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直筆サイン入りチェキをプレゼント!向井理さん「俳優の面白さは、現実世界ではありえないことができること」

舞台『リムジン』に出演する向井理さん(41歳)

主演ドラマ『パリピ孔明』が絶賛放送中の向井理さん。若き日の姿で現代の渋谷に転生した、三国時代の天才軍師・諸葛孔明役を高いポテンシャルで演じ、話題を呼んでいます。11月からは、コロナ禍で公演が延期となっていた舞台『リムジン』に出演。ますます充実ぶりを見せる41歳に、俳優の仕事の面白さや舞台の魅力、40代の展望などを伺いました。前後編に分けてお届けします!


《前編》

――理知的な雰囲気が孔明役にハマっている向井さん。孔明のヴィジュアルもたまりません。お髭を伸ばしているのは、ドラマ『パリピ孔明』の撮影のためですか?

そうです。付け髭だと、どうしてもしゃべりづらいし、気になってしまって。それで、髭を伸ばさせてほしいと言って、撮影の途中から自前の口髭でやっています。顎のほうは長い付け髭を付けるので生やす必要はないんですけど、一度、口髭だけ生やしている時に今日みたいな服で取材を受けたら、写真がどうも胡散臭い感じになってしまって(苦笑)。これは顎の髭もあったほうがバランスがいいなと思って、伸ばしました。なので、この顎髭は取材用です(笑)。

――なるほど(笑)。ご自身でドラマをご覧になった感想はいかがですか?

1話を見て、ぶっ飛んでるなあ! と思いました。監督が渋江修平さんといって、ミュージックビデオとかPVとか、最近業界でも注目されているCMをたくさん撮っていらっしゃる方なんです。やっぱり、色彩の鮮やかさや深度が普通のドラマとはちょっと違うというか、映画を見ているようだなと感じました。

――シリアスな作品からコメディ、恋愛ドラマに時代劇と、様々な作品でご活躍です。俳優の仕事の面白さをどういうところに感じていらっしゃいますか?

現実世界ではありえないようなことが、できたりするところですかね。作品ごとに、全く違う職業や人格になったり、実在した人物や歴史上の人物、世界的に有名な作品の主人公になったり……。役柄として色々なことが体験できる仕事なので。それこそ、今は諸葛孔明をやっていますけど、その前は刑事をやっていたし、去年の夏から今年の5月までは、舞台でハリー・ポッターになって魔法を使ったり、ちょうどここにあるような本棚に吸い込まれたりしていました。そういう面白さが味わえるのは、お芝居の世界ならではだと思います。現実の世界でもハリー・ポッターのコスプレはできますが、魔法までは使えないですから。

――11月には、2020年にコロナ禍で全公演が中止になった『リムジン』への出演が控えています。同じメンバーで3年越しで同作品に挑む、今の率直なお気持ちは?

2020年の公演が中止になったのは稽古が始まる前だったので、そんなに“リベンジ”という感覚はないですが、改めてちゃんとこの作品をやるんだな、いよいよ始まるなという思いは、やっぱりありますね。皆さんもそうだと思いますけれども、3年前は色々なことを諦めざるをえない状況で、僕もこの『リムジン』に限らず、色々な仕事がなくなるという経験をしました。倉持さん(『リムジン』を作・演出する倉持裕氏)も、別の作品がゲネプロ(本番同様に行う最終の舞台稽古)までやって全公演中止になるという辛い経験をなさっていて。もちろん、まだ手放しで喜べるわけではないですが、辛い時期を乗り越えたことを実感できる作品ではあると思います。

――台本は3年前にも読まれていたのですか?

第1稿は3年前にいただいていたと思うんですが、上演できないと決まった以上、変な未練が残ってはいけないと思って、僕はプロットしか読まなかったんです。なので、台本という形で読んだのは、3日前ぐらいにもらった第2稿が初めてです。

――どんな印象を持たれたでしょう?

劇的な物語じゃないところが難しいなと思いました。感情がドカーンと爆発するようなものであったり、殺人鬼みたいなわかりやすい悪人が出てくるもののほうが、演じるほうとしてはやりやすいんですけど、本当に日常的な“あるある”とか、もし自分がこういう状況に陥ったらどうなるだろう? と思うようなことが描かれていて。観てくださる方の想像力にお任せする部分が大きい作品になるだろうなと思います。想像力を刺激するものになるように、倉持さんの演出のもと、稽古場で自分もアイディアを出しながら丁寧に構築していきたいです。

――向井さんが演じる諸角康人には、現時点ではどんなイメージがありますか?

ほかの登場人物はわりとキャラクターが立っている部分があると思うんですが、康人と彩花(康人の妻)はあまり特徴がないんです。何かを深刻に考える人ではなくて、その場その場で考えて咄嗟に動いている感じ。結果、色々な顔を見せることになるんですが、人間って多面的な生き物で、誰しも弱い面と強い面を持っていると思うので、そういう意味では“どこにでもいる市井の人”というイメージですね。

――だからこそ、観客が共感したり、自分を投影しやすい部分があるのでは?

それはあると思います。ただ、演じるほうとしては、やっぱりキャラクターがはっきりしているほうがやりやすいんですよね。そこも含めて今回は、自分にとって不安だらけな演劇になる気がします。そういう不安定なところを楽しんでもらえればいいのかなと。

――彩花役は、NHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』などでも共演され、向井さんのことを「りーくん」と呼んでいるという水川あさみさん。『リムジン』については、何か話をされていますか?

水川さんとは、それこそ3年前に、『リムジン』のポスター撮りと宣伝で何度か会って以来、まったく会っていないんです。僕の中では、水川さんが舞台をやるイメージがあまりなかったので、まずは稽古が楽しみですね。役柄の関係性としては、これまででいちばん距離が近い夫婦役ですし、倉持さんも色々なことを考えてキャスティングをされていると思うので、しっかり関係性を作っていきたいです。

――倉持さんの印象はいかがでしょう? 演出を受けるのは今回が初めてですね。

まだ稽古が始まっていないので、知ったふうな口は叩けないですけど、優しい方という印象です。台本も露悪的なところがなくて、丁寧に描かれていて。でも優しい分、難しい。もちろん、シリアスな場面ばかりじゃなくて、台本を読んでいるだけで笑ってしまうやりとりもたくさんあるんですが、そういった日常会話の生々しさは、リアクションを丁寧にやっていった上で、なるべく段取り臭さや作り物感を削いでいかないと出せません。最初で最後の演劇だと思いながら、日々やっていかないといけないのかなと思っています。

<後編へ続く>

向井理(むかいおさむ) 1982年、神奈川県出身。2006年に『白夜行』でドラマデビュー。以降、数々のドラマ、映画、舞台で活躍。近年の主な出演作は、ドラマ『先生のおとりよせ』『警部補ダイマジン』、映画『イチケイのカラス』、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』など。主演ドラマ『パリピ孔明』がフジテレビ系で毎週水曜夜に放送中。

M&Oplaysプロデュース『リムジン』
中小工場が多く集まる田舎町で、親から受け継いだ小さな機械部品工場を営む諸角康人は、町の有力者・衣川に気に入られており、後継者に指名したいと打診される。妻・彩花も喜ぶが、康人と友人の林、衣川で出かけた狩猟で誤射事件が起き……。
作・演出/倉持裕 出演/向井理、水川あさみ、小松和重、青木さやか、宍戸美和公、田村健太郎、田口トモロヲ
11月3日~26日/東京・本多劇場 富山、名古屋、熊本、福岡、広島、大阪公演あり。
https://mo-plays.com/limousine2023/

向井理さん直筆サイン入りチェキを1名様にプレゼント!

【応募期間】
2023年10月19日11:00~2023年11月2日23:59

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撮影/古水 良 ヘア・メーク/宮田靖士(サイモン) スタイリスト/外山由香里 取材/岡崎 香

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