多くの歴史を刻んだ芸術の街ベルリンの、おすすめ観光スポット20選

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多くの歴史を刻んだ芸術の街ベルリンの、おすすめ観光スポット20選

ドイツの首都ベルリンといえば、冷戦の象徴ともいえるベルリンの壁が有名ですよね。第二次世界大戦後の1949年に東西ドイツが分裂。1961年8月13日、東西ベルリンの境界線上にベルリンの壁の建設が始まりました。

そして、28年もの長い年月を経た1989年にベルリンの壁は崩壊。翌1990年に東西ドイツは再統一を果たし、晴れてベルリンが統一ドイツの首都となったのです。苦難の歴史を経験したベルリンは、今ではとりわけ芸術の分野で注目される観光都市となっています。

第二次世界大戦中は戦渦に巻き込まれ翻弄されたベルリンですが、貴重な美術品の多くは疎開されていたため、大々的な被害を免れることができました。廃墟化した建物は改築や改修が施され、美術館が点在するアートの街として復活したのです。ユネスコの世界遺産もあるベルリンのおすすめ観光スポットを、これからご紹介していきます。

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多くの歴史を刻んだ芸術の街ベルリンの、おすすめ観光スポット20選

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1.ブランデンブルク門

ブランデンブルク門はプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム2世の命により、18世紀後半に建築家カール・ゴットハルト・ラングハンスの設計で建てられました。ドイツ古典主義建築の傑作といわれるこの門は、アテネのアクロポリス神殿にあるプロピュライア門をモデルにしています。ブランデンブルク門の上には、彫刻家ゴットフリート・シャードウによる、4頭立ての馬車「クアドリガ」に乗った勝利の女神ヴィクトリア像があります。

ブランデンブルク門の完成後、プロイセンを破ったナポレオン・ボナパルトによって、勝利の女神ヴィクトリア像は戦利品としてフランスへ持ち去られてしまいました。しかし、続くナポレオン戦争でプロイセン軍がパリを占領すると、ヴィクトリア像はベルリンへと持ち帰られ、ブランデンブルク門の上に戻されました。

ドイツ東西分裂時代に入ると、ブランデンブルク門のすぐそばにベルリンの壁が築かれました。壁が崩壊すると、ブランデンブルク門がドイツ統一のシンボルとなりました。ユーロ硬貨の裏面にも描かれているブランデンブルク門は、ベルリンを代表する観光名所といえるでしょう。

2.ドイツ連邦議会議事堂

ブランデンブルク門から歩いてほど近いドイツ連邦議会議事堂は、ドイツ帝国時代の1894年に建てられました。しかし1933年に謎の出火で全焼し、まもなくナチスが実権を握ると国会も必要なくなったため、崩れるに任せる状態となっていました。

ベルリンの議事堂が再び脚光を浴びるのは、1990年に東西ドイツが再統一された後。ベルリンが統一ドイツの首都となったため、8年間に及ぶ大改築の末に、1999年に連邦議会議事堂として生まれ変わりました。

建物の屋上には、建築家ノーマン・フォスターの設計によって新しく設けられた巨大なガラスドームがあり、一般の観光客も登ることができます。無料で見学ができることもあって、観光シーズンには長蛇の列ができるほどの人気のスポット。国会議事堂ですからものすごく高いところにあるというわけではありませんが、ドームから望むベルリン市街の景色は格別ですよ。

3.博物館島

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ベルリン市街を貫流するシュプレー川の中州となっているムゼーウムスインゼルは、日本語に直訳した「博物館島」の名でも知られている観光名所です。かつてプロイセンの王宮があったこの島には、現在は「旧博物館」、「新博物館」、「旧国立美術館」、「ボーデ美術館」、「ペルガモン博物館」というベルリンを代表する5つの美術館や博物館が集まっています。1999年には、これらのミュージアム群がユネスコの世界遺産に登録されました。

もともと中州の北半分は住宅地でしたが、1830年に旧博物館が建てられたことをきっかけに、ムゼウムスインゼルはフリードリヒ・ヴィルヘルム4世によって「芸術と科学」を象徴する地域となりました。現在は地元の人たちの憩いの場所になっており、観光客がたくさん集まる人気スポットです。それぞれ1日では見きれないほど膨大なコレクションを収蔵しているため、ベルリン観光の際にはあらかじめ見たいものを絞って行くとよいでしょう。

4.旧博物館

ここからは、博物館島にある5つのミュージアムそれぞれについてご紹介しましょう。まずは、博物館島の5つの美術館・博物館の中で一番古い歴史をもつ、旧博物館です。

1830年に、建築家カール・フリードリヒ・シンケルによって設計された、新古典主義様式の壮麗な建物。1845年までは王立博物館と呼ばれ、プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世が収集したギリシャやローマの芸術品が展示されていました。

第二次世界大戦により建物は破壊されましたが、収蔵品の多くは疎開していたため無事でした。現在は豊富なアンティークコレクションを収蔵する博物館で、修復工事によりベルリンの観光名所としても人気を集めています。

5.新博物館

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旧博物館の向かいにある新博物館は、旧博物館で収蔵しきれなくなった王室コレクションのために、1859年に建築家アウグスト・シュテューラーの設計によって建てられましたものです。第二次世界大戦で外壁を残して破壊されましたが、21世紀になって改修が行われ、2009年に再びオープンしました。新博物館の一部の壁や柱には、戦争時の銃弾の跡が今も残されています。

古代エジプト美術のコレクションが有名で、中でも1912年に発見された「王妃ネフェルティティの胸像」は、新博物館の目玉ともいえるでしょう。紀元前1345年に制作された、古代エジプト美術の最高傑作といわれる彩色石灰岩彫刻です。またドイツ南部で出土された、青銅器時代の儀式で使われた「ベルリンの黄金帽」も見逃せませんよ。

6.旧国立美術館

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新博物館のお隣に建つ旧国立美術館は、1876年に建築家アウグスト・シュテューラーの設計によって建てられました。アテネにあるアクロポリス神殿をモデルとした、古代ギリシャ神殿を思わせる外観が印象的です。

19世紀の彫刻から絵画に至るコレクションは、銀行家ヨハン・ヴァークナーが自ら所蔵する美術品を寄贈したものが中心となっています。旧国立美術館では、カスパー・ダヴィト・フリードリヒやアーノルド・ベックリンはじめとする古典主義やロマン主義、ビーダーマイヤー様式、印象派、初期モダニズムの絵画などを見ることができます。

7.ボーデ博物館

博物館島の北端に位置するボーデ美術館は、1904年に完成したもので、当時はドイツ皇帝フリードリヒ3世にちなんでカイザー・フリードリヒ博物館と名づけられていました。戦後の1956年に、初代キュレーターのヴィルヘルム・フォン・ボーデの名を取ってボーデ博物館に改名され、現在に至っています。

ボーデ博物館には、主に東方教会関連の彫刻美術やビザンティン美術、コインなどの多岐にわたるコレクションが膨大な量で収蔵されています。週末には、ボーデ美術館の前で蚤の市が開かれ、こちらも観光客に人気のスポットですよ。

8.ペルガモン博物館

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ペルガモン博物館は、第一次大戦後の1930年にオープンした、5館の中で最も新しい博物館です。古代ローマおよび古代オリエント美術、さらには中近東のヘレニズム美術やイスラム美術などを中心に、古代美術から近世までの美術品を所蔵しています。

一番の見どころは、博物館の名前の由来にもなっている「ペルガモンの大祭壇」!小アジアの古代都市ペルガモン(現在のトルコ・ベルガマ)からそっくり移築したもので、その規模の大きさに訪れた人たちは圧倒させられます。

ほかにも、紀元前560年頃のバビロンにあった「バビロニアのイシュタル門」は、青い釉薬の煉瓦と金色の煉瓦の美しい装飾が魅力。また、アナトリア半島の古代都市ミレトゥスにあった「ミレトゥスの市場門」は、紀元前120年頃の建築といわれています。ペルガモン博物館は、ベルリンにいながら古代オリエントの遺跡を思う存分楽しめる博物館なんですよ。

9.ベルリン大聖堂

世界遺産の観光名所・博物館島には、ミュージアムの他にも歓呼スポットがあります。厳かなたたずまいのベルリン大聖堂は、プロイセンのホーエンツォレルン王家の記念教会で、プロテスタント教会としてはドイツ最大の規模を誇ります。地下には王家ゆかりの人々の墓碑があります。

高さ114mもある大きなドームは、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂をモデルにして建てられました。第二次世界大戦中、ベルリン大聖堂は大きな被害を受けますが、東西ドイツ再統一後の修復により、かつての美しさを取り戻しました。270段の螺旋階段を登り、ドームの部分まで上がることができます。そこからの景色は圧巻で、360度の大パノラマを楽しめます。

内部はネオバロック様式の装飾が鮮やかで、聖書の「山上の垂訓」の祝福を描いたモザイク画や、見事なパイプオルガンなどを見ることができます。また、身廊を見上げるとイエス・キリストの誕生から受難、復活までを描くステンドグラスが美しく、目を奪われるでしょう。観光でベルリンを訪れたら、必ず足を運びたいスポットです。

10.シャルロッテンブルク宮殿

ベルリンの西部にあるシャルロッテンブルク宮殿は、初代プロイセン国王フリードリヒ1世が1699年に王妃ゾフィー・シャルロッテの夏の離宮として建てた、豪華絢爛な宮殿です。1943年の空襲で大きな被害を受けましたが、現在は復元され、ユネスコの世界遺産にも登録されています。

シャルロッテンブルク宮殿はベルリンの長い歴史のなかで増改築が繰り返されたため、バロック様式やロココ様式が入り交じった建物となっています。宮殿内にはきらびやかな装飾が施され、贅を尽くした造り。とくに、観光客に人気のある宮殿本棟「陶器の間」には、中国や日本の陶磁器が壁を埋め尽くすように飾られています。

また、18世紀のフランス大画家アントワーヌ・ヴァトーによる傑作『シテール島への巡礼』は、ロココ美術を代表する名画として必見ですよ。ベルリンを訪れた際には、かつての栄華を物語る美しいシャルロッテンブルク宮殿の観光をお楽しみください。また、宮殿の北側には32haの広大な庭園が広がっています。時間に余裕のある方は、手入れの行き届いた美しい庭園を散歩してみてはいかがでしょう。

11.戦勝記念塔

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ティーアガルテンの中に建つ戦勝記念塔は、映画『ベルリン・天使の詩』の舞台にもなった、ベルリンを代表する観光名所です。

戦勝記念塔の建設は、1864年にプロイセンがデンマーク戦争で勝利したことを記念して始められました。建設期間中の1866年には普墺戦争に、1871年の普仏戦争にも勝ったことから、3つの戦争に勝利した記念の塔となりました。もともとは帝国議会前の広場にありましたが、ヒトラーによるゲルマニア計画によって、1939年に現在のグローサーシュテルンのロータリー中央に移されました。第二次世界大戦中には、戦渦となったベルリンの街で兵士たちはこの塔にこもって戦い、その時に受けた銃弾や砲弾の跡が今でも残っています。

67mの石塔の上には、黄金に輝く勝利の女神ヴィクトリア像があります。塔の頂上は展望台になっており、285段の螺旋階段を登ると、ベルリンの美しい街並が一望できますよ。

12.カイザー・ヴィルヘルム記念教会

カイザー・ヴィルヘルム記念教会は、ドイツ帝国初代皇帝のヴィルヘルム1世の功績を称え、1895年に建てられたプロテスタント教会です。建築家フランツ・シュヴェヒテンによる美しいネオロマネスク様式の教会堂で、当時のベルリンでは異質の建物でした。

その後、1943年のベルリン大空襲で大きな被害を受け、大部分が破壊されてしまいました。唯一残った鐘楼もまるで廃墟のような外観ですが、戦争の悲劇を忘れないためにあえて修築はせず、そのままの状態で保存されています。内部には、美しいモザイク画を見ることができます。

旧教会堂の隣には、1961年に新造された八角形の新教会堂があります。戦後モダニズムの新礼拝堂に入ると、全面が青いステンドグラスに覆われた神秘的な空間が!ベルリンっ子たちは親しみを込めて、旧教会堂を「虫歯」、新教会堂を「リップスティック」と呼んでいるのだそうです。

新旧それぞれの顔をもつカイザー・ヴィルヘルム記念教会は、多くの観光客が訪れる人気の観光スポットとなっています。

13.ユダヤ博物館

第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人の迫害の舞台となったベルリンに、2001年にユダヤ博物館が開館しました。一本の線を不規則に折り曲げたような独特の建物は、ユダヤ系アメリカ人の建築家ダニエル・リベスキンドが設計したもの。建設当初から話題を呼び、観光名所として世界中から注目を浴びました。

その斬新な建物の内部は、床が傾き、窓はさまざまな角度で不規則に並び、バランスの崩れた世界を作り出し、不安にかき立てられるような仕組みになっています。また、第二次大戦中のユダヤ人の3つの運命を表した「亡命の軸」、「ホロコーストの軸」、「継続の軸」と呼ばれる分岐点があり、ドイツにおけるユダヤ人の生き方を象徴しています。

この、通称「リベスキンド・ビルディング」の隣にある旧館は、1735年にプロイセン王国の高等裁判所として建てられた、「コレギエンハウス」と呼ばれる歴史的建造物。ユダヤ博物館の敷地内にはかつてベルリンの壁が走っていて、旧東西ドイツにまたがる形で立っているのです。

14.ポツダム広場

19世紀前半まで、ベルリンの城壁に設けられた関税門「ポツダム門」があったことからその名がついたポツダム広場。1920年代に入ると、この広場はヨーロッパで最も交通量の多い交差点として知られるようになります。そのため、ヨーロッパ初の信号機が広場の中心に設置されました。この信号機は、ポツダム広場のシンボルとして今でも残っています。

第二次世界大戦時には、ベルリン空襲によってポツダム広場にあった多くの建物が破壊されてしまいました。戦後の1961年にはベルリンの壁が構築され、ポツダム広場は2つに分断されてしまったのです。しかし東西ドイツ再統一をきっかけに、ポツダム広場周辺は再開発が進められています。ベルリンの壁の一部が観光名所として残されている一方、廃墟化した広場は瞬く間に新都心として変貌を遂げました。

今では大規模なショッピングセンターが建ち、斬新なフォルムのソニーセンターやベルリンフィルハーモニーなどのモダンな建物に囲まれ、多くの観光客が訪れる人気の観光スポットとなっています。

15.テレビ塔

ベルリンのターミナル駅のひとつ、アレクサンダー・プラッツ駅の目の前にそびえる巨大なテレビ塔は、ベルリンの中でも指折りの人気観光スポットです。1965年から4年の歳月をかけて建てられ、旧東ドイツのシンボルでした。現在はドイツテレコムが所有し、ベルリンのランドマークとなっています。

外から眺めるだけでもその迫力に圧倒されますが、テレビ塔のちょうど球体部分は展望台となっています。せっかくベルリンへ来たのなら、高さ368mの展望台から、ベルリンの美しい景観を堪能してみてはいかがでしょうか?テレビ塔内には展望レストランもあり、眺望を楽しみながらお食事ができるおすすめのスポットですよ。

また、テレビ塔があるアレクサンダー広場には、もう1つの観光スポット「ウーラニアー世界時計」があります。世界各地の主要都市の時刻が表示されていて、ベルリンの人たちの待ち合わせ場所にもなっています。テレビ塔と合わせてご覧ください。

16.ホロコースト記念碑

正式には「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」と呼ばれるホロコースト記念碑は、ナチスによって大量虐殺されたユダヤ人犠牲者を慰霊する目的で、2005年にベルリンのブランデンブルク門の南側に建設されました。ちょうどドイツとイスラエルの国交樹立から40年という記念すべき年に、一般公開が始まったのです。

広大な敷地に格子状に並ぶ2711基の石碑群という意匠は、建築家ピーター・アイゼンマンによるものです。もともとこの場所は、政府高官の官邸や官庁の建物があった場所で、ベルリン大空襲で破壊された後、廃墟となっていました。石碑の間は自由に歩くことができ、ホロコースト記念碑の地下には資料館もあります。6つの部屋に分かれた情報センターでは、パネルや写真、映像、遺品のほか、ホロコースト犠牲者の氏名や資料などが展示され、痛ましい歴史の事実を痛感させられるでしょう。

17.ハンブルク駅現代美術館

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ハンブルク駅現代美術館は、もともとベルリンとハンブルク間を結ぶ鉄道のターミナル駅として使われていた駅舎を改装した美術館で、1996年にオープンしました。ベルリンを代表する現代美術館の1つとなっていて、コンテンポラリー・アートの収集家であるエーリッヒ・マルクスのコレクションを中心に、アンセルム・キーファー、ヨーゼフ・ボイス、マリオ・メルツ、アンディ・ウォーホルなど、現代美術を代表するアーティストの作品を見ることができます。現代美術がお好きな方には見応え抜群の美術館なので、おすすめですよ。

元駅舎とあってとにかく広い美術館なので、休憩が必要になるかもしれません。そんなときにおすすめなのが、ハンブルク駅現代美術館内にあるカフェ・レストランです。美術鑑賞の合間に、ゆっくりとくつろぎの空間をお楽しみください。

18.フンボルト博物館

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正式には「フンボルト大学ベルリンにある、ライプニッツ進化生物多様性研究所の自然博物館」という名称で、日本ではフンボルト博物館の通称が一般的です。1889年に皇帝ヴィルヘルム2世によって作られた、ドイツ最大の自然史博物館です。

フンボルト博物館に入ると、そびえ立つブラキオサウルスの化石の大きさにまず驚かされます。1909年に、当時ドイツ領であった東アフリカ(現在のタンザニア)で発掘されたもので、全身骨格を復元・展示しています。ギネスにも認定されたことのある世界最大級の化石で、訪れたものを圧倒させます。

館内では恐竜にとどまらず、多岐にわたる化石や鉱石、動物のはく製など、膨大な数のコレクションを展示。そしてフンボルト博物館の目玉ともいえるのが、貴重な始祖鳥の化石です。ホールの一番奥にある小部屋で見学できるので、見落とさないよう気をつけましょう。薄暗い部屋の中でさまざまな角度から始祖鳥の化石を照らし、化石の特徴がよく分かるように工夫されています。ベルリン観光の際には、この世界に稀な化石をぜひ見ておきましょう。

19.ノイエ・ヴァッへ

荘重な佇まいのノイエ・ヴァッへは、1816年にプロセイン王フリードリヒ・ヴィルヘルム3世により建てられた石造建築です。建築家カール・フリードリッヒ・シンケルによって設計された建物で、衛兵所として使われていました。ドーリア式の柱廊玄関が特徴的で、柱廊玄関の上部の彫刻には、勝利の女神ニケの姿もあります。

東ドイツ時代には、ノイエ・ヴァッへは衛兵交代式の場でした。東西ドイツ統一後、1993年にドイツ連邦政府は11月の第3日曜日を「国民哀悼の日」と定め、戦争で犠牲になった人たちの追悼式典が、ノイエ・ヴァッへで行われています。

館内には、彫刻家ケーテ・コルヴィッツ作の『ピエタ(死んだ息子を抱きかかえる母親)』の像が置かれています。ケーテ・コルヴィッツ自身が、第一次世界大戦で息子を失っており、そのことを想って制作した作品といわれています。天井から差し込む光が、この作品をより神秘的なものにさせています。

20.コンツェルトハウス

新古典主義を代表する建築家、カール・フリードリッヒ・シンケルによって19世紀に建てられたコンツェルトハウスは、イオニア式円柱を用いた柱廊玄関とギリシャ神殿を思わせる外観が特徴的な建物です。

第二次世界大戦で一度破壊されましたが、1984年に再建。コンサートホールとしてベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団をはじめ、名だたる交響楽団がこのコンツェルトハウスで演奏をしています。観光でベルリンを訪れた際には、ぜひこの美しいコンサートホールで音楽を堪能してみてはいかがでしょうか。

◎まとめ

見どころ満載のドイツの首都ベルリン。しかし、これまでの歴史の背景には、ベルリンの人たちの努力がありました。戦禍を被ったベルリンは、街だけでなく、文化や芸術といったものまでが壊滅状態に追い込まれる窮地に立ちました。幸い多くの美術品は疎開先で保存されましたが、そうした戦争の爪痕が、街の至るところに残されています。

建築技術にすぐれ、芸術性の高いベルリンの街並みは、世界中から訪れる観光客を魅了させます。ベルリンの歴史的背景をもとにこの街を歩くと、都市としての素晴らしさがよりいっそう理解できるはずです。

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