小正月の行事「どんと祭」が16日、仙台市の大崎八幡宮で行われました。そのどんと祭で行われる伝統の「裸参り」、貴重な昔の映像を交え起源や変遷をたどるとともに、今年初めて参加した男性に密着しました。

白装束は正装

150年以上の歴史を持つ大崎八幡宮の裸参り。厳しい寒さの中、白装束の行列が正月飾りなどを燃やした御神火を目指してゆっくりと歩いていきます。

TBC

この裸参りの格好と言えば・・・。

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ホズミ 八月朔日幹夫(ほずみ・みきお)社長:
「最初に白足袋を履いて、そしてわらじを履く。晒を巻いて、祭りパンツ(半股引)をはく。注連縄をしめる。そこまでいったら、はちまきをして、口に含み紙をかむ。左手に提灯を持って右手に洋鈴(かね)を持つ」

裸参りを支える衣料品店

裸参りに欠かせない晒や足袋などを販売している大崎八幡宮そばの衣料品店「ホズミ」。130年以上、参加する人たちを見守ってきました。

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ホズミ 八月朔日幹夫社長:
「基本的に白装束でお参りする。白装束は神様に対して一番正しい姿、正装なのでそれでお参りに行く。含み紙は、神様に対して息を吹きかけないため、あくまでも無言の業注連縄は魔除けで、これから八幡様に行くにあたって邪気が入らないようにするため洋鈴も、八幡様に届くように、これからお参りに行きますよ、ってお知らせみたいな形で振りながらお参りする」

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裸参りの起源

そもそも、裸参りはなぜはじまったのでしょうか。

裸参りは造り酒屋が、おいしいお酒ができるようにと祈願したのがはじまりだといわれています。

TBC

ホズミ 八月朔日幹夫社長:
「もともと造り酒屋さんが原型。その方々がちょうど冬の仕込みの時期に、上半身裸でやっていた。それに晒を巻いてお参りに行くということになった」

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酒を仕込む杜氏が上半身裸で作業していたからだといいます。ところが、tbcが撮影した1960年の裸参りの映像にはこんな姿が…。

ランニングシャツと白い短パン姿の参拝者が。映像を見る限り、さらし姿の人は見当たりません。

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なかには注連縄をつけていない人もいます。

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仙台市教育委員会の調査では、この頃から企業などの団体参拝が多く見られるようになったといい、当時、衣装や様式などは統一されていなかったためのようです。

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裸参り、初挑戦の男性

それから60年余り。今年は71団体、およそ1400人が参加しました。

仙台青年会議所メンバーの高橋勝哉さん。裸参りに臨むのは今回が初めてです。

仙台青年会議所 高橋勝哉さん:
「寒い中歩いているというイメージがある。今年1年間、仙台青年会議所として、頑張っていかなければいけないという役を受けたので、頑張っていこうかなと思います」

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新型コロナが5類に移行したことで、参拝者はマスクなしで含み紙を口に挟みます。高橋さんが先導して御神火を目指します。日が落ち、提灯のあかりに照らされながら、高橋さんたちの行列が大崎八幡宮に到着しました。

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御神火がつきました。勢いよく燃え上がる御神火に、身につけていた注連縄を投げ入れます。

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炎に照らされながら歩く行列を訪れた人たちも見守ります。

参拝者:
「初めて見ました。ちょっとだけ寒そうだけど、火の近くだからちょっとは暖かいかなって思います」

「いつ見てもいいですよね。若い人にもどんどんこういう行事に参加してもらいたい」

最後に祈りを捧げながら御神火のまわりを練り歩き、初めての裸参りを終えました。

TBC

仙台青年会議所 高橋勝哉さん:
「まちのためにこれから頑張っていこうという意識が高まりました。(Q 来年も参加しますか?)もちろん参加すると思います」