広い海、広い空に囲まれて、清々しい気分のショッピング。

三浦半島の東側、東京湾に面した観音崎公園は、地元の人も散歩に訪れる、気持ちのいいエリア。この海と空、そして生い茂る森と調和するように建てられた「横須賀美術館」に、今回の旅の目的地がある。

山本理顕設計工場による建築は、ガラスと鉄板のダブルスキンを採用した構造が印象的。ミュージアムショップは美術館のエントランスに設置され、一面の窓ガラスから明るい自然光が入り込む空間だ。館内から大小の丸穴を覗くこともでき、「あの場所はなんだろう?」と、ワクワクしながら向かっていける。

館内にはグラフィックデザイナーの廣村正彰が手がけたピクトグラムも。この温かみのあるサインは、ミュージアムショップのオリジナルグッズにも用いられている。
トートバッグ968円、ロルバーンポケット付きメモ770円。
トートバッグ968円、ロルバーンポケット付きメモ770円。

マリンムードを高める、きらきらとしたもの。


ショップの前にある東京湾は、ちょうど浦賀水道航路が通るエリア。1日400隻もの船が行き来し、“シップウォッチング”を楽しむ人も少なくない。青く広がる海と空に触発されて、海辺の町ならではのお土産を探してみることに。

5種のお魚モビール2,950円。素材はすべて国産で、組み立ての大半は、自立を目指して訓練している福祉施設の利用者によるという。
5種のお魚モビール2,950円。素材はすべて国産で、組み立ての大半は、自立を目指して訓練している福祉施設の利用者によるという。
店内にディスプレイされていたのが、紙を使ったプロダクトを制作する「Enjoy making」が作る魚のモビール。ホノグラムの紙が太陽光に煌めいて、涼やかな印象も感じさせる。子ども部屋はもちろん、自宅のワークスペースに飾っておいたら、ふと見上げた瞬間に心を癒してくれそう。
お土産として手渡すだけでなく、切手を貼って郵送することもできる。シーグラスカード715円。
お土産として手渡すだけでなく、切手を貼って郵送することもできる。シーグラスカード715円。

ショップが「Enjoy making」に依頼して作ってもらったという、シーグラスのアイテムも。地元の観音崎でとれたシーグラスを使ったオーナメントは一つとして同じデザインはなく、光に照らして質感を楽しみたい。
 

港町・横須賀が見せる、さまざまな表情。


爽やかな海辺のイメージもありつつ、横須賀といえば海外の文化が織り混ざるユニークなカルチャーが特徴的。戦後、アメリカ軍人のお土産として流行った和柄入りのジャンパー「スカジャン」は、今や定番のファッションアイテムになっている。

スカジャンポーチ1,980円、スカジャンマスク1,540円。
スカジャンポーチ1,980円、スカジャンマスク1,540円。

とはいえ、普段着に取り入れるのは上級者向き。スカジャン発祥の地・ドブ板通りにある「よこすかコレクション」から届く、「横須賀美術館」オリジナルのポーチなら、気軽に取り入れられそう。裏地には肌に優しい綿を使ったスカジャンマスクも、さりげないおしゃれとしておすすめ。

竜や虎などが刺繍されたスカジャンらしいデザインも、ポーチならどこかかわいい。クッション性もあるから、大切なものを保護してくれそう。
竜や虎などが刺繍されたスカジャンらしいデザインも、ポーチならどこかかわいい。クッション性もあるから、大切なものを保護してくれそう。
美術館近くに位置する防衛大学のカレーやコーヒーは、学外では唯一美術館で手に入れられるという。港町らしく、輸入菓子や紅茶も並び、他ではあまり見かけない珍しいものも。さまざまな国の文化が垣間見える、横須賀の楽しさを体験できる。

横須賀にアトリエを構えた、谷内六郎のほのぼのとした作品。


「横須賀美術館」には、『週刊新潮』の表紙絵で知られる画家・谷内六郎の作品を集めた、「谷内六郎館」も建てられている。家族で横須賀を訪れる日々ののち、1975年には観音崎公園近くにアトリエを構えた谷内。昭和の懐かしい風景や、子どもたちの様子を描き、その没後には館に表紙絵の原画をはじめとした多くの作品が寄贈された。

ショップには、文房具、手拭い、Tシャツなど谷内六郎の作品をモチーフにしたグッズがたくさん。絵の中に登場する“ちいさないきもの”たちを切り取った缶バッジやピンズは、絵の新たな魅力を引き出してくれるよう。ほっと和ませてくれるちいさないきものは、普段目につくところにつけておきたい愛らしさ。

絵画を丸ごと愛でられるクリアファイルは、その質感も見どころの一つ。触ってみると、サラサラとした和紙の手触り。表面はクリアファイル同様の加工がされているから、大事な書類は守ってくれる。谷内六郎の作品は、近くの洋菓子店でも採用されている。1932年に横須賀で創業した「大津坂倉」は谷内と親交があり、灯台と子どもたちが描かれた包装紙が誕生。美術館オリジナルとして、フルーツケーキの箱にも谷内の包装紙が使われている。

お出かけついでに原っぱでできる遊びがたくさん。


ショップは公園の中にあるという土地柄、シャボン玉や凧など外遊びのおもちゃもいろいろとそろっている。デザイン性の高いものも多く、なかには創作意欲が掻き立てられる工作グッズも。

スニップアートスタンプオリジナルバッグセット1,980円。
スニップアートスタンプオリジナルバッグセット1,980円。

ハサミがあれば簡単にスタンプを作れる「スニップアートスタンプ」は、小さい子どもでも楽しめるもの。ショップおすすめの一品だ。せっかく童心に帰れる場所に来たから、とことん楽しむのもありだ。
 



Text: Kahoko Nishimura
Photo: Natsumi Kakuto




いつもと違う神奈川県観光には、横須賀市の〈横須賀美術館〉がおすすめ。

横須賀美術館 ミュージアムショップ


所在地神奈川県横須賀市鴨居4-1 横須賀美術館内
アクセス馬堀海岸駅からバスで約10分
電話番号046-842-0125
URLhttps://ymoa.shop-pro.jp/
営業時間10:00〜18:00(美術館に準ずる)
休業日第1月曜(祝日の場合は営業)

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