BLEACH Xoversoul   作:カチドキホッパー

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17話

先鋒戦 vs霧咲霧幻

 

「恵みをもたらせ『蒼燕』」

 

 初っ端から始解で備える武。

 燕が飛び交い、辺りに雨が降り視界を覆う。

 

「これが貴様の始解か…

 面白い、視覚を奪うのが貴様のお家芸ではないことを教えてやろう。」

 

 霧幻が太刀を抜く。

 

「惑わせ『骸霧』」

 

 そして辺りが霧に包まれ、晴れたところに四本の刀を持った霧幻がいた。

 

「お前やっぱり…幻騎士!」

 

「久しぶりだな、山本武…

 また無惨に切られにきたか。」

 

 そして斬り合いが始まる。

 

「相手、確かに幻騎士に似てるけど…

 なんか違うきがする」

 

 ツナの超直感が何かを感じ取る。

 ならばコイツは一体…

 

「さっきから十代目も山本も何を言ってるんです?

 あいつのどこが幻騎士なんですか?」

 

 隼人の一言でハッとするツナ。

 まさか…

 

 

「ふっ、ずいぶんやるようになったな。

 しかし、この程度で息が上がるのでは相手にならんな。」

 

 変幻自在な四刀流に息を上げる山本。

 

「ふっ、このままでは霧幻に勝つのは無理だな。

 やはり、黒崎一護の配下にふさわしいのは私たち…」

 

 戦況を見てつぶやく春日、しかし

 

「おいおい、冗談だろ。

 お前が幻騎士?

 太刀筋が全然違うぜ。

 お前の能力は大体わかった。

 相手が最も脅威に感じる相手だと思わせることだろ?

 この霧も能力の一部なんだろ。

 なら、小次郎!」

 

 雨燕が降らず雨が霧を減らしていく。

 

「俺の属性は雨、その本質は沈静だ。

 小次郎が降らす雨は少しずつ力を弱らす。

 っと、でも外見は元々幻騎士に似てるみたいだな。

 ちょっと縮んだがな。」

 

 霧がかき消された先には先ほどまで見ていた姿より少し縮んだ霧幻がいた。

 刀も一本に戻っている。

 

「くっ、まさか僕の骸霧を見抜くとは…

 山本さんあなた、かなりできますね。」

 

 言葉遣いすら変わる。

 

「あんたがホントの霧幻だな?

 こっからが本番だな!」

 

 刀を構え直す武、しかし

 

「あなたなら本気を見せてもいいかもしれません。

 僕は剣術は得意じゃないですが、それでもあなたに勝たなければならない理由はあります。

 今までは春日18席に止められていましたが、躊躇していては勝てないような気がします。

 いいですね、18席?」

 

 後ろの控え席をふりかえる霧幻。

 春日は

 

「ふん、負ければ承知せぬぞ。」

 

 尊大な態度で了承した。

 

「それでは、山本武殿。

 あなたを我が宿敵と定め、お命を奪う気で行かせていただきます。」

 

 ヤイバを構えて左手を添える。

 霊圧が霧のように辺りを、霧幻を包み込む。

 

「おいおい、この霊圧…

 訓練で見た黒崎副隊長に近いが、まさか⁈」

 

 そして

 

「卍解

 

 紫骸骨・霧幻宮」

 

 紫色の髑髏の兵たちが武の周りを囲い、その中には四体の巨大なガシャ髑髏が上から覗き込んでくる。

 そして霧幻は、紫色の甲冑に髑髏の面、先ほどまでは持っていなかった巨大な一本の刀を持っていた。

 

『山本殿、これが僕の卍解です。

 あなたが卍解を使えるという情報は聞いていません…

 卑怯者と言われても構いません、あなたに勝つにはこれくらいしないと…』

 

 悔しそうな顔をする霧幻。

 しかし、武は

 

「ははっ、やっと本気か!

 いいぜ、ゾクゾクするよな。

 八回裏、ツーアウト満塁のサヨナラ逆転のタイミングと同じだよな。」

 

 そして構える武。

 

「行くぜ

 時雨蒼燕流・特式10の型改

 蒼燕特攻・螺旋龍」

 

 青い竜巻となって霧幻に突っ込む武。

 

『守れ、髑髏ども』

 

 盾となる髑髏兵たちが集まるが、

 触れた瞬間に弾け飛ぶ。

 そしてガシャ髑髏四体でようやく受け止められる威力だが、山本を止めた段階でそれも崩れ落ちる。

 

『まさか、これほどとは…

 ならこちらも』

 

 ガシャ髑髏や、髑髏兵が復活。

 さらに霧幻すら分裂した。

 その数8人。

 

「おいおい…これじゃ骸レベルの術師だな。」

 

 そしてそれらが一斉に切り掛かってきた。

 山本の力でなんとか捌いて反撃して切り倒すがキリがない。

 しかも数が多すぎて技に入るためすら作れない。

 

「はぁ、はぁ…

 こりゃ参った、な!

 時雨之化を使うにもためがいるし、形態変化しても逆に小回りが効かない!

 こうなったらもう…

 ツナァ!いいかぁ?」

 

 捌きながら厳しくなってきた山本はある事をツナに打診する。

 ツナも意図を汲み

 

「わかったぁ!

 その代わり、怪我さすなよぉ!」

 

「まかせとけぇ!

 さぁ、霧幻!

 こっからは俺も全開で行くぜ!

 二式、大太刀雨月!

 時雨蒼燕流守式7の型・しぶき雨!」

 

 形態変化した斬魄刀で伸びたリーチを生かし、広範囲にしぶきあめを使い一体の敵を払う。

 そしてその瞬間、爆発的に霊圧を高める。

 その色は、混じり気のない青色だった。

 

「行くぜ…

 

 

 

 卍解、燕犬纏・蒼叢雨」

 

 




霧幻の斬魄刀は骸霧(むくろぎり)
卍解は紫骸骨・霧幻宮(ゆかりのむくろぼね・むげんきゅう)
山本の卍解は読みが
燕犬纏・蒼叢雨(えんけんまとい・あおむらさめ)
です

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