ニホンアナグマ

SDGs

二ホンアナグマは、イタチ科のタヌキに似た動物で日本固有種です。現在、絶滅危惧種Ⅱ類(LC)となっています。ユーラシアのアナグマより小さく、体長(2歳以上)は、オスで約78cm、メスで約72cmです。基本的に二ホンアナグマは夜行性で12月~2月は巣穴で冬眠するといわれています。餌はミミズや虫を好んで食べていますが、人間の住む地域に住む二ホンアナグマは、庭に落ちてある柿や収穫したミカンなどいろんなものを食べる雑食性のようです。

生息地は、本州、四国、九州のほぼ全域と瀬戸内諸島の一部に分布しています。北海道、佐渡、伊豆諸島、隠岐、瀬戸内諸島の大部分、壱岐、対馬、五島列島及び、大隅諸島以南の南西諸島には生息していません。(環境省自然環境保全基礎調査より抜粋)2003年の環境省の調査結果では、生息区域は四国で増加していますが、全体的に生息区域は減少傾向にあるとなっています。

鋭い爪をもつアナグマ

ある家の二ホンアナグマの話

ある日、家の庭に小さい穴が数か所掘られいることに家人が気付きました。庭の穴は、毎日増えていきました。また夜になると、家の床下や土間でガサガサと何かが動いていると思われる音が数日続いたそうです。家人は何か動物がきているなと思ったそうですが、被害もないので放っておいたそうです。

深夜、土間に置いてあったゴミ袋周辺でガサガサと音がすることに気付いた家人が様子を見に行くと、こちらを向いて静止している二ホンアナグマを発見したそうです。この二ホンアナグマは人間を恐れず、大胆に行動しており、それ以降も夜間、日中を問わず、庭や土間に出没し、ミミズや柿、ミカン、野菜を食べたり、ドックフードを食べたりし、決まった場所に排泄をしていくようになったそうです。

家人の話では、二ホンアナグマは獣臭が強く、排泄物の臭いも強いそうです。この二ホンアナグマは、この集落に昔から住んでおり、この地域内を移動しながら、各家庭や倉庫に忍び込み、食べ物を物色し、農家が多いこともあって、収穫した野菜やミカン、スイカなどを食べていくそうです。

今のままでも支障がないのですが、毎日の排泄物の処理と寄生虫を持っている可能性があるために、この家では家の入口のいたるところに網を設置し、二ホンアナグマが嫌うミントの香りをつけて対策をしました。しかし、対策後も何度も庭に出没するため、家人が行動を観察すると、約10センチ未満の排水溝から入ってきていることが分かりました。それから排水溝を網でふさぐと家に入ってこなくなりました。時々網が曲がっているので、家の周辺に来ていることが分かります。二ホンアナグマは冬眠するため、12月から2月は姿を見かけません。今年は3月前半ぐらいに出てきたそうで、また庭に小さな穴があったそうです。

二ホンアナグマの生息数は、正確に調査されていないため分かりませんが、こんな話を聞くと、二ホンアナグマとの共生とは何かを考えさせられます。