『古老柿』Tオカさんの日記

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冬のお茶のお供、古老柿。
正しくは「ころうがき」と読むようだが一般的に京都では「ころがき」と呼ばれる京都市のお隣の宇治市で作られている干し柿である。
東京で売られている一般的な干し柿と比べるとかなり小振りで白い糖分が表面にびっしりと粉を吹いているのが特徴、とはいえ我々京都で育ったものは干し柿=古老柿だと思っていたしコロコロしてるから「ころがき」だと思ってた。
柿が大好きなので(主に代白柿だけど)東京で売ってる普通の干し柿でもいいのだけどやはり冬になると古老柿が食べたくなる、
もちろんこんなもん東京には売ってないので京都から送ってもらう。
冬の休日の昼下がりにBachのカンタータを聴きながら熱いほうじ茶に古老柿、
自然な甘みが口の中でじんわりとひろがっていく・・・。
この一粒を10分ほどかけて飴玉のように口の中でほどいていくのが京都人の食べ方???なはず、
・・・しかし子供の頃から口にしているものはやっぱり落ち着くなぁ。
さてこの古老柿が作られているらしい(現場を見た事が無いので)宇治という場所、
我々京都市内の人間からすると今ひとつ馴染みがない。
まず用事がない、行くにも京阪電車で乗り換えたりなど結構面倒である。
(しかも学生時代には宇治側川沿いの国道3号線は夜な夜な首無しライダーが出現する名所として我々京都のバイク乗りたちからビンビンに恐れられていた・・・)
だからほとんど行ったことが無い、宇治市どころか同じく京都市のお隣の亀岡市や長岡京市や山科市なんかも電車や車で通過した事ぐらいしか無い、京都に住んでると市外へはなかなか出ないもんなんです。(美山荘のある花背は驚くなかれ左京区だし)
しかし京都に住んでいた2年前に思い立って宇治に行ってみた、
なんとまぁ美しいところである、
俗悪化して京都らしさの片鱗も無い嵐山の20倍は素晴らしい。
まぁそんなに見るものが沢山ある訳ではないので3時間も居れば十分ではあるが
宇治川沿いに散策すれば自然と歴史がミニマムに調和し京都市内とはひと味違った独特の文化を感じる。
特に素晴らしいのが平等院の宝物館にあたる平等院ミュージアム鳳翔館の雲中供養菩薩像。
シルクロードを渡って日本にやって来たエルギン・マーブル、
雲に乗り空を翔る菩薩達たち、楽器を奏でたり舞を舞ったり、
京都市内の閉塞感とは全く無縁の躍動感。
あれはあきらかにエンジェルだよなぁ、
うっとりといくらでも眺めていられる。
これを見る為だけにでも宇治に行く価値は大です。
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