを使わない性行為、女性器へ受けるオーラルセックスなどは、細菌性膣症のきっかけとなることがあります。

これは、雑菌が性行為により膣内へ侵入したり、アルカリ性の精液が膣に入ることで膣内の環境を変化させたりするためと考えられています。

細菌性膣症は性行為の有無に関わらず発症する病気ですが、複数のセックスパートナーがいる人に多く見られることがわかっています。

 

子宮内避妊器具(IUD)の使用

子宮内避妊器具(IUD)は金属やプラスチックでできており、子宮内に挿入して受精や着床を阻害することで避妊効果が得られる器具です。

高い避妊効果があり、一度挿入すると長期的な避妊効果が期待できます。

細菌性膣症は、子宮内避妊器具を使用している人に多く見られることがわかっています。

 

細菌性膣症の治し方

ここでは、細菌性膣症の検査・診断方法、治療方法などについて紹介します。

 

検査・診断方法

問診、外陰部や膣の観察、採取した膣分泌物や子宮頚部細胞の評価などの結果をもとに、医師による診断が行われます。

 

治療方法

細菌性膣症は、自覚症状がある場合、抗菌薬を使った局所療法や内服療法で治療が行われます。

 

【局所療法】

メトロニダゾールなどの抗菌薬の膣錠を膣内に挿入します。

抗菌薬の膣内挿入の前に、症状を軽減するため膣内洗浄が行われる場合があります。

 

【内服療法】

抗菌薬メトロニダゾールの飲み薬を服用する治療法です。 

メトロニダゾールの内服薬は、日本では、有益性が危険性を上回ると判断される病気の場合を除いて、妊娠3カ月以内の妊婦への使用は禁止されています。

 

細菌性膣症の市販薬は買える?

細菌性膣症の市販薬(OTC医薬品)は販売されていません。

細菌性膣症と似た症状が現れる他の病気もあり、医師による診断がないと細菌性膣症かどうか判断するのは難しいです。

婦人科で受診することに抵抗を感じる人も多いかもしれませんが、気になる症状があるときは、受診して適切な治療薬を処方してもらいましょう。

 

細菌性膣症は自然に治る?

細菌性膣症は自然に治ることもありますが、放っておくと骨盤内炎症性疾患(子宮頸管炎・子宮内膜炎・卵管炎など)を引き起こす可能性があります。

骨盤内炎症性疾患では、下腹部痛や発熱、吐き気、性交痛、排尿痛などの症状が起こり、卵管の閉塞や腹膜炎、卵管卵巣膿瘍などの合併症を引き起こすこともあります。

また、骨盤内炎症性疾患は、不妊症や子宮外妊娠の原因となるため注意が必要です。

妊娠中の女性が細菌性膣症を発症した場合は、絨毛膜羊膜炎、子宮感染症、早産などの原因になる可能性もあります。

このように、細菌性膣症を放っておくと他の病気につながる可能性もあるので、早めに医療機関で受診することをおすすめします。

 

細菌性膣症を防ぐ方法は?

細菌性膣症は再発しやすい病気のため、日頃から発症のきっかけを作らないようにすることが大切です。

ここでは、日常生活でできる細菌性膣症を防ぐ方法を3つ紹介します。

 

ストレスを減らす

ストレスを減らすように心がけることも対策のひとつです。

例えば、ストレスを減らす方法には以下のようなものがあります。

  • しっかり睡眠をとる
  • こまめに休養をとって疲れを回復させる
  • 規則正しい生活を心がける
  • ウォーキングやジョギングなどの軽い運動をする

 

膣内まで洗わない

デリケートゾーンを清潔にするのは大事なことですが、膣内まで洗ってしまうと膣内環境を乱すことがあるので、自分で膣内まで洗うことは避けましょう。

洗うのは外陰部までにしましょう。

 

性行為ではコンドームを使用する

性行為ではコンドームを使用することをおすすめします。

また、手洗いや歯磨き、入浴などを行って皮膚や口内にいる雑菌を洗い流し、清潔な状態で性行為を行うように心がけましょう。

 

膣内環境を整えるなら「乳酸菌UREX(ユーレックス)」がおすすめ

膣内環境の乱れは、ニオイやかゆみなど、女性のデリケートゾーンの悩みにつながりやすくなります。

そのため、常に膣内環境を良好に保つことが大切といえます。

 

膣内環境を整えるなら、「乳酸菌UREX(※1)」の摂取がおすすめです。

乳酸菌UREXは、GR-1・RC-14(※2)という2種類の乳酸菌が入っていて、膣内環境を良好に保つためのサポートをしてくれます。

乳酸菌UREXについて詳しく見る

乳酸菌UREXを口から摂取すると、肛門や皮膚を伝って、生きたまま膣に届きます。

そして、膣内に長く留まり膣内環境を良好な状態に保ってくれます

乳酸菌GR-1と乳酸菌RC-14の組み合わせと他乳酸菌の膣内での残存率を比較した試験(各群5名の女性)では、他乳酸菌は試験14日目以降にすべての女性の膣内から検出されなかったのに対し、乳酸菌乳酸菌GR-1と乳酸菌RC-14の組み合わせでは試験21日目でも5名中3名の膣内に乳酸菌GR-1または乳酸菌RC-14が残っていることがわかりました(※3)。

女性の健やかな膣内環境をサポートするために開発された「乳酸菌UREX」で、日頃から膣内環境を整えてみてはいかがでしょうか。

※1「UREX」はクリスチャン・ハンセン社の登録商標です

※2 「GR-1」「RC-14」はクリスチャン・ハンセン社の商標です

※3:Gardiner et al. Clin. Diagn. Lab. Immunol., 2002; 9: 92-96.

 

まとめ

細菌性膣症は、なんらかのきっかけで、膣内の乳酸桿菌が減少し、雑菌が異常に増殖した状態です。

細菌性膣症では、性器周辺・おりものの異臭(魚臭)やおりものの増加が症状として現れることがありますので、異常を感じたら早めに医療機関で受診しましょう。

抗菌薬を使用した治療で症状は治まりますが、再発を防ぐことも大切です。

細菌性膣症のきっかけを作らないように注意し、日頃から膣内環境を整えましょう。