田中将大、“旧友対決”で今季最高の内容 岩隈2敗目も「また対戦したい」

杉浦大介

田中のピッチングを見て修正した岩隈

2敗目を喫したものの、粘りのピッチングで7回を投げ切った岩隈 【Getty Images】

 しかし、岩隈の方も悪いばかりだったわけではない。思い通りにならない中でも、田中同様、何とか7回まで投げ切った。過去5戦連続で先発が6イニング以下しか投げられていないマリナーズにとって、35歳のベテランが踏ん張ったことには大きな意味があったはずだ。

「(対戦相手の)田中は途中からうまくカーブを混ぜながら、低めに丁寧に投げていた。力まず投げているのを見て、これをやらなきゃいけないなと。そういった部分を最後、残り2イニングで修正できたと思う」

 試合後、尻上がりに調子を上げたアジャストメントは、田中の丁寧なピッチングにインスパイアされたものだったと岩隈は振り返った。

 より上質なピッチングをした後輩に対し、これは思慮深い先輩らしい気遣いの言葉でもあったのかもしれない。ただ、修正の過程はどうあれ、最後の2回を無失点でまとめたことは今後に生きてくる。

NYでも注目集めた元楽天エース対決

 2012年にマリナーズに移籍するまで5年間、東北楽天で同僚だった選手同士の投げ合い。ジャパニーズvs.ジャパニーズの“旧友対決”は、ニューヨークでも少なからず注目を集めた。

 地元メディアもそれぞれ特集記事を掲載し、田中も前日には「互いに長いイニングを投げ合うことができれば」と抱負を語っていた。そして、結果として、その希望通りの試合展開になった。

「自分の中では次につながる投球ができたと思いますし、また田中と投げ合いたいなと。すごく楽しかったので、ぜひまた対戦したいという気持ちでいます」

 そんな岩隈の希望が叶う日が、近い将来に訪れるかはわからない。いずれにしても、この日は快刀乱麻とはいかないまでも、それぞれが粘り強いピッチングを見せ、試合後も互いの登板を明るく振り返ったおかげで、3年ぶりの“Japanese Showdown(日本人対決)”の後味は悪くなかった。本人たちにとっても、印象深い先発マウンドになったことは間違いない。

 何よりの収穫は、2人がともに今後の向上への希望を抱かせてくれたこと。特にスタジアムで普段以上に多く見受けられた日本人ファンは、2人のそんな姿を見て、さらなる期待感を抱いてスタジアムを後にしたはずである。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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