スマートフォン用サイトを表示

アルバイトや転職に役立つ情報が満載!最新のお仕事ニュースなら【タウンワークマガジン】

2018年09月28日

俳優・三浦春馬さんインタビュー「焦る必要はない。ゆっくりともがきながら、自分のやりたいことを見つけてほしい」

三浦春馬さん_タウンワークマガジン
TBS、テレビ東京、WOWOWと3局をまたいで放送され、各話放送後には未公開シーンを含むオリジナル版を動画配信サービス・Paraviで配信するドラマ「tourist ツーリスト」に出演した三浦春馬さん。タイ、台湾、ベトナムで行われた撮影を振り返ってもらったほか、映像のみならず、舞台でも輝きを放つ実力派俳優の仕事観をお話しいただきました。

時間も場所も選ばず、俳優の輝ける場所を体験できるのが動画配信の強み

三浦春馬さん_タウンワークマガジン
――今作は3局横断と動画配信ということで注目を集めていますが、そんなプロジェクトに参加された感想から聞かせてください。

俳優側からすると、自分の仕事である“お芝居”を集中して見てほしいという思いは皆、潜在的に持ってるはずなんです。大きなスクリーンでじっくり見てほしいという人もいれば、生の芝居を見てほしいという人もいる。だけど、いつどんな場所にいても、スマホやタブレットなどの端末で見て、思い出の一つにしてほしいという願いもどこかでもっていると思うんです。時間も場所も選ばずに、僕たちの輝ける場所があるというのがこの動画配信サービスの一番の強みであると思うし、その時代、そのパーソナリティに寄り添ったエンターテインメントの提供の仕方というのは僕たちにとって刺さるところですね。

異国だから出せる表情が映像に表れている

三浦春馬さん_タウンワークマガジン
――時代性ゆえの試みですよね。そして、バンコクでは水川あさみさん、台北では池田エライザさん、ホーチミンでは尾野真千子さんというヒロインを迎えての3都市での撮影も大きな話題です。

海外での撮影は、自分にとっていい経験になるんじゃないかと思いましたし、その土地での風習や色味みたいなものがどのように映像にのっかるかが楽しみでしたね。1都市につき1週間前後という強行スケジュールで、台北~バンコク~ホーチミンの順で撮影していきました。台北の印象は、赤を基調とした妖艶でなまめかしい色っていうのかな。現地の照明チームによって生まれたカラーに映し出された僕の表情は、自分で言うのも恥ずかしいんですが、日本で撮影している時とはまったく違ったものでした。バンコクやホーチミンでもまた違う表情だと感じましたし、土地によって移り変わる精神状態や異国だから出る表情、開放感などが映像にしっかり表れていると思います。

――プロデューサーいわく「三浦春馬史上、最高にカッコいい表情が見られる」そうなので、かなり期待しています! バンコクやホーチミンはどうだったんですか?

これは僕だけの意見なのかもしれないけど、バンコクで撮った映像を見た時に、牧場で嗅ぐ藁の匂いを色味にしたものを感じたんですよ。暑いなかにかぐわしい香りが漂ってきそうな色味……ってわかるかな(笑)? とにかくオンエアで確認してみてください。ホーチミンは現実を突きつけられるような色味が点在していて、質感がザラッとしている。触れすぎると摩擦で皮膚が剥けちゃうような“痛み”を感じました。

演じたキャラクターは、キザで包容力があってキュート!?

三浦春馬さん_タウンワークマガジン
――今回演じた天久真はミステリアスな男性ということですが、そのミステリアスな部分をどんなふうに表現したんでしょう?

国の風習や気温、湿度が違うわけだから、肌の質感も表情も変わってくるだろうということを加味しつつ、さらに人って対峙する相手によって表情も変化するじゃないですか。天久真がもつキャラクターの軸は変わらないけれど、バンコクではちょっとキザな雰囲気、台北では包んであげるような大らかな表情になったり。国によって表情が違うほうがよりミステリアスさが出るんじゃないかと思ったんですよね。旅を続けていくなかで、天久真が何のために旅をしているのかという真の目的や手掛かりに近づくにつれて表情が変わっていき、さらにつかみどころのない人物になっていく。そんなところも意識しながら演じました。

残す20代は“日々努力”、そして30代へ

三浦春馬さん_タウンワークマガジン
――放送を楽しみにしています。子役として7歳でデビューした三浦さんも芸歴20年を超えたわけですが、仕事への意識の変化などはありましたか?

もう28歳ですよ! 仕事への意識は“しっかり働こう”ということだけ。そして、しっかり(社会に)貢献しようと思います。

――「もう28歳」? 「まだ」だと思いますよ(笑)。そして、残りの20代をどう過ごしたいと考えていますか?

日々努力ですね。自分の目標や夢に向かって、何が必要で何が必要じゃないのかを精査しながら、やっていくべきなのかどうかをコントロールしていく。そんな2年間にしたいです。

お芝居、歌、踊りは自分を高揚させてくれる

三浦春馬さん_タウンワークマガジン
――努力といえば、一昨年出演したミュージカル「キンキーブーツ」での歌やダンスは相当努力されたものだったんじゃないかと驚いたことを記憶しています。

19歳で初めて事務所の先輩である岸谷五朗さんと寺脇康文さんの演劇ユニット「地球ゴージャス」の作品に参加し、そこから劇団☆新感線への出演。そして、ブロードウェイで観て感化されて飛び込んだミュージカルが、一昨年出演した「キンキーブーツ」でした。もともと板の上でのお芝居、歌、踊りは自分を高揚させてくれるし、好きだったんですが、そうして演じた「キンキー」に日本のお客様も興奮して拍手を送ってくれた。その光景や、作品を作るまでのプロセスが自分にとってよい経験になり、ミュージカルというものがやみつきになりました。来年、また「キンキー」に出演することになりましたが、そこでもう一段階、クオリティの高い興奮を届けなければいけないし、僕自身、日本でもミュージカルをもっと身近なものにしたいという思いがあるので、日本のミュージカル産業を盛り上げるべく、その一端を担えるようにがんばりたいと思っています。

――三浦さんがミュージカルへの目標を抱くように、夢や目標に向かって奮闘している若い世代へアドバイスをお願いします。

「これが本当に自分の夢なのか?」とか「私には夢がない」という意見を耳にすることもありますが、見つからなかったら見つからなかったで、焦る必要はないんじゃないかな。まわりの協力を得ながらゆっくりと、そして、もがきながら自分のやりたいことを納得のいくまで見つけるほうがいいと僕は思うんです。「自分には夢がない」と深刻にならず、夢だけではなく、まずは自分にとって大切な人を見つけることも、生きていく中では重要なんじゃないでしょうか。誰だってひとりでいるのはイヤでしょうから……。

 

■Profile
三浦春馬(みうら はるま)

1990年4月5日、茨城県生まれ。1997年にNHK朝の連続テレビ小説「あぐり」でデビュー。2007年、映画「恋空」で第31回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍し。2016年に主演したブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」で第24回読売演劇大賞の優秀男優賞と杉村春子賞を受賞。2019年1、2月「シアターコクーン・オンレパートリー2019 DISCOVER WORLD THERETRE vol.5 Bunkamura 30周年記念『罪と罰』」、4、5月「キンキーブーツ」に出演する。

OFFICIAL SITE
・OFFICIAL Twitter:@miuraharuma_jp
・OFFICIAL Instagram:haruma_miura_info

編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子

早速バイトを探してみよう