井岡一翔が紡ぐ“大晦日決戦”のストーリー 除夜に鳴る12回目のゴングはKO決着なるか

長谷川亮
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12回目の大晦日決戦を迎える井岡一翔。この一戦にWBC世界王者ファン・フランシスコ・エストラーダへの挑戦権を懸ける 【写真は共同】

 ホスベル・ペレス(ベネズエラ)を挑戦者に迎えるWBA世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(志成)のタイトルマッチ(12月31日、東京・大田区総合体育館)が迫ってきた。2011年以来、毎年末に試合を行ってきた井岡は(一時現役を離れた17年をのぞいて)、実に今回で12回目の大晦日決戦となる。

 1年の締めくくりを自身のボクシングで彩ってきた“大晦日男”井岡は、除夜に鳴り響く12回目のゴングを勝利で飾ることはできるのか。井岡の過去11度の大晦日決戦やこれまでのキャリアを振り返りつつ、年の瀬のビッグマッチの行く末を展望する。

日本記録の更新など順風満帆だった井岡のキャリア

エリート街道をひた走る“大晦日男”井岡の試合において、八重樫東(右)戦はもっとも注目された1戦だった 【写真は共同】

 初めて大晦日戦を行った2011年、井岡は2月にオーレイドン・シスサマーチャイ(タイ)を5R TKOで破りWBC世界ミニマム級(47.62キロ)王者に輝く。井岡にとって初の世界王座であり、7戦目での世界戴冠は当時の日本記録だった(2015年に田中恒成が5戦に更新)。井岡はここで4階級制覇を宣言し、後に実現することとなる。

 同王座は11年8月に初防衛を成し遂げ、2度目の防衛戦で舞台となったのが井岡初の大晦日戦だった。ヨードグン・トーチャルンチャイ(タイ)を迎えた試合だったが、わずか1R1分38秒TKO勝ち。これも世界王座防衛戦では当時の日本最速記録となった(後に井上尚弥が18年10月の試合で1R1分10秒に更新)。

 12年6月にはWBA世界ミニマム級王者・八重樫東(大橋)との統一戦を制し、WBCとWBAの統一王者に君臨する。しかし、統一戦を認める条件として勝者はWBCとWBAどちらかの王座返上が義務付けられており、井岡はWBC、WBAの順にベルトを手放しライトフライ級(48.99キロ)へ転向した。

 同年の大晦日にはWBA世界ライトフライ級王座決定戦でホセ・アルフレド・ロドリゲス(メキシコ)と対戦。3度のダウンを奪い、6R TKOで勝利を収めた。11戦目での2階級制覇で、ここでも日本最速記録を打ち立てた。同王座は13年大晦日に3度目の防衛を成功させた後に返上。井岡は3階級目となるフライ級(50.8キロ)に階級を上げる。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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