名称：タッシリ・ナジェール
住所：アルジェリア
公式・関連サイトURL：http://whc.unesco.org/en/list/179/
アルジェリアの世界遺産タッシリ・ナジェールは、サハラ砂漠にある500キロにも及ぶ山脈。山脈と言っても森林が生い茂ることもなく、ほとんどが砂岩の山であり、その山脈には壁画が描かれています。その絵が素晴しい出来栄えであることや当時の文化などが伺えることから、1982年に世界遺産へと登録されました。
アルジェリアの世界遺産タッシリ・ナジェールの壁画には、動物が多く描かれています。砂漠に動物？と考え辛いですが、サハラ砂漠にはかつて水がが流れていたんですよ。その証拠の1つに、アルジェリアの世界遺産タッシリ・ナジェールとは「水の多い土地」を意味します。そして壁画に描かれたたくさんの動物達の絵も、新石器時代にはこの世界遺産がある砂漠がサバンナであったことを表しています。
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悠久の時を紡ぐ壁画、アルジェリアの世界遺産タッシリ・ナジェール
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タッシリ・ナジェールとは？
リビア、ニジェール、マリ、モロッコなどと隣接する国であるアルジェリアは、その国土のほとんどが砂漠が占めています。そのサハラ砂漠のほぼ中心に位置するタッシリ・ナジェールは、巨大な台地状の山脈。タッシリ・ナジェールには12000年前から連続して描かれた壁画が残り、アフリカの歴史を知る上で貴重なこの壁画は世界遺産にも認定されました。
世界遺産タッシリ・ナジェールは砂岩で形成されており、風雨の浸食によって多くの奇岩が見られます。自然が作り出した独特の姿に古代の壁画が織り交ざり、地球上のものとは思えないほど神秘的な光景。実際描かれている人物の中には角が生えていたり、巨人だったりと摩訶不思議です。もちろん考古学的に考察できるものも多く、先史時代のサハラ砂漠の様子も壁画によって知ることができました。この世界遺産に残る壁画の数は2万点以上。かつて水が豊富だった時代に生きた人々と自然を今に伝える世界遺産です。
タッシリ・ナジェールへのアクセス
アルジェリアの世界遺産タッシリ・ナジェールへは、まず首都アルジェから飛行機でジャネットまで。ジャネットからタッシリ・ナジェールの入口までは車で行くことができます。そこからはロバに荷物を乗せ、徒歩で散策します。
タッシリ・ナジェールのおすすめポイント①：人の壁画
タッシリ・ナジェールでは1万年以上も昔から様々な人物像が描かれています。体に文様を施した女性が風船を持つ姿や赤ん坊をあやす様子、狩りをしている人々、スポーツをしている人々。初期のものは服を身に着けていないものも多く、時代が進んでいくと装飾品で飾ったり、髪飾りを着けている姿が現れます。壁画を見ていくと、時代によって人々の生活様式も変わっていく様子も興味深いです。さらに、太古の時代にも男性は狩りや戦い、女性は料理や子育てというように役割が決まっていたようですね。そしていつの時代も女性はおしゃべりに花を咲かせていたようです。
この世界遺産で特に有名なものは泳ぐ人や白い巨人。不思議なことに角が生えているように見えたり、宇宙服のようなものを着ている姿は、一体何を表しているのか謎が深まるばかり。宇宙人ではないか？と考える人がいても納得してしまいますね。壁画が描かれた当時には、こういった生き物がいたと考えるのも面白いかもしれません。
タッシリ・ナジェールおすすめポイント②：動物の壁画
世界遺産タッシリ・ナジェールには、たくさんの動物も描かれています。キリンや象、カバと見られるもの、羚羊（れいよう）、牛、馬など様々。現在のタッシリ・ナジェールは砂漠であり、動物たちが生きていける環境ではありません。つまりこれらの壁画から、古代のタッシリ・ナジェールはその名が表す通り、水や緑が豊かな土地であったことがわかります。それだけではなく、川や大きな滝の跡も残っているんですよ。
最も古い時代に描かれた動物は野生のものと見られます。人々は野生の動物を狩り、時代が進むと家畜化し、さらに遊牧を始めます。今では絶滅危惧種である動物や、既に絶滅してしまった種も描かれています。氷河期が終わった後に緑豊かな時代へと移り、そして砂漠へと変化していく様子を如実に表している貴重な資料でもあるんですよ。さらに世界遺産であるこの地に住む遊牧民族トゥアレグ族は、これらの壁画を描いた子孫であると考えられ、壁画群の存在は公になる前から彼らは知っていました。現在、世界遺産タッシリ・ナジェールを見学するためには、彼らの協力は欠かせません。
タッシリ・ナジェールの注意点
アルジェリアの世界遺産タッシリ・ナジェールは砂漠にあり、昼は50度、夜は氷点下まで気温が下がることもしばしば。さらにキャンプ泊でのツアーは過酷であり、急勾配の整備されていない道を進んでいきます。荷物をロバにのせ、ガイドやコック付きのツアーに参加するのが一般的ですが、疲れて歩けなくなってしまっても助けはないと考えましょう。自分の体力をしっかりと考慮したうえでの計画や装備が必要不可欠です。
◎まとめ
アルジェリアの世界遺産タッシリ・ナジェールをご紹介しました。太古から続く壁画群と奇岩が立ち並ぶ砂漠の光景は、現実の世界ではないような錯覚を見せてくれます。ぜひ一生に一度は訪れたい世界遺産でしょう。しかし残念ながらこの世界遺産があるエリアは、外務省の海外安全情報でレベル３に分類されています。安全とはいえない状況であり、渡航することはおすすめできません。いつか治安が回復することを願うばかりですね。
