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山梨学院・山田悠希投手 全国でも通用した外角ストレート

2022年8月9日08時00分

朝日新聞DIGITAL

 (8日甲子園、山梨学院1―2天理)

 「バックスクリーンが大きい。あこがれた場所に立ったんだ」

 山梨学院の山田悠希投手(3年)は、甲子園の先発マウンドに背番号1をつけて登った。山梨大会で好投し、高校に入って初めてエース番号をつかんだ。

 初回、いきなりピンチを迎えた。1、2番打者に連打を浴び、無死一、三塁。でも、冷静だった。何より、甲子園のマウンドで投げられることが楽しくて仕方なかった。

 思い切り腕を振り、速球を投げ込んだ。球速は144キロを記録。自己最速を2キロ更新した。

 三振、内野ゴロ、三振。ピンチを切り抜け、気持ちも乗った。続く二、三回は、強打の天理打線を三者凡退に抑えた。

 四回、1死から相手の四番打者に二塁打を打たれた。内角を狙った速球が甘く入った。六番打者に浮いた変化球を打たれ、先制点を奪われた。

 六回で交代した。失点は2、奪三振は5、無四球。試合には負けたが、全国レベルの打線にも速球は通用する。そう自信が持てた。ベンチから見ていた吉田洸二監督も同じように感じた。「ストレートが十分通用した。全国レベルに育ってくれたんだな」

 自慢の速球。以前は、県内では通じても、県外の強豪には打ち込まれていた。練習を重ね、球速は伸びた。首脳陣には「絶好調です」とアピールし、山梨大会では重要な試合の先発を任され、結果を残した。

 先月28日のメンバー発表で、吉田監督から言葉を掛けられた。

 「君がいなければ、甲子園はなかったかもしれない。1番を託したい」

 2年4カ月かかってつかんだエース番号。あこがれの場所で1番を背負って投げる。その夢がかなった。

 「最後に夢がかなってよかったです。大学で野球を続けたい」

 やりきった思いと悔しさを感じた甲子園。グラウンドを去る時、自然と涙があふれてきた。(佐藤靖)

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