たまたま,手に取った「クロワッサン 2011年 12/25号」で紹介されていた集合住宅が目に留まった。設計は建築家は高橋晶子さん。彼女の自宅の紹介記事とあわせて紹介されたものだった。
建物は,岐阜県営住宅ハイタウン北方・高橋棟という。高橋晶子さんの事務所ホームページでの紹介には次のように書かれている。
日本の農家の平面形式に近い田の字型プランで、「がらんどう」を可動建具や家具でやわらかく仕切って住むイメージである。(略)外部廊下と部屋の間につくった「土間」は内部の廊下でもあり、光や風を取り入れながらプライバシーを確保するバッファゾーンでもある。
では,その「田の字型プラン」と廊下とは。
もはや,集合住宅であることを忘れた方も多いのではないか。「田の字型プラン」がよりわかりやすい図面は次のとおり。
ちなみに,外観だが,これがモダンに集合住宅している。
この住宅,評判も良いようで,
各棟に住む住民に尋ねたところ、総じて評判が良かったのは、高橋晶子棟とエリザベス・ディラー棟だ。(略)高橋棟とディラー棟は、間仕切りによってワンルームに近い空間にもなれば、各部屋を仕切ることもできる。その柔軟性が使いやすさとして受け入れられている。
とのこと。
住まい手が個々の創意工夫で気持ち良く住まう住宅,それを集合住宅で実現していることに少し驚いた。なるほどなぁ,である。美しい住宅,美しい集合住宅はゴマンとある。それくらいは知っている。私も建築オタクだ。だが,高齢者が居住まい良く,そして,美しく暮らせる集合住宅は,ありそうでなかなか無い。設計者の思いが「伝統」のフィルターを通して伝わることが要素のように思うがどうだろう。
なお,以下のブログエントリーに,立て替え前の住宅や高橋棟以外の建物などについても紹介されているので参考になる。
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