『 カメルーン 』! なんて、エキゾチックな響きの名前だろう!
でも、実際には、どんな国か知ってる人は、あんまりいないかもしれませんね。 カメルーンの魅力を、ぜひ皆様にお届けしたいと思います。

西アフリカ

アフリカ大陸の西側に、大きくえぐれている所があります、その一番奥に少しだけカメルーン領の海岸線があり、そこから東と北東にのびてゆく、かなり大きな国です。
西側は、ナイジェリア、北はチャド、東は中央アフリカ、そして南にコンゴ、ガボン、赤道ギニアに接しています。 南北に長いため、アフリカ のあらゆる気候風土の見本がみられるのです。
南はほぼ赤道直下で、当然熱帯雨林、その北側に標高500~1000メートルくらいの山岳地方があり、そのさらに北側はサヴァンナ、そしてステップと続き、最北端は『チャド湖』周辺の沼沢地帯となっています。

他民族国家

もともとは、ドイツが植民地にしていたのですが、第一次世界大戦の敗北により、その地はイギリスとフランスとで、分割統治されることになりました。
10州のうち2州がイギリス領だったところで、残り大半の8州がフランス領だったところです。
当然、両地区では、食文化が違い、道路沿いの露天でうっているパンが、急に「食パン」に変わると、旧イギリス領だ、と納得するのです。
その中で、200ないし230くらいの人種が、それぞれの文化と独自性を保ちながら、共存しています。 一番の勢力は「バメレケ族」、北部に多い「フルベ族」「サオ族」、山岳地の「フォン族」、少数部族では、「ピグミー族」が名高いところでしょう。
フルベ族を中心にイスラム教徒、南部に各種キリスト教徒が分布し、かっての酋長,首長、王様、スルタンなどが未だにかっての独立と自治とを半ば認められた形で、王宮を構え、それぞれの支配地に未だに君臨して、独自の伝統を守っています。

見所

これだけ解っただけでも、いかに多くの地方性や文化の多様性を守っているかが、ご理解いただけると思います。
従って、全土をくまなく訪れることは物理的に無理だとしても、できれば国を縦断してみるのが、やはり最良の見方だと言えます。

野生動物

各地に自然保護公園をがあり、サファリを楽しめます。 中でも、北部の『ワザ国立公園』、『ベヌエ自然公園』、中央部の『パンガール・エ・ジェレム保護地区』、南部『ジャー保護地区』などは、10数種のアンテロープ、多種の猿(ゴリラを含む)、ガゼル、カバ、キリン、および有名な「カメルーン ・ライオン」など、多くの野生ほ乳動物をはじめ、大鷲、コンドル、その他無数の鳥類を観察出来ます。 サファリは、乾期が続いた後の小雨期で、水場が一番水量を豊かにする3月が、最も動物を多く見られる、おすすめの時期です。

伝統文化

なんと言っても、未だに数多く残る、かっての部族支配者の権力です。 夫々の支配地の中心都市に王宮を構え、いまだにその土地の人々の精神的、伝統的、経済的な シンボルであり、実際に裁判権やある種の徴税権を持ち、かつ中央政府の行政官の役割も併せ持って、人々の生活に実際に大きな影響力を持っています。 それら各地の王宮を見学出来れば、非常に興味深いところです。 名高い首長は、北部のウジラー、中央部のンガウンデレ北西部および北東部のバメンダ、バフッサム、バンジューン、バフット等の町の首長は、未だに数百年続く伝統を守って宮廷生活を営み、構成に伝える努力をしています。 それぞれの部族のダンス、音楽は、ぜひ鑑賞してみたいものです。 特に、バフットやフンバン、バファンの仮面ダンスは、必見です。 それらの伝統ダンスに欠かせない、仮面を始め各種の工芸品、楽器、木彫とブロンズ工芸の豊富な多様性。 また、イスラム文化の影響の濃い、首長の午前で騎馬武者が繰り広げる勇壮なセレモニーである、『ファンタジア』は、最大のイヴェントと言えるでしょう。 さらに、日干しレンガを積んだ草葺きの丸屋根の家々の、地方によっての、屋根の高さや葺き方の微妙な違い、フォン族の神聖なる「ドームハウス」、北部の数十メートルの高さを持つ細長い大ドームの建造物、など、その多様性は興味が尽きません。

食事

いずれにせよ、アフリカの事ですから、あれこれ豪華絢爛たる食事にありつける訳ではありません。 主な食材は、チキンと河魚。そして、お米とジャガイモとお米とプランタン・バナナ。 しかし、さすがフランスの統治下に在っただけのことはあり、とってもおいしいのです。 ほとんどの料理が、トマトソースで供され、付け合わせはラタトウイユ(!)、ジャガイモ(フレンチフライ)か、ゆでたお米、または揚げたプランタン・バナナ。 ちなみに、「プランタン・バナナ」とは、生食用のフルーツ・バナナと違い、太くて堅い、大型のグリーンのバナナで、揚げて食べます。 魚は、大西洋の物は冷凍ですし、後は河や湖の淡水魚の干物、唯一『生』の食材がチキン(何しろ生きたまま市場で買ってきて、各自がさばきます)ですが、毎日それが続いても少しも飽きる事が在りません。 魚は、市場で多種多様の干物(燻製だから真っ黒!!)を売っています。タナゴ、ナマズ、ウナギ、フナ、 それらの中でもごちそうが、『キャピテーヌ』と言う名前の大型の白身のお魚。とっても美味です! 牛肉も在りますが、細切れ肉を炒めて、白っぽいソースで煮込んだ物を『ステーキ』と呼びます。アルジェリアやリビアのサハラ地方に残る古代岩面画にたくさん描かれている、長く太い角を持つ牛がたくさん飼われています。 伝統料理も多いのですが、なかなか外国人が試してみる機会は無いようです。 中でも有名な物が、『アシュ』と言うタロイモの一品。ゆでてつぶして練ったタロイモを、お皿の周りにドーナツ型に盛りつけ、黄色いソースを真ん中に注いだ料理は、ヨーロッパでも知られています。自然な、優しい味わいは、私たち日本人にも少しも不自然では在りません。 後は、特殊な野生の植物から抽出する、ネバネバのソースを手ですくって食べる『ンキュイ』と言う、珍しい料理もあります。
面白い物に、現地の「ファースト・フード」とも言える焼き肉、『ソーヤ』の屋台が幹線道路沿いに、並んでいます。牛肉の固まりを炭火で焼いていて、注文に応じてスライスして、紙に包んでくれます。熱々を、塩、こしょう,クミンをミックスしたスパイスを付けて食べます。 1ユーロくらいで、軽い昼食ができます。
概して、食文化は豊かで、『貧しいアフリカ』等とは、失礼で呼べなくなってしまいます。 特筆すべきは、北にイスラム圏を含む国だけあって、「クスクス」が有ります。 だがしかし、北アフリカのクスクスとは大違い。 肝心の『クスクス』で有るべき<堅小麦>の蒸したものではなく、なんとひえの一種を蒸して つぶした、お団子の様な物なのです。かけるソースは、おなじみのクスクスと同じような、チキンと野菜のスープです、 小麦はおそらく対して育たないので、元来タロイモと、ひえ等の野生の雑穀『ミル』を栽培してきたのです。なんと、ミルのビールまで有ります!!
果物が安くておいしい事は、言うまでも有りません。 日干しレンガの草で屋根を葺いた丸い泥の家が点在する道路を走っていて、各家の背後には、必ず(と言うと言い過ぎかも)と言っていいほど、バウバオの木とパパイヤの木が生えているくらいの土地柄です。 直径15センチ長さ35センチもあるパパイヤの美味な事と言ったら…. バナナなんて、道ばたで売りにくる子供から買うと、1ユーロくらいの現地通貨で15本くらい付いてる房が2房も買えたりして! パイナップルに関しては、もう書くのをよしましょう。 いずれも、木で熟した完熟フルーツのおいしさは、現地で飲み味わえる贅沢です。

便利メモ

  • 気温は年間を通じて、昼間25度以下になる事は、あまり有りません。
  • 5月~1月(特に8 / 9 / 10)が雨期です。 * 中心都市は2つ。大西洋に港を持つドウアラが、実質的に最大の経済都市で、東に150キロ入った、ヤウンデが政治的首都です。
  • 通貨は、チャドや中央アフリカその他で共通の、『Frs.CFA/セーファーフラン』で、1ユーロが655フランです。 * 政情は比較的安定しており、内戦は無く、衛生状態も良い水準です。ただし、国連世界衛生機関の指定する、マラリア最多発可能地区』にはいっていますので、マラリアの予防薬を飲んでいく事を、おすすめします。 また、ナイジェリアの様に治安の悪い国では有りませんが、やはり、現地のスタッフを頼まず、単独での旅行はおすすめ出来ません。

弊社では、カメルーンを徹底的に楽しんでいただけるよう、理想的なコースの開発、そのセットアップを行い、現地手配を遺漏無く行えるラインを、完備しております。