うちの子可愛いようちの子。
でもこの子、一応ノコギリクワガタではあるんですが、店で売ってるノコや写真で見るノコとちょっと違うんですよね。具体的には・・・。
やっぱりノコギリクワガタって、このぐわっとした感じの大あごが特徴だと思うんですよ。でもうちの子の大あごの曲がりはちょっとだけ。それに小さい。なんでこんなに違うんだろうと思っていろいろ調べてみたところ、どうもうちの子は「原歯型」と呼ばれる小型個体らしいことがわかりました。
ぐわっとした大きい顎を持っているのは大型個体の「先歯型」。緩やかなカーブを描いているのは中型個体の「両歯型」。そしてまっすぐで内側にギザギザが入っているのが小型の「原歯型」と言うそうです。うちの子は少しだけ緩やかに曲がっていて、内側にギザギザが入っているので原歯型と両歯型の中間、やや原歯型寄りくらいの個体のようです。
こんな区分けがあったなんてこの歳で初めて知りましたよ。
なぜ同じ種類の昆虫でこんなに外見に差異があるのか確たる原因は分かりませんが、どうやら幼虫のときに摂取した栄養と、幼虫時代の期間の長さが大きく関係しているようです・・・。
つまり子供のころに十分ご飯を食べられず、ゆっくり育つ時間もなかったから、うちの子は小さいと・・・。
俺もお前も、二度と子供時代には戻れないけど、せめて今はたっぷりと食べて休みなさい・・・。
というわけで毎日新しいキュウリとゼリーをあげることにしましたが・・・、
キュウリにはもう見向きもしなくなりました。
初日はあんなに必死でかぶりついていたのに・・・。
恐るべし昆虫ゼリー。
3日ほど観察したところ、ほんとにキュウリを食べなくなったことが判明したので、あげるのはゼリーのみにしました。もったいないですからね。
というわけで、残ったキュウリにつきましては・・・、
塩もみにして、筆者がおいしくいただきました。
ところでいろいろ調べていて気になったのがこれ。
「ノコギリクワガタは初夏までに羽化した個体は冬を越せず、繁殖活動を終えた成虫は死滅する」そうなんです・・・。
ガーンですよ。どんなに遅くとも冬にはお別れが決まっているなんて・・・。
小学生のころ飼っていたクワガタが冬を越した記憶があったので調べてみたところ、コクワガタは越冬可能なことが分かりました。たぶんあれはコクワガタだったんだなあ・・・。
残された時間はもうそんなに長くありません。うちの子にいったい何をしてあげればいいのか・・・。
繁殖活動、繁殖活動か・・・。そうだ・・・、せめて・・・、子孫を残せるようにしてやろう!
よしっ! 嫁さん、探してやるからな!
文・写真 早川清一朗
【STARTT’s POV ~スタート視点~】
ついに採集に乗り出すのですね! 早川氏。うまくノコのメスが見つかると良いですね。
ノコギリクワガタはクヌギなどの二次林にいる種類なので、山奥の原生林に分け入らなくても大丈夫。それっぽい木を蹴っ飛ばしてみるのがオススメ。驚くと擬死(死んだふり)するという特徴があるので、せっかく木の幹にしがみついてても落っこちてきます。悲しいサガですねぇ・・・。
但し、これやるとオオスズメバチが飛び出してくる可能性もあるので、くれぐれもご注意ください。(編)
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