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子どもの脳は3歳までに約90%ができあがる⁉【0〜6才まで】脳の発達時期に合わせたかかわり方

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※写真はイメージです
yaoinlove/gettyimages

わが子の才能や能力を伸ばしてあげたい、と考えるママやパパは多いでしょう。生後赤ちゃんの脳は急速に発達するといわれますが、子どもの脳の発達のために親が知っておきたいことや心がけたほうがいいことにはどのようなことがあるのでしょうか。
2021年10月初旬に開催された「脳科学と栄養の専門家に学ぶ、1歳からの育脳」というオンラインセミナー(主催/明治)で東北大学加齢医学研究所の瀧靖之先生が講演された「乳幼児の脳発達のしくみと育脳に大切な生活習慣」の内容をリポートします。

子どもの脳は後頭葉から育つ

脳は①〜④の順番で、うしろのほうから前へ向かって成長が進む

ヒトの脳は1〜3才ころにかけて著しく成長します。神経細胞同士のネットワークが作られることで脳の体積が増え、3才ころの脳の重さは、なんと大人の約90%にまでなるそうです。また、脳は年齢により成長する部位が変わっていきます。

「生後すぐから2才ころにかけて、後頭葉(こうとうよう)や側頭葉(そくとうよう)・頭頂葉(とうちょうよう)など、視覚・聴覚・触覚や言葉の理解になどにかかわる部分の成長が始まります。続いて3〜5才ごろには、体の動きにかかわる頭頂葉の運動野が成長のピークを迎えます。上の図の①~④の順番で発達が進み、おでこに一番近い位置の前頭前野の成長はいちばんあとで、小学生〜中学生のころです。この時期には考える・判断する・コミュニケーションするなど、人間らしさにつながる高度な認知機能が発達します」(瀧先生)

脳の成長時期に合わせたかかわり方

脳を育てるためには年齢や脳の成長に合わせたかかわり方を意識することが大切です。0〜6才ごろまでの脳の発達時期に合わせた子育てのヒントを、瀧先生は以下のように解説します。

【1】生後すぐ〜6カ月ころ 原始的な感覚領域が育つ

ヒトの脳はまず、見る、聞く、ぬくもりを感じるなどの原始的な感覚領域が発達します。親子の触れ合いで感覚領域を刺激することが、脳を育てるための大切な土台(どだい)になるそうです。

「生後すぐから、やさしく語りかけられ、抱っこされ、おむつがぬれているなどの不快な感覚を取り除いてもらい、たっぷりの愛情を注がれることで、子どもは親に深い信頼感を抱きます。このような親子の愛着形成は非常に重要で、脳が育つ土台となります」(瀧先生)

【2】生後6カ月〜2才ごろ 母国語を習得する

生後6カ月から2才ごろは母国語の獲得にかかわる領域が発達します。

「言葉だけでなく、表情やしぐさなどと合わせて、赤ちゃんに語りかけてあげましょう。1才くらいからなら抱っこなどで愛着を感じさせてあげながら、さまざまな種類の読み聞かせをしてあげると、言語の発達に非常にいい効果があります」(瀧先生)

【3】2才〜4才ころ 知的好奇心が育つ

2才〜4才のころは知的好奇心が発達する時期。“なぜなぜ期”といわれるように、子どもの興味関心が外の世界に広がり始め、自分と他者の区別ができてくるため、なんでこうなるんだろう?といろんなことを知りたがる時期なのだそうです。

「この知的好奇心を伸ばしてあげるには、図鑑や絵本などで外の世界のものごとをたくさん見せてあげ、さらにその知識とリアルな体験とを結びつけてあげることが大切です。
たとえば、虫の図鑑を見て、実際に親子で虫取りをして遊ぶ、といったことを何度も繰り返すことで、知的好奇心が発達します。

子どもも大人も、何かの能力を獲得するときには模倣をします。アウトドアや、釣りやスポーツなど子どもに何か体験させてあげたいと思ったら、親が一緒にやって楽しんでいる姿を見せてあげることがポイントです。模倣の力を借りて、好奇心を伸ばしましょう」(瀧先生)

【4】3〜5才ころ 運動領域の発達

この時期には運動領域がめざましく発達します。歩く、走る、跳ぶなどの運動や、はさみを使う、楽器を演奏するなど指先の繊細な動きもできるようになってくる時期です。

「この時期に有酸素運動をよく行うと、記憶にかかわる海馬(かいば)という部分の成長が促進され、記憶力をアップさせます。たくさん体を動かすと、学業成績にもいい影響があるので、外遊びなどでよく運動をさせてあげるといいでしょう」(瀧先生)

睡眠・食事は脳が育つために大切な生活習慣

脳が育つ土台となる愛着形成に加えて、幼児期には“睡眠”と“食事”も脳の発達に深くかかわります。

「睡眠中、脳内では“記憶”の作業が進んでいます。十分に睡眠をとることで、記憶にかかわる脳内の海馬という部分が育つということがわかっています。適正な睡眠時間には個人差がありますが、目安として、1〜2才の幼児期には1日11〜14時間、5才ころまでは1日10〜13時間ほどの睡眠が必要といわれています。
睡眠習慣は学童期の学業成績にも影響を与えるため、夜ふかしは決してせず、できるだけ睡眠はしっかりとることが大事です」(瀧先生)

また、乳幼児期の脳を育てるために、もうひとつ心がけたいのが食事です。

「ダイナミックに発達している子どもの脳は、多くのエネルギーを必要としています。だからといって、カロリーの高いものを食べさればいいわけではなく、栄養のバランスがとれていることが大切です。
食後の血糖値が緩やかに上がる食材をとるほうが、エネルギーを効率的に使うことができ、脳の発達にもいいとわかっています。甘い菓子パンや砂糖入りシリアルを主食にすると血糖値がすぐ上がってしまうので、白米など和食中心にするといいでしょう」(瀧先生)

親が意識したいポジティブ志向

脳を育てるというと習い事や知育おもちゃを与える、などのイメージもありますが、実はこのように親子の愛着形成、睡眠・食事などの基本的な生活習慣がとても大事です。さらにこの成長の過程で、脳を育てるために親が意識するといいのが“ポジティブ志向”だと瀧先生は言います。

「ほめられると、さまざまな脳の領域に好影響が出ます。乳幼児期はとくに、飽きっぽくて次々に興味を持つことが変わるものですが、脳にとって新しいことを始めるのはとてもいい刺激です。子どもがやりたがること、楽しくできることをやらせてあげることが、知的好奇心を伸ばすことにつながります。

結果に一喜一憂したり、人と比べたりはせず、がんばったプロセスや努力をほめてあげましょう。失敗したらまたチャレンジすればいいんだということを言葉や態度で示す。ポジティブな親の姿勢は、脳を育てる大事なポイントだと思います」(瀧先生)

お話・監修/瀧靖之(たきやすゆき)先生

取材協力/明治 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

「乳幼児期にしっかり愛着形成ができ『自分は愛される存在なんだ』という自己肯定感が育つと、成長過程でさまざまなことに挑戦していく原動力にもなる」と瀧先生は話します。脳を育てるには習い事などだけではなく、愛情たっぷりのスキンシップやコミュニケーションが大切です。親も楽しみながら親子でいろんなことにチャレンジしてみましょう。
※この記事は、2021年10月初旬に行われたオンラインセミナーの講演内容をもとに執筆しています。

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