単純集計の単一回答(SA)・複数回答(MA)とは?|注意すべき点

単純集計とは

単純集計表(GT表・Grand Total表)は、アンケート集計の最も基本的な集計方法です。
質問ごとに、それぞれの選択肢に何人が回答したのかをカウントし、各選択肢の割合を算 出して表にします。表にすることにより全体の傾向を分かりやすく把握できます。
回答の形式ごとに集計の形式が異なるため、各回答形式について集計方法を説明します。

単一回答、SA(シングルアンサー)の集計

単一回答とは、選択肢の中から1つだけ選んでもらう回答形式です。

集計は各選択肢を選んだ回答者が何人いるかをカウントします。
全選択肢の回答数(+無回答)を足し上げると必ず全回答者数と同じになります。
各選択肢の割合(%)は「各選択肢の回答数÷全回答者数×100」で算出します。
その時、全選択肢の割合(%)を足し上げると必ず合計が100%になります。

グラフは基本的に円グラフ、帯グラフで作成します。
項目数が多い場合は横棒グラフ、縦棒グラフで作成します。

複数回答、MA(マルチアンサー)の集計

複数回答とは、選択肢の中から複数選んでもらう形式です。

集計は各選択肢を選んだ回答者が何人いるかをカウントします。
1人が複数の選択肢を選べるので、選択肢の回答数(+無回答)を足し上げても全回答者数 と同じにはなりません。
割合(%)は「各選択肢の回答数÷全回答者数×100」で算出します。
その時、全選択肢の割合(%)を足し上げても合計は100%にはなりません。

グラフは横棒グラフ、縦棒グラフで作成します。
複数回答の場合、割合の合計が100%にならないため、円グラフや帯グラフを使用すること は出来ません。

複数回答の単純集計で注意すべき点

複数回答(MA)形式の設問を集計する際、割合を出すときの母数を間違えると全く異なる結果になってしまうため、注意が必要です。

下記2つのグラフは、好きな果物を聞いた回答結果ですが、上が「全回答人数(120人)」を母数として、下が「回答個数計(519個)」を母数として割合を出したものです。

アンケートの結果として見たいものは、一般的には、
『全回答者の内、何%がその選択肢を選んでいるか』です。

上のグラフの場合、全回答者120人のうち「いちご」を選んだ人は90人ですので、回答者が「いちご」を選んだ割合は75%と算出できます。[90人÷120人×100=75%]
この結果は『全回答者の内、75%が「いちご」を好き』という意味があります。

対して、下のグラフの場合、519回答のうち「いちご」が90回答で、その割合は17.3%と算出できます。この結果からは『全回答519個の内、17.3%の「いちご」が好きという回答がある』という意味しかありません。
つまり、519個には回答者の重複が発生していることを理解しないといけません。回答個数計のうちの割合が知りたいのであれば意味はありますが、全回答者に対しての割合ではないため、意味を理解して意図的に出す事はあっても、それ以外にこの算出法を使用することはありません。

数値回答の集計

数値回答とは実際に数値を記入してもらう形式です。

ローデータには数値のまま入っているので、集計する際に任意の範囲で区切って選択肢を作成して集計します。
例えば、年齢でしたら、0~19歳、20~29歳、30~39歳...と選択肢を作成し集計をします。
選択肢を作成してしまえば、後は単一回答の集計と同じです。