《インタビュー》ミュージカル『17 AGAIN』 翻訳・演出 谷賢一

「セブンティーン・アゲイン」(原題:17 AGAIN)は、アメリカで製作されたコメディ映画、「ハイスクール・ミュージカル」シリーズのザック・エフロンが主演し、2009年4月17日に公開されるや北米における興行収入ランキング初登場1位を記録(日本では同年5月16日公開)。
その後、映画会社主導によりミュージカル化され、2021年、日本で世界初演を迎える。翻訳・演出を手掛けるのは近年ますます注目を集めている、谷賢一。出演には、今回が初舞台の竹内涼真をはじめ、ソニン、エハラマサヒロ、桜井日奈子、福澤希空(WATWING)、有澤樟太郎、水夏希、ほか、実力派キャストが集結。近年、演出のみならず、脚本や翻訳でも活躍している谷賢一さんに作品について、また翻訳の難しさやキャストさんについて語っていただいた。

――今回の『17 AGAIN』という作品の印象は?

:17歳という年齢にこだわらずに、昔に戻ってみたいなという妄想とか夢とかは、考えている人はいるとは思いますが、この作品はそれがすごくストレートにお話に出ていますね。そして登場人物がけっこう問題児ばかりで。何かしら上手く行っていなかったり、欲望を持っていたり、ギクシャクしたものを抱えていて…。最終的にはみんな愛らしいんですが、でも難しそうだなこの人たちって思うところが面白いと思いましたね。

――初披露のパフォーマンスを観ていて、非常に楽曲もノリがよくて。聞く人を元気にさせる印象があります。演出するにあたっての展望があれば。

:ブリリアホールはそこそこ広さがありますし、お芝居もかなり大所帯。お話の中心は家族同士と狭いコミュニティですが、バスケだったり踊るシーンや群衆のシーンがあったりさまざまな場面があるので、劇場で生で観る楽しさを全面に押し出せる演出にできたらいいなと思っています。

――今日も生バンドでしたね。本当に贅沢ですが、ミュージカルってこういう形!と思います。翻訳するにあたって、英語的な韻の踏み方とか、笑いとか当然入ってくると思いますが、そのあたりの苦労はありましたか?

:割とカタい言葉の作品も難しくはあるんですが、今回の作品のようにカジュアルな詞でもまた難しいんです。口語表現とかありますからね。原文が持っているくだけた雰囲気とかを持ちながら、それに当てはまるのはなんだろうかと自分の中でも日本語を探し直すいい機会だと思いましたから、楽しくやれていますよ。ただ僕がもう38なので若者ではないんですよね(笑)。17歳の言葉が果たして書けているのかと……よくよく点検しないといけないなって(笑)。今回稽古場に若い子がたくさんいますから、出演者に聞きながら直していけたらいいなと思っています。

会見時より。

――私たちが17歳のときと、今の17歳は明らかに違いますからね。

:僕も若い頃に大人の人から「ナウい」って言葉を使われて恥ずかしかったように、僕がうかつに若そうな言葉使っても「いやいや、そんなの口では言いませんよ」ってツッコミが入ってしまったらどうしようと思っているので(笑)。現場で相談しながら直していこうと。

――若い頃に戻ってやり直すというのはみんな何かしら思うところがあるというか。実際に我々はそんなことはできませんけれど、そこのテーマについては?

:お話の中では昔からあるフォーマットではあるんですよね。西洋ではよくある旅の物語で「結局さがしていた宝は見つからなくて、自分の身近に眠っていました」というオチ。この主人公も17歳に戻る旅を通じて、結局自分の足元にあった宝物に気づくという物語なので、この主人公が特殊というわけではなくて、あらゆる人間に共通する話なんだと思いました。ないものねだりがあって、夢想があって、妄想があって。だからこそこうやって変身願望がある人とか俳優さんが違う人になってみたい、演じてみたいと思う。自分と違う人生を生きてみたいけれど結局最終的にはもとに戻る。人類がこれまで繰り返してきた行いですよね。

――実は普遍的なテーマというか。今回はキャストさんもいろんな方が集まっていますけれど、竹内さんをはじめ頼もしい方ばかりですよね。

:芸達者な人が多いですよね。それぞれの領域でトップランナーな人が集まっているので。そういう人たちが集まったときにどういう化学反応が起こるのかは楽しみですね。

会見時のパフォーマンスの様子。

――竹内さんは今回初めてのミュージカルということですが……。

:あれだけドラマだ映画だと忙しいはずなのに、ちゃんと歌のレッスンを受けていらっしゃいましたね。たいへん素晴らしいことだと思いました。一足飛びに「どうやったらできますか」ではなくて。「どういう筋肉を使えば動けるのか、どう歌えばいいのか」と基礎的なところからちゃんと学んでいる。事務所をはじめ彼を支えている人たちも上手くサポートしていますよね。そういう意味では初舞台を迎えるにあたる下地作りをきちんとしている印象ですね。

――この舞台を観たいという人にメッセージを!

:今回、僕としてはどうステージングしたらいいのかというところはもちろん考えています。でもやっぱり、演劇の根幹は俳優であり、人であり、生の身体から出る魅力であるのは間違いがない。多彩な出演者がいますから「この人を生で観たいな」ということがあればぜひ劇場に足を運んでいただけたらなと思います。あとは、竹内さんが初舞台ですが、初陣って一番その成長や変化の度合いがわかるので、初日から千穐楽にかけて別人に変わっていくと思いますから、どう稽古を経て、初日を経て、どう上手くなっていったんだろうかと。初日と見比べてみたり、いろんな見方があるので。そのあたりも見どころなのではないかなと思います。

――ありがとうございます。公演を楽しみにしております。

※インタビュー収録:2020年11月

フォトセッション(会見時)

▼ストーリー
主人公マイク(竹内涼真)はハイスクールバスケットボールのスター選手。 有名大学のスカウトが見守る試合で、 いつものプレイさえすれば、 華々しい未来が待っているはずだった。 ところが、 恋人スカーレット(ソニン)の妊娠を知ったマイクは、 すべてを捨てて彼女と人生を共にすることを決意する。 しかしその後、 35歳になった2人の結婚は破綻、 仕事もうまくいかず、娘のマギー(桜井日奈子)と息子のアレックス(福澤希空)からは負け犬呼ばわり。 家を出て親友ネッド(エハラマサヒロ)の家に転がり込むが、 ある日不思議な現象に巻き込まれて17歳の頃の姿に戻ってしまい、 子供たちと同じハイスクールに通うことに。 マギーの彼氏スタン(有澤樟太郎)の存在や、息子がいじめられている光景を目の当たりにし、ショックを受ける。 一方マイクの父親代わりを務めることになったネッドは、マスターソン校長(水 夏希)に一目惚れしてしまい…。
果たしてマイクは、 人生で一番輝いていた頃の自分を取り戻し、 家族を再生することができるのか──?

<概要>
キャスト
マイク[マーク]:竹内涼真
スカーレット(妻):ソニン
ネッド(親友):エハラマサヒロ
マギー(娘):桜井日奈子
アレックス(息子):福澤希空(WATWING)
スタン(マギーの彼氏):有澤樟太郎
マスターソン校長:水 夏希
マーフィーコーチ/用務員:角川裕明
ネイオミ:安田カナ
ディーン:大原研二
岡田治己、 小原悠輝、 鯨井未呼斗、 長澤仙明、 松谷 嵐、松村桜李
熊澤沙穂、 坂口杏奈、 佐藤彩香、 中西彩加、 町屋美咲、 森 莉那 (五十音順)
<スタッフ>
脚本:マルコ・ぺネット、 作曲・作詞:アラン・ザッカリー&マイケル・ウェイナー、 翻訳・演出:谷 賢一、 訳詞:高橋亜子、 音楽監督:長谷川雅大、 美術:土岐研一、 照明:原田 保、 音響:山本浩一、 衣裳:及川千春、 ヘアメイク:宮内宏明、 歌唱指導:林 絵理、 振付:AKIHITO、 稽古ピアノ:亜久里夏代、 演出助手:河合範子、 舞台監督:幸光順平

日程・会場
<概要>
日程・会場:
[東京]
2021年5月16日〜6月6日 東京建物 Brillia HALL
主催:ホリプロ キョードーファクトリー WOWOW
[兵庫]
2021年6月11日〜6月13日 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
主催:梅田芸術劇場 兵庫県/兵庫県立芸術文化センター
【鳥栖】
2021年6月18日〜6月20日 鳥栖市民文化会館 大ホール
主催:RKB毎日放送 インプレサリオ 鳥栖市 鳥栖市教育委員会 鳥栖市文化事業協会
【広島】
2021年6月26日 広島文化学園HBGホール
主催:テレビ新広島
【名古屋】
2021年7月1日~7月11日 御園座
主催:御園座

公演公式HP(ホリプロステージ):https://horipro-stage.jp/stage/17again2021/
公式ツイッター:https://twitter.com/musical17again

構成協力:佐藤たかし
取材:高 浩美