遺言の作成と一緒に遺言執行を弁護士に依頼すべき理由

遺言執行者は遺言の内容を実現する権利義務を有する者であり、遺言を滞りなく執行することが任務です。

では、遺言執行者にはだれを指定しておくべきでしょうか。

もちろん、遺言執行者には親族や相続人を指定することもできます。親族等を遺言執行者に指定した場合、遺言執行者の報酬も発生しないのが通常ですので、費用面ではメリットがあるかもしれません。

しかし、できる限り、遺言執行者は、遺言や相続問題に詳しい信頼できる専門家である弁護士に依頼しておかれることをお勧めいたします。

もちろん、弁護士などの法律専門家や信託銀行などに依頼した場合は遺言執行報酬が発生しますが、円滑な執行、トラブルの防止という意味では、費用以上のメリットがあるのではないでしょうか(なお、信託銀行の報酬額は、最低でも100万円~とされていて高額であること、しかも、相続人間にトラブルがある場合には、遺言執行者の就任を拒否する場合がありますので、信託銀行に遺言執行者を依頼するのは、あまりお勧めできません)。

故人の遺言書が発見され、どうすればよいかわからない場合>>

遺言執行は大変な手続です

1.煩雑な手続をしなければならない

遺言執行者は、就任してから業務の完了までに概ね次のような業務を行わなければなりません。

  • 就任承諾をした旨を相続人全員に通知
  • 戸籍謄本等を収集して相続人を確定
  • 相続財産の調査をして財産目録を作成し、相続人に交付
  • 法務局での各種登記申請手続
  • 各金融機関での預貯金等の解約・払戻し手続
  • 証券会社での株式等の名義変更・売却手続
  • その他の財産の換価手続
  • 遺言の執行状況の報告と完了の業務報告
  • 遺言執行の妨害をしている者がいる場合はその者の排除
  • 場合によっては、遺言執行に必要な訴訟行為。

 

これだけ見ても相当な業務量であり、非常に大変そうではないでしょうか。

仕事を抱えた方ですとなかなかスムーズに進めることは難しいでしょうし、金融機関も法務局も基本的には平日の日中しか対応してくれませんので、お仕事を休んで対応しなければならず、負担も大きいかと思われます。

 

2.相続人間の対立によるトラブル発生のリスクがある

これに加えて、遺言の内容に不満を抱えている相続人執行が円滑に進まないことで不満を募らせる相続人からの非難を受けることもあり、せっかく遺言を作成して遺言執行者まで指定したのに、親族間での紛争に発展する可能性もあります。

 

「なぜ俺ではなく、お前が遺言執行者なんだ?!」

「本当にこれが遺産のすべてなのか?」

「早く手続きを進めろ。遅いぞ」

 

など、ただでさえ負担が重い遺言執行業務を抱えながら、不満を抱える相続人との対応にも追われることになります。

また、逆に、遺言執行者である相続人が、自分が取得できる財産についてのみ名義変更等の手続をして、その他の相続人が取得する財産に関してはその相続分を引き渡さなかったり、業務を放棄してしまう危険性も考えられます。

遺言執行を弁護士に依頼するべき理由

この点、相続手続に精通した弁護士に遺言執行者を依頼した場合には、相続人はストレスを感じる非常に煩雑な業務や精神的な負担から解放され、また、執行手続も円滑に進み、結果として、早期に財産を取得することができます。

また、法律の専門家である弁護士が、第三者として、中立公平な立場から手続を進めることで、相続人間の不信感や不満が生じることを防ぐことも可能です。

このように、残された家族がもめないために遺言書を作成するのであれば、遺言執行者の指定についても専門家である弁護士を指定しておくのが望ましいといえるでしょう。

また、内容が複雑な遺言の場合、事業の承継のためなど、形式的には不公平な割合での相続を考えている場合、遺贈がある場合、廃除の規定がある場合など、相続人間でトラブルが生じる可能性がありそうな遺言を作成する場合などでは、相続の専門家であり、また、法的な紛争案件を扱うことのできる唯一の資格者である弁護士に遺言執行者への就任を依頼しておくことを検討すべきです。

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弁護士が遺言作成・遺言執行でお手伝いできること

当事務所の相続に強い弁護士が、遺言作成をご依頼しようとお考えの方へ、遺言執行についてもご提案させていただきます。

弁護士へは公正証書遺言の作成支援を依頼することができます。

また、相続開始まで、公正証書遺言の謄本(写し)の保管を任せる事もできます。

公正証書遺言を作成する際は、必要書類の取寄せや公証人とのやりとり、また、証人として公証役場に同行するなどのお手伝いをすることができます。

あらかじめ弁護士に遺言の相談をしておくと、トラブルの少ない遺産相続の実現に役立つことになります。

 

遺言作成サポートの費用

定型のもの(公正証書遺言の場合)            15~20万円

定型外のもの(例:信託を用いる場合、遺産の種類が多数等)20万円~(※別途お見積もり)

遺言執行サポートの弁護士費用

着手金 20~30万円
報酬金
・遺産金額が300万円以下の場合            50万

・遺産金額が300万円を超え3000万円以下の場合   遺産金額の2%+24万円

・遺産金額が3000万円を超え3億円以下の場合     遺産金額の1%+54万円

・遺産金額が3億円を超える場合             遺産金額の0.5%+204万円

※ただし、報酬金については、最低額を50万円とさせていただきます。

※相談料、着手金、報酬金には、別途、消費税がかかります。事案により、別途、実費、出張日当、交通費等が発生する場合があります。
※事案の難易度・要する時間によって、弁護士費用が増減する場合もございます。表の記載以外にも手続がございますので、ご依頼内容・事件処理の方針、弁護士費用につきましては、協議をして定めます。

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この記事の執筆者

武蔵野経営法律事務所

弁護士 元さいたま家庭裁判所家事調停官

加藤 剛毅

専門分野

相続、不動産、企業法務

経歴

埼玉県立熊谷高校から早稲田大学法学部に進学。卒業後、平成16年に弁護士登録。平成21年に地元である埼玉に弁護士会の登録替え。平成26年10月より、最高裁判所よりさいたま家庭裁判所の家事調停官(いわゆる非常勤裁判官)に任命され、4年間にわたり、週に1日、さいたま家庭裁判所に家事調停官として勤務し、数多くの相続事件を担当。平成30年5月に武蔵野経営法律事務所を開業し、現在に至る。

家事調停官の経験を活かし、相続事件の依頼者にとって最適な解決に導くサポートを実施している。

家事調停官時代の件数を含めて、相続事件の解決実績は500件以上に上り、地域内でも有数の実績である。

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