“日本人で最もUFC王座に近づいた男”宇野薫、UFCに再挑戦……宇野薫独占インタビュー!

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“日本人で最もUFC王座に近づいた男”宇野薫、UFCに再挑戦……宇野薫独占インタビュー! 【(C)WOWOW】

“総合格闘技のパイオニア”宇野薫がUFCに再挑戦する。
宇野は00年に“修斗のカリスマ”佐藤ルミナをKOして修斗ウェルター級王座に就き、翌年2月からUFCに参戦。初戦がいきなりジェンズ・パルバーとのバンタム級(現ライト級)王者決定戦だった。この試合は判定で敗れたが、その後はBJ・ペンともライト級タイトル戦を戦い、大激戦の末引き分けに終わった。03年にエルメス・フランカにKO負けしてUFCを離脱したが、UFC戦績は3勝3敗1分けで、敗れた相手はパルバー、BJ、フランカと、超一流選手ばかりだし、2度もタイトル戦を行ない、日本人として最もUFC王座に近づいたのが宇野だった。
 その後は、日本のリングでブラック・マンバや所英男、石田光洋、永田克彦らを撃破し、山本“KID”徳郁や青木真也、JZカルバン、川尻達也らとも激闘を繰り広げてきたが、今回、約6年ぶりにUFC再挑戦を決めた。
「UFCは総合格闘技の元祖でありメジャーリーグ。その舞台の最後の試合で負けたのが、不甲斐ない試合内容だったのでずっと引っかかっていた」と宇野は言う。「タイトルに2回挑戦して獲れなかった悔しさもすごくあります。強い選手ばかりなので、1つずつ勝ち上がって、ベルトに近づきたいです」
 初戦の相手フィッシャーは、奇しくも宇野のUFCデビュー戦の相手だったパルバーの後輩だ。左ストレートや飛びヒザを武器としKO勝ちが多いが、チアゴ・アウヴェスを三角締めで降すなどサブミッションも得意な強豪だ。
 現在再びライト級王者に返り咲いているBJと引き分けたのは宇野の自信になっているが、最近北米のさまざまなジムに出稽古を敢行し、MMAのレベルが以前よりはるかに底上げされているのを体感した。
「だから自信と不安と両面あります。でもとにかくUFCに上がるだけでなく勝ちたい。以前出た時はテクニカルな攻防ができなかったから、今回は動きのある、流れるような試合を見せて勝ちたいですね」
 日本のトップランナーの1人、宇野薫の6年間が、試される時が来た。
「強い選手ばかりですが、1戦1戦挑戦して行き、1つずつ勝ち上がってベルトに近づきたいです」
 宇野の勇気あるチャレンジに期待したい。(文・稲垣收)

 宇野薫が出場するUFC99は、6月14日(日)夜10時からハイビジョン放送。

「03年9月の試合を最後にUFCを離れて以来、ずっとUFCには出場したいと思っていました」 【(C)WOWOW】

──約6年振りのUFC復帰を決めた理由を教えてください。

 03年9月の試合を最後にUFCを離れて以来、ずっとUFCには出場したいと思っていました。特に、UFCでの最後の試合になったエルメス・フランカ戦で不甲斐ない試合をしてしまったのが心残りで、もう一度UFCに戻って挑戦したいという気持ちは強かったです。そんな思いの中、今回うまくタイミングが合ったので、出場を決めました。

──以前UFCに出場していた時は、あと一歩でUFCのベルトに届くという位置までいきましたが、ベルトに対する思い入れは大きいですか?

 ライト級のタイトルに2回挑戦して取れなかったという悔しさはすごくあります。しかし、もう一度UFCに挑戦するにあたっては、すぐにタイトルマッチをしたいという気持ちはありません。UFCの舞台に上がれるのは本当に強い選手だけで、今は一戦一戦勝つ事に挑戦したいと思っています。そして、勝ち上がっていけば、おのずとベルトが近付いてくると考えています。

──まだUFCを見た事がない人に説明するとしたら、UFCはどんな大会だといえますか?

 UFCは総合格闘技の元祖であり、総合格闘技のメジャーリーグだと思います。そして、ルールや雰囲気など、日本の総合格闘技にはない独特なものがあります。一言で言い表すなら「金網の中での戦い」。一度金網の中に入ったら、試合が終わるまで金網の外に出ることが出来ないのです。そして、金網の中では勝つか負けるかが全て。僕も金網の中に入ると、金網の中の閉塞感と観客の興奮などが入り混じって、リングで戦っているときとはまったく違う感覚になります。

──最近、アメリカの総合格闘技ジムにも出稽古にいったそうですが、その時の感想を教えてください。

 僕が以前アメリカで練習していた時よりも、プロ選手もアマチュア選手も強くなっていると感じました。これは、アメリカの総合格闘技自体のレベルが底上げされているという事だと思います。

──復帰第一戦で、どんな試合を見せたいですか?

 やはり、「総合格闘技の試合」というものを見せたいです。「総合格闘技の試合」というのは、ただ殴り合うだけでなく流れるようなテクニカルな試合という意味です。それを自分らしい動きの中で表現出来ればと思っています。

──UFC再挑戦にあたっての最終目標を教えて下さい。

 UFCのチャンピオンになりたいという気持ちはもちろんあります。しかしその前に、一戦一戦確実に勝つことを目標にしたいです。

──宇野選手を応援してくれている方々へ、メッセージをお願いします。

 6年ぶりのUFC挑戦となりますが、自分自身納得の出来る試合をしたいと思います。応援を宜しくお願いします。

■「UFC99〜ザ・カムバック〜」
6月13日(土)ドイツ・ランクセスアリーナ

【主要対戦カード】

<キャッチウェイト(約88・5キロ)5分3R>
リッチ・フランクリン(米国)
ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)

<ヘビー級 5分3R>
シーク・コンゴ(フランス)
ケイン・ベラスケス(米国)

<ウェルター級 5分3R>
マイク・スウィック(米国)
ベン・サウンダース(米国)

<ウェルター級 5分3R>
マーカス・デイビス(米国)
ダン・ハーディ(英国)

<ライト級 5分3R>
スペンサー・フィッシャー(米国)
宇野 薫(日本)

<ヘビー級 5分3R>
ミルコ・クロコップ(クロアチア)
ムスタファ・アルターク(英国)
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