2018/08/17

花火や夜景も劇的に! iPhone『長時間露光』で幻想的な写真を撮れるって知ってた?

道路の上を、クルマがまるでレーザービームで光を描いたように走る写真を見たことはないだろうか。

長時間露光で道路を撮影

こんな写真である。これは「長時間露光」というテクニックで撮影されたもので、シャッタースピードを遅くすることで、動いているものを撮影したときに軌跡がそのまま撮影される。動いているクルマのヘッドライトは「光の線」になり、流れる滝はまるで水面に柔らかいシルクがかかったような幻想的な写真になる。

長時間露光で滝を撮影

実はiPhoneでも手軽に長時間露光撮影ができることをご存知だろうか? 旅行の写真をこの長時間露光で撮影すれば、いつもとはひと味違ったSNS投稿ができそうだ。

起動から完成まで約30秒、長時間露光撮影の6ステップ

長時間露光撮影に必要な機能は、iPhone 6s以降に標準搭載されている「Live Photos」と、iOS 11以降追加された「Live Photos」の「エフェクト」機能。撮影方法はカメラの起動から加工まで6ステップで、完成まで30秒もかからない。

① iPhone標準のカメラを起動
② 「Live Photos」をオン

iPhoneのカメラ画面

③ 撮影(シャッターを切った前後の1.5秒ずつ、合計3秒間、自動的に撮影してくれる)
④ 「写真」アプリで撮影した写真を開く
⑤ 写真を上にスワイプすると「エフェクト」の項目が現れる

iPhoneのカメラ画面

⑥ エフェクトが表示されるので、いちばん右の「長時間露光」を選択

iPhoneのカメラ画面

この手順で撮影した写真がこちら。

夜景と道路を長時間露光で撮影

ちなみに通常のモードで撮影したものはこちら。

夜景と道路を撮影

長時間露光で撮影した写真は、光の軌跡がよくわかり、ありふれた道路も幻想的に撮ることができる。もちろん一眼レフで撮るような本格的な長時間露光撮影とまではいかないが、「それっぽい雰囲気」を十分楽しめる。

長時間露光撮影に向いているのは?

長時間露光撮影に向いているのは、「走る電車や自動車のヘッドライト」「ライトアップされた観覧車やメリーゴーランド」「滝や渓流、波」など、動き続ける被写体が向いている。子どもや動物、人混みなどは、長時間露光で撮影してもブレるか消えてしまうのであまり向かない。

また、長時間露光撮影は手ブレしやすい撮影方法。手持ち撮影は失敗する可能性が大きいので、撮影時は三脚などでiPhoneを固定して安定した場所に置き、動かさないようにしよう。

この機能を使い、花火・夜景・渓流などを撮影し、どのような写真が撮れるのか試してみた。仕上がりの違いに、きっと驚くはず。

こんな写真が撮れます。長時間露光ならね

では、編集部で撮影したSNS映えしそうな長時間露光写真を紹介しよう。

【花火】

線香花火を長時間露光で撮影

線香花火は綺麗に撮影することが難しい被写体だが、長時間露光機能を使えば、飛び散る火花が光の軌跡を描き、しだれ柳のような繊細な姿に捉えることができる。

花火を車輪につけて長時間露光で撮影

こちらは花火撮影の応用編。手持ち花火を自転車の車輪に括り付け、3秒で1周するくらいのスピードで回転させながら長時間露光撮影。なんとも不思議な「花火の花」が撮れた。

花火をハート型に動かして長時間露光撮影

雑誌などでよく見かけるハート型の光は、花火と長時間露光撮影で再現が可能。ペンライトや懐中電灯でも代用できる。みんなで並んで撮れば、光でメッセージを描ける(?)かもしれない。

【夜景】

夜景と道路を長時間露光で撮影

次は夜景を撮ってみた。長時間露光撮影ではクルマの姿が消えてヘッドライトの軌跡が残り、ビル窓の光も強くなる。クルマや人混みを消して、夜景だけを美しく撮りたい場合に応用できるテクニックだ。

【渓流】

渓流と水の流れを長時間露光で撮影

渓流で撮影。長時間露光では水面の泡が消え、水面にシルクがかかったようになる。まるで緑深き山奥で撮ったかのような幻想的な1枚だが、場所は東京都世田谷区の等々力渓谷だ。

【渋谷のスクランブル交差点】

渋谷のスクランブル交差点を長時間露光で撮影

渋谷のスクランブル交差点にて。静止する被写体を撮影すると、周囲の人混みがブレて存在感を際立たせることができる。まるでアーティストのジャケ写のようだ。

いずれも三脚で固定して撮ったものだが、三脚は100円ショップで購入したものを使っている。サイズも値段も手頃なので、カバンにひとつ忍ばせておいてもいいだろう。

夜景と道路をiPhoneで撮影

新しい撮影方法を知れば、撮影がより楽しくなる。撮影が楽しくなれば、お出かけもより楽しくなるだろう。iPhoneがあれば手軽にできるテクニックなので、さまざまな被写体に挑戦してほしい。

文:鈴木雅矩(スズキガク)