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ビタミンCを摂るのにぴったりの食べ物とは?食べ方のコツとおすすめレシピを管理栄養士が解説
「ビタミンCを摂りたい」と思ったとき、レモンやオレンジなどの柑橘類の果物ばかりを選んでいませんか?実はビタミンCは、柑橘類ではない食べ物にもたくさん含まれています。そこで今回は、ビタミンCが豊富な食べ物と食事への上手な取り入れ方を解説します。おすすめのレシピも紹介するので、あわせてチェックしてみてくださいね。
ビタミンCってどんな栄養素?代表的な食べ物は?
ビタミンCの特徴は、強い抗酸化作用です。抗酸化作用とは、体内で増えた活性酸素を取り除いたり、活性酸素によるダメージの修復を助けたりするはたらきのこと。活性酸素は体内で増えすぎると、細胞を傷つけてしまうため、老化や、肌のしみ・シワなどの原因となることがあります。
ビタミンCは、この強い抗酸化作用のおかげで、身体の老化をおさえる効果が期待できます。そのほかにも、ビタミンCはコラーゲンの生成を助けるはたらきがあり、健康的な肌づくりには欠かせません。
ビタミンCはおもに果物や野菜に豊富です。ビタミンCが摂りたい方は積極的に取り入れてみましょう。「どの食べ物にビタミンCがどのくらい含まれているか」という具体的な内容については、このあと紹介するので参考にしてみてくださいね。
ビタミンCが多い食べ物ランキング
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」を参考に、ビタミンCの量が多い食べ物について、10位までを一覧にしました。
ランキングを見てみると、通常であれば一度に100gも食べない「乾燥パセリ」や「のり」、実際に食べることがほとんどない「茶葉」などの食べ物が並んでいます。
そこでここからは、一度に食べる量が少ないものや、お店で入手しにくいものなどを除いたうえで、ビタミンCが豊富な食べ物を紹介します。身近な果物や野菜などからもビタミンCをしっかりと摂ることができますよ。
ビタミンCが多い果物
100gあたりのビタミンC量が多い果物をまとめたのが以下の表です。
「ビタミンC」のイメージが強いレモンですが、実際のビタミンC量は100gあたり100mg。100gあたりで比較すると、意外にもレモンよりもゴールデンキウイのほうが40mgほど多くのビタミンCが含まれているのです。
また、アセロラジュース(100gあたり120mg)やグリーンキウイ(100gあたり71mg)などにもビタミンCは豊富に含まれます。
次に、いくつかの果物について、1個あたりのビタミンC量を計算してみました。
たとえば、可食部182gの甘柿には127mg、可食部80gのゴールデンキウイには112mgのビタミンCが含まれています。また、レモンは果肉も含めた1個あたりのビタミンC量は116mgです。
しかし、レモン果汁だけで考えると100gあたりのビタミンC量は50mgであるため、レモン1個分の果汁に含まれるビタミンC量は18mgとなります。
「レモン〇個分」のビタミンCってどのくらい?
ビタミンCが含まれる商品でたびたび見かける「レモン〇個分」というフレーズ。「消費者がわかりやすいように」と使われている表現ですが、実際にはどのくらいのビタミンCが含まれているのか、気になったことはありませんか?
結論からいうと、「レモン1個分のビタミンC量」は「20mg」とされるのが一般的となっています。これは、レモン丸ごと1個分のビタミンC量ではなく、レモン1個分の果汁のビタミンC量(1個あたり18mg≒20mg)が参考にされています。
※参照:一般社団法人全国清涼飲料連合会「「レモン果実1個当たりのビタミンC量」表示ガイドライン」
ビタミンCが多い野菜
ビタミンCは野菜にも比較的多く含まれています。100gあたりのビタミンC量をまとめたのが以下の表です。
野菜の場合、ビタミンCはパプリカや芽キャベツ、ブロッコリーなどに豊富です。
とくに赤パプリカは100gあたり170mg、黄パプリカやオレンジパプリカは100gあたり150mgのビタミンCを含みます。先ほど紹介したゴールデンキウイ(100gあたり140mg)やレモン(100gあたり100mg)よりも多くのビタミンCが摂れることがわかります。
それでは、1個あたりのビタミンC量はどのくらいなのでしょうか。以下の画像にまとめてみました。
1個あたりのビタミンC量は、赤パプリカ230mg、オレンジパプリカ205mg、黄パプリカ203mgです。どの色のパプリカを選んでも、1個あたり200mg以上のビタミンCを摂ることができます。
また、ブロッコリー1株あたりのビタミンCの量は228mgです。1食で1/4株食べるとすると、約57mgのビタミンCを摂ることができます。
▼生でパプリカを食べる時のポイント
パプリカの生食や含まれる栄養素、おすすめの食べ方をレシピ付きで管理栄養士が解説します。
そのほかのビタミンCが多い食べ物(いも類)
「いも類にビタミンCが多い」というイメージはあまりないかもしれません。しかし、さつまいもやじゃがいもには比較的多くのビタミンCが含まれています。
さつまいも100gあたりのビタミンCは29mg、じゃがいも100gあたりのビタミンCは28mgです。これを1個あたりに換算すると、以下のようになります。
さつまいも1個あたりのビタミンCは48mg、じゃがいも1個あたりのビタミンCは25mgほどになります。いも類はビタミンCを摂りたいときにはぴったりの食べ物のひとつですが、炭水化物やカロリーも多いため、食べすぎには注意しましょう。
ビタミンCを食べ物から上手に摂るには?
ビタミンCをムダなく食事から摂るには、いくつかのポイントがあります。
毎日の食事に取り入れる
ビタミンCは水に溶けやすく、身体にとって過剰な分は尿として排泄されます。身体の中に溜めておけないため、ビタミンCは一度にたくさん摂るよりも、毎日こまめに摂るのがおすすめです。通常の食生活であれば、ビタミンCを摂りすぎて体調が悪くなるケースはほとんど考えられません。
しかし、サプリメントを利用する方は注意が必要です。サプリメントのようなビタミンCを強化した食品を大量に摂ることによって、腹痛や下痢などの症状が起こるおそれがあります。
日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、サプリメントなど、通常の食べ物以外から1日1g(1000mg)以上のビタミンCを摂取することは推奨されていません。
ビタミンCは基本的に食べ物から摂るようにして、サプリメントは補助的なイメージで活用しましょう。
「生のまま食べる」か「ゆで汁ごと食べる」がおすすめ
食べ物のビタミンCは、ゆでると食べ物の中からゆで汁へ溶け出てしまいます。
ビタミンCをムダなく摂りたい場合は、生のままサラダにするのはもちろん、スープや鍋などにして、汁ごとおいしく食べられる料理にするのがおすすめです。煮物にしたり、電子レンジで加熱したりと、ゆで汁を捨てない工夫をするのもよいでしょう。
また、カットフルーツやカット野菜を常備しておけば、忙しい日でも手軽にビタミンCを補えます。
「たばこを吸う人」や「ストレスの多い人」は、ビタミンCの多い食べ物を積極的に摂ろう!
たばこを吸う人は、吸わない人に比べて体内でビタミンCを消費しやすいことがわかっています。
また、人はストレスを受けたとき、副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモンの分泌量が増えます。これらのホルモンを作るのに必要なのがビタミンCです。そのため、ストレスを感じている人はビタミンCの消費量が多くなるといわれています。
このように、喫煙していたり、ストレスが溜まっていたりする人は、ビタミンCをより意識して摂るのがおすすめです。いつもの食事に、ビタミンCが豊富な食べ物を取り入れてみましょう。
ビタミンCたっぷりな食べ物を使ったおすすめレシピ3選
ここまで紹介してきた「ビタミンCを多く含む食べ物」を使った、おすすめの料理を3つ紹介します。
【作りおき】焼きパプリカのマリネ
ビタミンCたっぷりの赤パプリカ、黄パプリカを使ったマリネです。時間のあるときに作り置きをしておけば、ビタミンCが少ない献立のときにも大活躍してくれます。
キウイとバナナのスムージー
ミキサーなしで作れる、キウイフルーツを使ったスムージーです。グリーンキウイをゴールデンキウイに代えれば、さらにビタミンCの摂取量アップにつながります。
さつまいもとブロッコリーのホットサラダ
さつまいもにもブロッコリーにもビタミンCがたっぷり。ボリューム満点で、満足感の高いサラダです。
ブロッコリーは、お湯でゆでると半分以上のビタミンCが失われてしまいます。しかし、「さつまいもとブロッコリーのホットサラダ」のように電子レンジで加熱をすれば、ビタミンCの損失はほとんどありません。ビタミンCをより摂りたいときにもおすすめの一品です。
ビタミンCは柑橘類だけじゃない!いろんな食べ物からビタミンCを摂ろう
ビタミンCは、身近な食べ物にもたっぷり含まれています。健康的な肌づくり、身体づくりに役立つビタミンCを食べ物から上手に摂っていきましょう。