12月21日、東京都内で『第53回内閣総理大臣杯 日本プロスポーツ大賞』の授賞式典が行われ、2023年の各スポーツ界で活躍した選手や団体が一堂に会し、表彰を受けた。

 このなかで、四輪モータースポーツでは今季全日本スーパーフォーミュラ選手権とスーパーGT GT500クラスでダブルタイトルを獲得した宮田莉朋が敢闘賞を受賞。さらにトムス会長の舘信秀氏が、長年のモータースポーツへの功績が讃えられて表彰された。

 敢闘賞に関しては、昨年度に野尻智紀が受賞しており、2年連続でスーパーフォーミュラの王者が敢闘賞に選ばれた。今回は女子プロゴルフの山下美夢有(式には代理の方が出席)、女子サッカー日本代表の宮澤ひなたが同じ敢闘賞を受賞し、宮田も堂々とした表情で登壇した。

 表彰式の最後には、受賞者全員が登壇しての記念撮影が行われ、宮田は大賞受賞者への“内閣総理大臣杯”を授与するために駆けつけた岸田文雄内閣総理大臣とガッチリ握手。錚々たる顔ぶれのなかに入って写真撮影に臨んでいた。

 宮田は国内でのシーズン終了後、FIA F2やIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のテスト、さらにWEC世界耐久選手権やELMSELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズに備えて各ファクトリーへ行ってシート作りを行うなど、多忙な日々を過ごし、今週前半に帰国。その後も、国内ではさまざまなスケジュールをこなすなど多忙な日々が続いている。

「正直、ちょっと時差ボケで……」と宮田。プロスポーツ大賞の敢闘賞を受賞したという実感が湧いていない様子だったが、「これから多分実感が湧いてくると『ようやくそういうところに行けたんだな』という気持ちが大きくなると思います」と語った。

 また、今回はトムスの舘会長とともに表彰式に臨めたことについて宮田は、「FIA F4のときはトムススピリットで(チーム体制が)少し違いますけど、F3に上がってから約7年間、一度もトムスを離れずにレースができました。本当にトムスには感謝しかないですし、それがあったからこの結果を残せたと思います」と、感慨深い表情で語っていた。

 そして、各業界で長年の貢献や活動を行った人に対して与えられる“スポーツ功労者文部科学大臣顕彰式”では、トムス会長の舘氏が選ばれた。

「(顕彰に選ばれたのは)本当にずっとドッキリだと思っていました!」と舘氏。それでも長年の功績が讃えられたことに対して「18歳から(レースを)始めているので、もうすぐ60年になります。60年間ただ続けてきただけですし、好きなことをやってきただけだから、まさか僕なんかが(賞を)もらえるわけないと思っていました」

「『そろそろ身を引こう』といつも思うのですけど、こういった賞をいただくと『やっぱりもう少し頑張ろうかな』と思うようになりました」と笑みを浮かべていた。

 各業界のプロスポーツ選手が集まり、表彰される姿を現地で見た舘氏は「やっぱりレースをプロスポーツしないといけないですね。(カテゴリーによっては)アマチュアと混在している部分もあるので、そのぶ部分はうまく分けて、プロだけのスポーツにしていきたいですね。目指すはモータースポーツのJリーグのような感じにしていきたいです」と、今後のモータースポーツ界発展に意欲をみせていた。

 なお、先述でも触れたとおり、この日は大賞に輝いた『侍ジャパン』に内閣総理大臣杯を授与するため岸田総理が出席。「コロナ禍を乗り越え、国民の皆さんがだんだんと元気になってきた一年だったと思います。プロスポーツで活躍された皆さんは、国民の皆さんや子どもたちに勇気や元気を与え続けてくれました。プロスポーツの皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います」と述べた。