サッカーが強い国はいくつかありますが、中でも最強のイメージがある国といえば、ブラジルではないでしょうか。
実際にブラジルは過去22回のFIFAワールドカップで通算1位となる5度の優勝を記録。1次リーグで負けるようなことがあれば「大金星」とニュースになってしまうほどの強さを誇っています。
ではなぜブラジルのサッカーは強いのでしょうか?
今回は、ブラジルサッカーの強さの秘密や特徴に迫ります。
【ブラジル】サッカー どれほど強い?
強さの秘密の前に、ブラジルのサッカーはどれほど強いのかを調査。
過去の成績を探ってみます。
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FIFAワールドカップの成績
まずはFIFAワールドカップの全成績を見てみます。
開催年 | 開催国 | ブラジルの成績 |
1930 | ウルグアイ | 1次リーグ敗退 |
1934 | イタリア | 1回戦敗退 |
1938 | フランス | 3位 |
1950 | ブラジル | 準優勝 |
1954 | スイス | ベスト8 |
1958 | スウェーデン | 優勝 |
1962 | チリ | 優勝 |
1966 | イングランド | グループリーグ敗退 |
1970 | メキシコ | 優勝 |
1974 | ドイツ | 4位 |
1978 | アルゼンチン | 3位 |
1982 | スペイン | 2次リーグ敗退 |
1986 | メキシコ | ベスト8 |
1990 | イタリア | ベスト16 |
1994 | アメリカ | 優勝 |
1998 | フランス | 準優勝 |
2002 | 日韓 | 優勝 |
2006 | ドイツ | ベスト8 |
2010 | 南アフリカ | ベスト8 |
2014 | ブラジル | ベスト4 |
2018 | ロシア | ベスト8 |
2022 | カタール | ベスト8 |
この成績だけで見ると、黄金期と言えるのは1950年から1970年までと、1994年から2002年まで。
実は2006年以降はベスト8止まりが多くなっています。
とはいえこれは一発勝負のトーナメントでコロッと負けてしまう癖があるから。大会前にはほぼ確実に優勝候補の筆頭に名前が上がっていて、毎回「最強なのにまた負けた」と言われています。
スター選手
ブラジルはこれまでに数多くのスーパースター選手を輩出しています。
ペレ(サッカーの王様)
ガリンシャ(アーティスト)
ジーコ(神様)
ファルカン(第8代ローマ王)
ロナウド(怪物)
ロナウジーニョ(魔法使い)
ロベルト・カルロス(悪魔の左足)
エジムンド(野獣)
すごい称号を持つ選手ばかりです。もちろんこれでもほんの一部。
ジジ、トスタン、ロマーリオ、リバウド、カフー、マルセロ、ネイマール、ソクラテス、ジャイルジーニョなど、他にも数えきれないほどの選手の名前が上がります。
ブラジルのスター選手はチームの戦術に忠実なタイプではなく、むしろ圧倒的な個人技でチームの戦術を決めてしまうのが特徴。または個人技が圧倒的すぎて戦術などほとんど無意味になってしまうこともよくあります。
【ブラジル】サッカー なぜ強い
個人技に特徴があるブラジルサッカー。
その強さの秘密とは何なのでしょうか?
理由① ヴァルガス大統領の政策
サッカー王国と呼ばれるブラジルの基礎を築いたのは、1930年代から1950年代にかけてブラジルを率いたジェトゥリオ・ドルネレス・ヴァルガス大統領。
独裁者でもあり、「貧者の父」とも呼ばれたヴァルガス大統領は、先住民のインディオと、ヨーロッパ系の白人、黒人奴隷などが入り混じっていたブラジルをまとめる「国のアイデンティティ」としてサッカーを推奨しました。
大統領の指示でサッカーのラジオ中継が盛んに行われ、サッカーは大衆の娯楽として広まっていったのです。
理由② 大袈裟なラジオ中継
大統領の意向で始まったラジオ中継ですが、ブラジルでは娯楽性を高めるため、かなり誇張した実況を行なっていました。
例えばシュートが数メートル外れていても「クロスバーをかすめる強烈なシュート!」と叫ぶのは当たり前。誇張された実況でドラマチックに演出されたサッカーの試合では凡戦は一つもなく、誰もがラジオに釘付けになってサッカーへの憧れを募らせていきました。
ちなみに今でもブラジルではラジオのサッカー中継は大袈裟なのが当たり前。多くのサッカーファンがラジオの実況を聴きながらテレビの画面を見て、映像と実況が噛み合っていない様子を楽しむそうです。
理由③ 移民の国
ブラジルは世界中から移民が集まった国。それぞれの国の文化が混ざっています。サッカーもその一つ。
イタリア系移民はイタリア人中心のチーム、イギリス系移民はイギリス人中心のチーム、ポルトガル系移民はポルトガル人中心のチームを作りました。
つまり世界のサッカースタイルが集まっていたということ。それらのチームが集まって大会を開催するため、ライバル意識も相当なものになりました。
つまり国内で常にワールドカップを戦っているようなもので、さまざまなスタイルのチームが切磋琢磨しながら技術を磨いていったのです。
理由④ 子どもたちの生活
ブラジルサッカーの根底には、「足の強さ」があると言われています。
それを支えているのは、裸足の生活。ブラジルの子どもたちは基本的に裸足で走り回り、裸足で木登りをします。このため足の裏や足指の筋肉が日本人には追いつけないほど発達しているのです。
ブラジルでは7〜8歳の子どもが裸足でサッカーをしていますが、この頃には彼らの足は分厚い角質で覆われています。
その足があるからこそ、自在なフットワークやボールさばきが可能になっているのです。
選手層の厚さ
ブラジルの代表選手は「セレソン(選ばれし者)」と呼ばれます。
それは非常に多くの選手の中から選ばれるから。
日本のJリーグのチーム数は、J1が20チーム、J2が22チーム、J3が15チームの合計57チームです。海外組を除けば、プロと言えるサッカー選手はこの57チームに属していて、日本代表の多くもその中から選ばれます。
ところがブラジルは規模が桁違い。
全国選手権と呼ばれる全国規模のリーグは4部構成で、1部~3部はそれぞれ20チーム、4部リーグは64チームにもなります。つまり合計124チーム。
さらにブラジルの全27州それぞれにリーグがあり、州選手権を開催。こちらにもJ1レベルに匹敵するビッグクラブが数多く存在します。
それを全部合わせると、ブラジルのサッカーチーム数は約800。Jリーグに所属するプロサッカー選手の数が約1700人であるのに対して、ブラジルのプロサッカー選手の数は1万3000人にもなります。
その中から個人技に優れる逸材が次々に登場。まさに日本とは桁違いの選手層の厚さを誇っているのです。
まとめ
さまざまなルーツを持つ人々が集まった国、ブラジル。
そのユニークな歴史がサッカー王国の礎となっています。
ブラジルではサッカーは生活の一部になっていて、「ブラジルのサッカー競技人口=ブラジルの人口」とも言われるほど。
個人技に走りすぎて負けてしまうことはよくあるものの、うっかり負けても最強なのがブラジルです。
今後も世界一のサッカー強豪国の座は揺るぎそうもありません。
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