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2020年11月11日

声優・富田美憂インタビュー『苦手なものがあるからこそ、出来た時の喜びを味わえる』

冨田美憂 声優 インタビュー タウンワーク townworkオーディションを経て15歳で声優デビューし、キャリアを重ねてきた富田美憂さん。2019年にはソロアーティストとしてもデビュー。声優として、アーティストとして“声”を仕事にする醍醐味や、経験の中で“出来ることを増やしてきた”という仕事感について伺いました。11月11日には、3rd Single「Broken Sky」をリリース!

 

新しい曲を歌うたびに、自分の中の宝物が増えていくような感覚!

冨田美憂 声優 インタビュー タウンワーク townwork——新曲を最初に受け取った時の印象を教えてください。

「Broken Sky」のようなカッコイイ楽曲はソロになってチャレンジしてみたいものの1つだったので、歌いこなせるのかという不安はありましたが、純粋に楽しみで、どういうアプローチでレコーディングに挑もうかを考えました。1曲の中でも波を作りたくて、歌い出しは落ち着いたモードから始めて、最終的にサビで突き抜ける気持ち良さを出せるようにこだわりました。

——歌詞は、オープニングテーマにもなっているアニメ『無能なナナ』とも連動していますね。

はい。日常ではあまり使わないようなワードもたくさんあったので、そこはスムーズに歌えるように意識しました。特に、歌をうたう時に大事にしているのが、聴いている人がゾワッとしたりグッとくるような鳥肌ポイントを作ることなんです。今回は、ラストサビ前の《ムノウ ナ ボクハ ザンコク?》という部分だと感じたので色々な歌い方を試しました。どこか孤独感のある楽曲だと感じたので、その部分はあえて無機質な声で表現したものが採用されています。

——他のバージョンも気になりますね(笑)。

そうなんです! どれもそれぞれの良さがあったので、全部並べて聴き比べながら、スタッフさんたちと「どれにする?こっちもいいよね」と悩みに悩んだ結果なので、そこも楽しみにしていただけたら嬉しいです。

——そして「インソムニア・マーメイド」は、バラード曲となります。

バラード曲も初めてのチャンレジでしたし、恋心を歌った曲ということで今までで一番女性らしい歌になっていると思います。インソムニアは、不眠症という意味があって、眠ってしまうと夢にあなたが出てきてしまうから眠れないという切ない想いのある曲なのですが、作曲家の方とも相談して、失恋の悲しみだけではなく、暖かさや包み込むような雰囲気を出すために柔らかい靄(かす)みがかった声で歌っています。

——2曲を通して、どのような作品になったと感じていますか?

これまでに出した作品とは違う楽曲を歌わせていただけたことで、新しい発見も出来たので、宝物が増えたと感じています。それと、今作がソロアーティストとして活動を始めて約1年になるんです。ジャケ写の撮影で、「大人っぽい表情が出来るようになったね」と言っていただけたりと、20歳から21歳になるまでの変化や成長もパッケージ出来たと思います。

この1年でたくさんのステージに立たって、ファンの方たちに応援してもらったおかげで色々な経験をすることができました。このシングルでも、ステップアップや成長した姿を感じていただけたら嬉しいです。

 

オーディションで受けた衝撃――演じることの楽しさを知った瞬間だった

冨田美憂 声優 インタビュー タウンワーク townwork——ここからはお仕事に対する向き合い方について伺いたいのですが、この世界を目指したキッカケから教えてください。

小学生低学年の頃から声優になりたくて、学校の作文でも将来の夢に「歌える声優さんになりたい」と書いていました。声優さんがメディアに出て歌ったり、アフレコ風景を紹介するような番組もあったりと、声優という職業をみんなが知っている時代だったのも大きかったと思います。アニメも好きで見ていましたが、常にその裏側にいる声優というお仕事に興味があって、中学3年生の時に母が持ってきてくれた雑誌のオーディションを受けたのをキッカケに今の事務所に入りました。

——オーディションのことは覚えていますか?

はい。声優になることは夢でしたが、特に専門的な勉強をしていたわけではなかったので、会場で他の応募者の方たちの姿を見て、最初は“怖い、帰りたい”と思いました(苦笑)。でも、自分の番になって、初めてセリフを声に出すという体験をした時に“役を演じるのってこんなに楽しんだ!”と初めて感じたのを鮮明に覚えています。

それと、審査員の方たちに歌も評価してもらえました。その時、“もしかしたら、これを長所に出来るのかもしれない”と思えたことで、今までは夢としてふわっとしていたものが現実の目標として感じられるようになりました。なので、もしその時のオーディションに落ちていたとしても、養成所に行くなど声優への夢を諦めることはなかったと思います。

 

声で人の心を動かすことが出来る。それが声優の醍醐味だと思う

冨田美憂 声優 インタビュー タウンワーク townwork——では、声優が本格的に仕事になったと感じたターニングポイントはありますか?

私が声優に憧れたのは、歌やアフレコなどの“声”でお客さんを笑顔に出来たり、人の心を動かせるところに魅力を感じたからなんです。ただ、この仕事を始めたばかりの頃は分からないことだらけで、どこか趣味(楽しいこと)の延長とか、習い事のような感覚でした。でも、高校2年くらいから、ありがたいことに作品のメインキャラのお仕事をいただくことが多くなり、イベントなどにもよく出演させていただくようになりました。

そこでお客さんが笑ってくれたり、歌で泣いてくださっている姿を目にした時に、自分が好きだからやっているという以上に、これが仕事になっているんだと感じました。応援してくださる方たちのおかげで、夢が叶ったことを感じることが出来たんだと思います。

 

周囲のアドバイスが、自分を変えるキッカケになった

冨田美憂 声優 インタビュー タウンワーク townwork——声優を始めて大変だったことはありますか?

声優は声のお仕事をメインにしつつもマルチに活動している方も多いので、歌って踊れることが求められることもあります。ずっと好きという気持ちで続けてきましたが、どうしてもダンスだけは苦手で…。しかも苦手意識が強すぎて、“これはやりたい事じゃない”とか、“出来ない“と思い込んでいたんです。

——それはどうやって克服したのでしょうか?

初めて担当してくださったダンスの先生に相談したら「苦手だから出来ないで終わらせたらもったいない。出来た時の喜びはやってみないと味わえないものだし、出来ることが増えていくことでもっと強い自分になっていける」というアドバイスをいただきました。そこから、レッスンや自主練も頑張れるようになりましたし、苦手意識に負けず貪欲に“出来ることを増やしていこう”と思えるようになりました。

——素敵なアドバイスですね。

ありがたいことに、周囲の方たちには本当に恵まれたと思います。他にも、初めての声優の現場『干物妹!うまるちゃん』でも、何も分からない状態で隅っこにいたら、大先輩の野島健児さんが「色々と知れたほうがいいから」とおっしゃって隣に座らせてくれて、台本のチェックの仕方などを教えてくださったんです。それがすごく嬉しくて、自分も他人に対して優しくありたいし魅力のある大人になりたいと思いました。

 

敵は自分自身。誰かになろうとするのではなく自分の個性を磨いていく

冨田美憂 声優 インタビュー タウンワーク townwork——富田さんは基本的にはポジティブな方なんでしょうか?

実はそうでもなくて、昔から消極的なところもあるんです。数年前までは、“他人と比べて自分は劣っているな”とか、“あの人には出来るのになんで自分には出来ないんだろう”と自分を責めることも多くて…。人に言われて凹むというより、自分で勝手に思い込んで落ち込むんです。でも、マネージャーさんに「自分のステージにいるのは自分だけだから、誰かと比較しても仕方がないし、美憂には美憂にしか演じられないものがきっとあるはずだよ」と言ってもらえたことで気持ちが軽くなりました。

——落ち込む原因を探して対処すると。

そうですね。落ち込んだりマイナスな気持ちのまま仕事をしてしまうと、声にも出てしまってプラスなことは何もないので、いつでも敵は自分自身なんです(苦笑)。マネージャーさんの言葉で救われましたが、ネガティブな思考からはすぐに抜け出せるわけではないですし、不安はずっと消えないと思います。でも、それはみんな同じだと思いますし、色々な挑戦を続けていくことで出来ることを少しずつ増やしていって、強い自分になっていけたらと思っています。

 

■Profile
富田美憂
(とみた・みゆ)

アミューズ所属 1999年11月15日生まれ
2014年に『2014声優アーティスト育成プログラム・セレクション』でグランプリを受賞し、翌年声優デビュー。代表作に「アイカツスターズ!」(虹野ゆめ 役)、「となりの吸血鬼さん」(ソフィー・トワイライト 役)、「ぼくたちは勉強ができない」(緒方理珠 役)、「かぐや姫は告らせたい?」(伊井野ミコ 役)などがある。2019年11月に「Present Moment」でソロアーティストとしてデビュー。

◆富田美憂 日本コロムビア OFFCIAL SITE:https://columbia.jp/tomitamiyu/
◆富田美憂 Official Twitter:@miyju_tomita

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影・河井彩美 取材・文:原 千夏

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