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管理栄養士が実践「あんこの作り方」鍋・炊飯器でおいしく簡単に作る方法を解説!
和菓子に欠かせないあんこは、時間はかかるものの、作り方はとってもシンプルです。
自分好みのあんこを作れば、大好きなあんこを思う存分楽しめますね。
鍋でも作れますが、炊飯器でもおいしく簡単に作れますよ。
今回の記事では「鍋&炊飯器で作るあんこの作り方」について、あんこ好きの管理栄養士が紹介します。
あんこ(つぶあん)の作り方はとってもシンプル
あんこの作り方はとてもシンプルで、材料となる小豆と砂糖を煮るだけです。
1~2時間ほどかかり、焦げないように鍋の様子を見る必要がありますが、夕食の準備などの作業をしながら行えば、あっという間に完成しますよ。
手作りすると、甘さや水分量を調整でき、自分好みのあんこを作れるのが魅力です。
和菓子づくりはもちろん、小倉トーストやアイスのトッピングなど、さまざまな使い道があります。
また、炊飯器でも手軽にあんこを作れます。
ずっと鍋のそばにいる必要がなく、ほったらかしでOKなのがうれしい作り方です。
食べ比べた結果をあとでお伝えしますが、鍋で作ったものと変わらないおいしさです。
鍋と炊飯器、2種類の作り方を詳しく紹介します。
【鍋】基本のあんこの作り方
鍋であんこを作ると、様子を見ながら作れるため、自分好みの甘さや水分量に調節しやすくなります。
少々手間がかかっても、おいしいあんこを作りたい場合は鍋で作るのがおすすめです。
それでは詳しく作り方を紹介していきます。
<材料(作りやすい分量)>
小豆…250g
水…1000mlくらい
砂糖…100~200g(お好みで)
塩…少々
<作り方>
1.サッと洗った小豆とたっぷりの水を鍋に入れ、強火にかける。
小豆は水に浸けておく必要がないため、すぐに調理してOKです。
大きめの鍋を用意し、たっぷりと水を入れましょう。目分量で大丈夫です。
2.沸騰したら火を止めて湯を捨てる。再びたっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰したら再び湯を捨てる。
「渋きり」といい、小豆の渋みをとる作業です。
渋きりを行うことで、雑味のないすっきりとしたあんこになります。
湯を捨てるのを2回繰り返したら渋きり完了です。
3.小豆と水1000mlほど(小豆の3~4倍になる程度)を入れて強火にかける。
沸騰したら、沸騰が続くくらいの火加減(弱火)にして、小豆がやわらかくなるまで煮る。
水は1000mlが目安ですが、小豆の3~4倍となるように入れてください。
沸騰したら弱火にしますが、沸騰が続く程度の火加減にするのがポイントです。
沸騰がおさまった状態で煮ても、なかなか小豆がやわらかくなりません。
このように小豆が水面から出てきそうになったら、水を100~200mlほど足しましょう。
アクも丁寧にすくってください。
4.30~40分ほど煮て、指でつぶれるくらいやわらかくなったら、半量の砂糖を加える。
小豆がやわらかくなる前に砂糖を加えると硬くなってしまうため、必ずやわらかくなったかどうか確認してください。
力の入りにくい親指と小指ではさんでみて、簡単につぶれるくらいの硬さが目安です。
硬い場合は10分ずつ時間を足して、煮えているか確認しましょう。
砂糖を2回に分けて入れることで、小豆がやわらかくふっくらと仕上がります。
5.2~3分経って砂糖が溶けたら、残りの砂糖と塩を加える。
砂糖と塩を入れると、小豆から水分が出て煮汁の量が増えます。
6.好みの固さになるまで20~30分煮詰める。
小豆をつぶさないようやさしくかき混ぜながら、弱火で煮詰めていきます。
焦げやすいため、鍋のそばから離れないようにしましょう。
好みの固さより少し「ゆるめ」に仕上げると、冷めたときにちょうどよい固さになります。
<ポイント>
砂糖の量はお好みでOKです。100gだと甘さ控えめ、150gだとほどよい甘さ、200gだと甘めになります。
【炊飯器】簡単なあんこの作り方
炊飯器を使ってあんこを作ると、火加減をみる必要がなくほったらかしで完成します。
今回は、渋きりをせずに簡単に作れる方法を紹介します。
渋みやえぐみがやや残りますが、小豆本来の味を楽しめるからとあえて渋きりをしない場合もあります。
渋きりをしたい場合は、炊飯器で炊く前に、鍋で渋きり(鍋での作り方1~2を参照)をしてください。
<材料(作りやすい分量)>
小豆…250g
砂糖…100~200g(お好みで)
塩…少々
<作り方>
1.サッと水洗いした小豆を炊飯釜に入れ、3合の目盛りまで水を入れ「普通モード」で炊飯する。
2.小豆がやわらかくなっているか確かめ、硬いようであれば3合の目盛りまで水を足し「早炊き」モードで再度炊飯する。
砂糖を加えたあとは小豆がやわらかくならないため「やわらかすぎるかな?」という程度まで加熱しましょう。
3.砂糖、塩を入れてよく混ぜ、3合の目盛りまで水を足し「普通モード」で炊飯する。
砂糖と塩を加えると小豆から水分が出ます。
3合の目盛りより水分が多くなるよう、水加減を調整してください。
3.炊き上がったらつぶしながら混ぜる。
少しゆるい場合でも、混ぜているうちに水分が飛び、冷めるとしっかり硬くなります。
それでもやわらかい場合は、保温モードでフタを開けておき、水分を飛ばしましょう。
硬い場合はお湯を入れて調節してください。
<炊飯器で作る場合の注意点>
炊飯器によっては調理できないものがあるため、必ず説明書を確認したうえであんこを作るようにしましょう。
鍋と炊飯器のあんこの味の違いは?
炊飯器で作ったあんこは、おいしいのかどうか心配に思う方もいるかもしれません。
ですが、炊飯器でも十分においしいあんこができるため、心配しないでくださいね。
今回2種類のあんこを同時に作ったため、実際に食べ比べてみたところ、大きな味の違いは感じませんでした。
炊飯器で作った方は「渋きり」をしておらず、確かに少しだけ渋みは感じますが、言われなければ気付かない程度の差だと思いました。
スイッチを押すだけで簡単に作れ、焦がす心配もなく作れるのが魅力です。
気軽にあんこを作ってみたい方は、炊飯器で試してみるのもよいでしょう。
あんこの作り方で「失敗する」原因は?
あんこを手作りしたものの、小豆が硬くて食べられなかった……という失敗をした方もいるのではないでしょうか。
作り方の途中でも説明していますが、失敗する原因と対策をもう一度確認しておきましょう。
煮るときに湯面から小豆が出ている
小豆が湯面から出てしまうと、火の通り加減にムラが出てしまい、硬い部分が出来てしまいます。
様子を見ながら、水をときどき追加しましょう。
砂糖を加えるタイミングが早い
小豆がやわらかくなる前に砂糖を加えると、それ以上小豆がやわらかくなりません。
茹で汁の糖分濃度が高くなると、浸透圧の関係で、小豆の水分が外に出て豆が硬くしまります。
本来なら、小豆の煮崩れを予防する働きなのですが、小豆が十分にやわらかくなっていない状態で砂糖を入れると、硬い小豆になってしまうのです。
やわらかすぎかも?と思うくらい、しっかりやわらかくなるまで煮ましょう。
小豆の状態によっては1時間以上、煮るのに時間がかかる場合があります。
硬いあんこは救済できる?
残念ながら、砂糖を入れてしまうと、どんなに時間をかけてもやわらかくなりません。
硬いあんこはミキサーにかけてペーストにすると、こしあんのようになりおいしく食べられます。
または煮汁から小豆だけを取り出し、水で再び炊き直すとやわらかくなる場合があります。
やわらかくなったらお湯を捨てて煮汁と一緒に再度煮て、好みの固さになるまで煮詰めてみてください。
おいしいあんこの作り方「材料選び」のポイント
とにかくおいしいあんこを作りたい場合は、材料選びもポイントです。
選び方のポイントを紹介するので、自分好みのあんこ作りの参考にしてみてくださいね。
食感が変わる!小豆の種類
小豆には「普通の小豆」と「大納言小豆」の2種類があります。
一般的な和菓子のあんこを作りたい方は、普通の小豆を選びましょう。
大納言小豆は普通の小豆に比べると大粒で、煮たときに皮がやぶれにくい特徴があり、形を活かして甘納豆やお菓子作りに使われます。
あんこも作れますが、形がしっかりと残りやすいため、粒がしっかりと残り、一般的なあんことは少し違った仕上がりになります。
粒感が残るあんこを楽しみたい場合によいでしょう。
スッキリ度が変わる!砂糖の種類
砂糖の種類によって、あんこの味が変わります。
一般的なあんこに使われるのは上白糖やグラニュー糖です。
すっきりとした味わいで、小豆本来の味わいを引き立ててくれます。
三温糖、きび砂糖、黒砂糖を使ったあんこは、砂糖の主張を感じられる、コクのある味わいになります。
どの砂糖を使うかは好みになるため、ぜひさまざまな砂糖で試してみましょう。
作り方と合わせて知りたい「手作りあんこ」の保存はどうする?
手作りのあんこは、冷蔵保存で3日ほど日持ちします。
砂糖の量や水分量によっても異なりますが、なるべく早めに食べきるようにしましょう。
長く保存したい場合は、冷凍保存が可能で、保存期間の目安は1ヶ月ほどです。
冷凍する場合は、1回分ずつラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
食べる際は、冷蔵庫に入れるか自然解凍しましょう。
あんこの作り方をマスターして、おいしいあんこを楽しもう!
今回の記事では「鍋&炊飯器で作るあんこの作り方」について、管理栄養士が解説しました。
あんこを手作りすると、小豆を煮ているときのよい香りや、出来たてのおいしさを楽しめるのもよいところです。
あんこ好きな方はぜひチャレンジしてみてくださいね!
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