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開幕一軍への第一歩! キャンプ一軍スタートを勝ち取った新人、育成契約選手たち

2020 1/31 11:00勝田聡
一軍キャンプに抜擢されたオリックス・勝俣翔貴
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ⒸSPAIA

新人や育成契約選手は序盤から全力で

12球団の春季キャンプにおける一軍・二軍の振り分けが発表された。主力選手の多くは球団ごとに呼び方こそ違えど、一軍に相当する組に振り分けられている。今年は東京オリンピックの関係で開幕が1週間早まることもあるが、しっかりと照準を合わせてくるだろう。

さて、そのなかで気になるのは昨秋のドラフト会議で指名された新人選手や、注目の若手選手、そして育成契約の選手たちだ。

レギュラーや一軍を確約されていない選手たちは、マイペース調整を行うことなく、2月1日からフルスロットルを求められる。ここで首脳陣へのアピールを行いオープン戦で結果を残すことで、育成契約選手の場合は支配下登録を経て、開幕一軍が初めて現実のものとなるからだ。

今回、新人、育成契約選手、期待の若手はどれくらい一軍に振り分けられているのだろうか。各球団の振り分けを確認してみたい。

巨人は4人の育成契約選手が一軍スタート

まずはセ・リーグ。連覇を目指す巨人では育成選手が一軍へと抜擢されている。投手では與那原大剛、野手では黒田響生、平間隼人(育成1位)、八百板卓丸の合計4人だ。なかでも平間は、昨秋のドラフトで指名されたばかりの新人でもある。支配下指名された選手たちを差し置いて、新人唯一の一軍スタートなった。

DeNAは新人から坂本裕哉(2位)と蝦名達夫(6位)のふたりが一軍入り。育成契約選手からの抜擢はなかった。ポスト筒香嘉智と期待される細川成也、伊藤裕季也のふたりも一軍スタート。

阪神は高校生中心のドラフト指名だったこともあり、新人の一軍抜擢はなし。復活を目指す2014年ドラフト1位の左腕・横山雄哉が一軍に入り、球団史上初、育成契約の一軍抜擢となった。また、藤浪晋太郎も一軍メンバーに名を連ねている。

V奪回を目指す広島は森下暢仁(1位)、宇草孔基(2位)、石原貴規(5位)と3人の新人が一軍メンバー入り。また2017年ドラフト1位の中村奨成は3年目にして初の一軍から。レギュラーを狙う2年目の小園海斗も一軍スタートを勝ち取っている。

中日は橋本侑樹(2位)、岡野祐一郎(3位)、郡司裕也(4位)の新人3人が一軍に抜擢されている。また育成契約の新外国人モイセ・シエラ、2018年ドラフト1位の根尾昂も一軍から。昨年、根尾は新人合同自主トレ中にリタイアしており、初の一軍スタート。

最下位からの脱却を図りたいヤクルトは奥川恭伸(1位)が二軍スタートとなったものの、吉田大喜(2位)、杉山晃基(3位)、大西広樹(4位)と大卒の3投手が揃って一軍入りをはたしている。

セ・リーグの6球団を見ると、高卒新人の一軍抜擢はなし。大卒の即戦力候補が各球団で一軍スタートとなっているようだ。また巨人は育成契約選手を4人も一軍に帯同させる予定だ。開幕前の大抜擢があるかもしれない。

【セ・リーグで一軍キャンプ入りした新人、育成選手】
※◎は新人
※○は育成契約

<巨人>
與那原大剛(投手)○
黒田響生(内野手)○
平間隼人(内野手)◎○
八百板卓丸(外野手)○

<DeNA>
坂本裕哉(投手)◎
蝦名達夫(外野手)◎

<阪神>
横山雄哉(投手)○

<広島>
森下暢仁(投手)◎
宇草孔基(外野手)◎
石原貴規(捕手)◎

<中日>
橋本侑樹(投手)◎
岡野祐一郎(投手)◎
郡司裕也(捕手)◎
モイセ・シエラ(外野手)○

<ヤクルト>
吉田大喜(投手)◎
杉山晃基(投手)◎
大西広樹(投手)◎

ソフトバンクは砂川リチャードら育成契約から2人が一軍抜擢

パ・リーグ2連覇中の西武は宮川哲(1位)、浜屋将太(2位)、柘植世那(5位)と3人の新人がA班(以下、一軍)スタート。14年ぶりに復帰した松坂大輔も一軍からとなった。とくに宮川と浜屋は社会人出身の即戦力候補となる。投手陣が課題のチームだけに、ここで結果を残せば開幕ローテーション入りもぐっと近くなる。

4年連続日本一を目指すソフトバンクは、佐藤直樹(1位)、海野隆司(2位)、津森宥紀(3位)、柳町達(5位)と4人の新人がA組(以下、一軍)に抜擢された。また、育成からは砂川リチャード、尾形崇斗のふたりが一軍入り。昨年は周東佑京が育成契約から日本代表まで駆け上った。その再来を狙う。

大型補強を行った楽天は、小深田大翔(1位)、黒川史陽(2位)、津留崎大成(3位)、瀧中瞭太(6位)の新人4人が一軍スタートとなった。なかでも黒川は12球団唯一の高卒野手での一軍入り。

ロッテは佐々木朗希(1位)、佐藤都志也(2位)、高部瑛斗(3位)、横山陸人(4位)、福田光輝(5位)と支配下指名された新人5人全員が一軍スタート。覚醒の期待される安田尚憲や2018年ドラフト1位の藤原恭大も抜擢されている。

5年ぶりに名護からキャンプをスタートさせる日本ハムは新人、育成契約選手からの一軍抜擢はなかった。そのなかで高卒2年目の万波中正が一軍からスタートする。激戦区の外野に割って入ることができるか。清宮幸太郎、吉田輝星といった話題の選手は二軍から。

アダム・ジョーンズの入団に沸くオリックスは村西良太(3位)、勝俣翔貴(5位)の2人が新人ながら一軍スタート。また、育成契約の選手では昨シーズンウエスタン・リーグで最多セーブに輝いた漆原大晟が抜擢されている。オフシーズンにはプエルトリコでのウインターリーグでも好投しているだけに、首脳陣の前でアピールできれば支配下登録も見えてくる。

西武がリーグ2連覇、ソフトバンクが4年連続日本一と2球団が抜け出している近年のパ・リーグ。その他4球団は新人や育成契約選手の躍進で少しでも差を詰めていきたい。

【パ・リーグで一軍キャンプ入りした新人、育成選手】
※◎は新人
※○は育成契約

<西武>
宮川哲(投手)◎
浜屋将太(投手)◎
柘植世那(捕手)◎

<ソフトバンク>
佐藤直樹(外野手)◎
海野隆司(捕手)◎
津森宥紀(投手)◎
柳町達(外野手)◎
尾形崇斗(投手)○
砂川リチャード(内野手)○

<楽天>
小深田大翔(内野手)◎
黒川史陽(内野手)◎
津留崎大成(投手)◎
瀧中瞭太(投手)◎
下妻貴寛捕手○

<ロッテ>
佐々木朗希(投手)◎
佐藤都志也(捕手)◎
高部瑛斗(外野手)◎
横山陸人(投手)◎
福田光輝(内野手)◎

<日本ハム>
なし

<オリックス>
村西良太(投手)◎
勝俣翔貴(内野手)◎
漆原大晟(投手)○