久美さんの玉寿司

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長年の役場勤めを終え、現在は公社で勤務されている久美さんは、土佐山の東側に位置する菖蒲地区の方です。明るく社交的で、地区で開かれるおきゃく(土佐弁で「宴会」)では、地域の女性の方々とたくさん料理作りをされています。いつも女性ばかりが料理を作るのは大変、と近年では仲の良いご夫婦同士で集まり、旦那さんや男性陣に料理を担当してもらっているそうです。お話を伺うと、食事を通して地域間の交流があり、楽しそうに過ごされている日常が伝わってきます。

今回、久美さんに教えていただいたのは、おからを使った「玉寿司」です。神祭のときに作られてきたもので、土佐山ではよく作られています。正月には作らないそうですが、おきゃがあるときには、決まって出てくる有名な料理です。

作り方は、中身を取り除いたうるめ(いわし)の内側に、味付けしたおからと具材を詰めて、うるめの形を整えて盛り付けする、酢がきいた美味しいおから寿司です。玉寿司の“玉”は、おからを意味しています。高知の伝統料理「皿鉢(さわち)料理」の中にも、必ず一緒に出されるものです。しめ鯖のような食感で、一緒におからも楽しめて、とっても美味しいです。

<材料>

うるめいわし     4匹

おから        400g

卵          1個

長ねぎ(葉にんにく) 1本

生姜         50g

にんにく       5g

酢          80cc

ごま         小さじ2

塩          小さじ1

砂糖         大さじ3

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<作り方>

1. うるめをさばいて水気を取り、塩を両面にまんべんなくふる。(しっかりふる方が後で味がつきやすい)そして、砂糖大さじ4・酢150cc・みりん小さじ1を合わせた中に、うるめを漬け込み、1時間置く。

長ねぎ・生姜・にんにくをみじん切りにする。

*冬なら葉にんにくをつかうが、季節が違うときは代わりに長ねぎをつかう。

3. 鍋でおからに水少々と、溶き卵1個を一緒に混ぜて火をとおす。

4. うるめの小骨をとる。酢80cc・ごま小さじ2・塩小さじ1・砂糖大さじ3・にんにく少々・生姜小さじ1・長ネギ・おからをボウルの中に入れ、一緒に混ぜる。

5. 盛り付けるお皿にもみじの新芽を飾る。うるめを内側を表にして置き、その上に4で作ったおからを入れて、ひっくり返して、うるめの外側を表にし、形を整えてお皿に盛る。魚の汁が出るので、ペーパータオルで拭き、表面の汚れをとって、見た目をきれいにする。そのまま冷蔵庫で一晩時間をおくと、形が固まって、味もしみ込む。(*時間がないときは、最低1時間はおく)食べる直前に一口サイズに切る。玉寿司の上に、季節のお花を飾るとより華やかになる。

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☆おまけ☆ 

久美さんのおから煮

今回、玉寿司と一緒に教わったのが、おから煮です。節約したいときの一品としても活躍。たくさん作って、冷凍庫に保存しておくと、使いやすいです。小さいホイル皿に乗せたものをタッパーに入れておくと、火を通さずにお弁当にも入れることができます。

<材料>

水          500cc

鳥肉         150g

砂糖         大さじ3

塩          小さじ1

薄口しょうゆ     大さじ2

生姜         大さじ1

ミックスベジタブル  300g

おから        540g

<作り方>

1. 水500ccにだし汁をつくる。鳥肉(ちくわ・かまぼこでもよい)150gをみじん切りにして一緒に入れる。

2. 砂糖・塩・薄口しょうゆ・しょうが(みじん切り)・ミックスベジタブル・おからを混ぜて、弱火で火をとおす。全体に味がなじんだら、できあがり。

*少し汁気を残すと次に食べるとき煮なおしても、こげないですむ。

*パサパサより、水分を含んでいる方が食べやすい。

*ミックスベジタブルは彩が良くなる。さらにねぎを入れてもあう。

2013/8/11