2023年09月08日(金曜日) 12:25 報道特集・ドキュメント

三木市の企業が製作 「デコトラはしご車」で地域を元気に

三木市の中古車販売会社が世にも珍しいある車両を製作し話題となっています。その車両を活用し、地域を元気にしようと奮闘する取り組みを取材しました。

三木市の「片岡オート」。様々な中古トラックや部品などを取り扱っています。この会社では、最近世にも珍しいある車両を製作し話題となっています。

【片岡オート 片岡憲彦さん】
「目をキラキラさせながら、乗りたい、乗りたいっていう感じで皆さん近づいてこられます」

その車両とは、消防車を改造した「デコトラはしご車」。デコトラとはデコレーショントラックの略で、電飾やメッキパーツなどで装飾したもの。その特徴は?

【片岡さん】
「まさかまさかの、はしご車にメッキホイール。皆さん驚かれます」

ナットキャップはゴールド。中心部分はデコトラの基本・レッドです。さらにマフラーは3本!

デコトラの特徴のひとつ「V8サウンド」を出すため、ダブルマフラーを搭載。通常のエンジン音と切り替え可能です。そして…。

【片岡さん】
「ここを押しながら開けてください。オートステップでエアーで開くようになっています。皆さん驚かれます。」

ステップのうろこ模様もデコトラ仕様です。

このはしご車は、去年まで27年間、岐阜県高山市の消防署で使われてきた車両で、今年2月の入札会で格安で購入。排気量2万ccを超えるエンジンを搭載し、新車当時の価格は1億円。走行距離はわずか1万4000キロ余りでした。

【片岡さん】
「めちゃめちゃきれいだなぁという印象で、ビックリした。これを活かして、世界一、日本一みたいな感じを目指せるのではないかと思って」

車体が11mと長く、6人乗りで、はしご操縦席もあることから、親しみやすさとインパクトを追求するため、「デコトラはしご車」としてイベントなどで活用することになりました。

【片岡さん】
「日本で一番親しみやすいはしご車を目指しているので、実際にあがってもらったり、運転席に座ってもらったり、自由にしてもらっている。それが喜ばれている」

記者が実際に体験させてもらうことに。

転倒防止のアウトリガー、オン!車体から出た足のような装置で重量を支えます。

上昇開始です。

【小浜記者】
「あー、一気に上がった!何かのアトラクションに載っているかのよう」

自慢のはしごが、登り龍のごとく天をつきます。

バケットはわずか10数秒で上空へ。高さは30m。マンションの10階に相当します。

風を感じながら、周囲の風景を独り占め。そこには非日常の世界が広がります。

【小浜記者】
「すごい絶景だけど、結構怖いですね」

バケット部分にも操作盤がついていました。

下を見ると…、さらにスリルが増します。カメラマンがかなり小さく見えます。

【小浜記者】
「まだ足がガクガクしています。すっと上に上がるんですね」

日もすっかり暮れた夜。デコトラはしご車が、神戸のハーバーランドにやってきました。

神戸の街を駆け抜けるはしご車。ライトアップでデコトラ仕様の本領発揮です。存在感がより一層引き立ちます。

【デコトラはしご車を見た人は―】
男性「ずいぶんデコってるなと」
女の子「しょうぼうしゃ。バイバーイ」
男の子「消防車がピカピカしとった」

道行く人も二度見する中、車はさらに進みます。

片岡さんは、コロナ禍で会社が苦境に立たされる中、ある決意を持ってデコトラはしご車を走らせています。

【片岡さん】
「コロナで亡くなる人もいたりとか、そういう中で人生一回きり、いつ亡くなってもおかしくないという思いも芽生えてきて。その中で何かこの世に残したいなということもあって、はしご車を作った。
皆さんの元気が出るような、笑顔を与えられるようなはしご車にしていきたい」

デコトラはしご車で「子どもに夢を、地域に活気を」。あふれる希望を車に乗せて、きょうも地域を明るく照らします。

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