「上げ馬神事」、土壁撤去へ=運営方法見直し―三重・多度大社
急な坂を馬と騎手が駆け上がる伝統行事「上げ馬神事」を主催する多度大社(三重県桑名市)は22日、頂上付近の土壁を撤去するなど、新しい運営方針を公表した。
例年5月に行われる上げ馬神事は、急斜面の上にある高さ約2メートルの土壁を駆け上がった馬の数で農作物の作柄を占う。コロナ禍を経て4年ぶりに行われた昨年の神事では1頭が脚を骨折して殺処分されたため、県教育委員会などが改善を勧告。大社側は同年8月、傾斜を緩めたり、馬が乗り越える壁を低くしたりする見直し案を県に報告した上で、外部の専門家を交えた検討会で詳細を議論していた。
多度大社などによると、頂上にあった土壁は撤去し、坂の土を登りやすい固さにする。また、参加者には事前に馬の扱いに関する研修会に出席させた上、馬への暴力や威嚇行為をした場合、退場を求めるという。
多度大社権禰宜(ねぎ)の木村寛さんは「今までの神事の運営をいま一度見直し、時代にあった神事に改革しなければならないという思いを新たにした」と話した。
[時事通信社]
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