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【コクゾウムシ 駆除】コクゾウムシの生態から駆除方法まで解説!

ご飯の支度をするときにお米を取り出していると、黒い小さな虫が動いているのを見たことがある方は多いでしょう。黒い小さな虫は、お米に付着する害虫であり、コクゾウムシと呼ばれています。見た目の不快感だけではなく、私たちの主食であるお米に大きな影響を及ぼすため、十分に理解して対策を講じる必要があります。今回は、コクゾウムシの駆除方法や対策方法についてご紹介します。

目次

・コクゾウムシとは
 └コクゾウムシの特長
 └コクゾウムシの生態
 └コクゾウムシの発生時期
・コクゾウムシによる被害
 └見た目の不快感
 └穀物の発熱
 └穀物などの食品の食害
・コクゾウムシの駆除方法
 └殺虫剤による駆除
 └食品ごと破棄する
 └駆除業者に依頼する
・害虫駆除業者に依頼する場合
 └相場
 └手間がかからない
 └アフターフォローがある
・コクゾウムシへの対策
 └湿度が高い場所に置かない
 └密閉して冷蔵庫に置いておく
 └唐辛子や防腐剤を入れておく
・まとめ

コクゾウムシとは

コクゾウムシの特徴や生態を知ることで、駆除や対策ができるようになります。そこで、米びつや米袋などの中に潜むコクゾウムシの特徴・生態・発生時期についてくわしく解説していきます。

コクゾウムシの特徴

コクゾウムシは、象の鼻のような口ばしを使って米などの硬い食べ物を砕いて摂取し、卵を産むときは穀物に穴を開けて中で産卵します。米などの穀物はコクゾウムシの主な食料かつ繁殖の場です。コクゾウムシのメスは年に3、4回産卵して、200~400個の卵を産みます。孵化した幼虫は白く、ウジのような見た目です。幼虫は穀物を食べて、穀物の中で成長していきます。コクゾウムシは成虫になるとお米の中から出てきます。成虫の寿命は100~200日程度です。

コクゾウムシは、主に2つの方法で侵入する可能性があります。

1つ目は、購入した穀物に最初から付いていた場合です。穀物を収穫した際に既に卵が付着していたか、精米所などの加工や保管中に侵入し、卵を産んだ可能性があります。特に農薬処理をしていない穀物の場合、購入時点でコクゾウムシの卵が存在している可能性を考えておかなければなりません。

2つ目は、穀物を購入した後にコクゾウムシが家の中に侵入するケースです。コクゾウムシは嗅覚が敏感であり、穀物の香りを識別することができるため、家の中の穀物の匂いに引き寄せられて侵入し、米びつなどに入り込むことがあります。米などを購入して袋のまま保存している場合でも、袋を突き破って中に入ってくることがあるため、注意が必要です。

コクゾウムシの生態

コクゾウムシは、オサムシ科に属する昆虫です。漢字では「穀象虫」と書き、日本では主にコクゾウムシココクゾウムシの2種類が見られます。イネ科の害虫として知られますが、日本人の主食の米に住み着くケースが多いことから「米くい虫」という別名もあります。成虫の体長は、コクゾウムシが約2〜3.5mm、やや小型のココクゾウムシが約2〜3mmです。体の色は黒または赤褐色で、細長い形をしていてやや光沢があり、背中に細かいデコボコがあります。名前の由来どおり、口が象のように長く伸びています。気温が15℃以下になると活動しなくなるという生態があり、最も活動するのは気温が25〜30℃のときです。また、高湿度域の60〜80%を好むとされています。コクゾウムシは、飛べる個体と飛べない個体が存在します。

日本では、成虫の体長が約2.5〜4mmでやや大型のグラナリアコガネゾウムシも見つかっていますが、定着していないようです。グラナリアコガネゾウムシは飛ぶときに体を浮かせるのに役立つ後翅が退化しており、飛ぶことができません。

コクゾウムシの発生時期

コクゾウムシは、年に3、4回産卵し、一年中発生します。ただし、活動が活発になるのは23℃以上の環境で、気温が低くなると活動は穏やかになります。さらに、5℃以下または33℃以上になると繁殖しなくなるのが特徴です。春から秋にかけてが最も発生しやすい時期といえるでしょう。

コクゾウムシによる被害

コクゾウムシは見た目の不快感のほかにも、以下のような被害をもたらします。見た目が気持ち悪いだけで取り除けば大丈夫というわけではありません。大切な米を守るためにも、何らかの対策が必要です。

見た目の不快感

コクゾウムシの発生数が多いと、「米の中に黒い虫がうじゃうじゃいるのを見てしまった」「パスタを茹でたらたくさん浮いてきた」など、見た目が気持ち悪いと感じることが多く、不快な気持ちになる方は多いでしょう。また、幼虫は白い色をしているため、白い米の中で見分けるのが難しくなります。被害にあった米を取り除いても、「本当に完全に駆除できたのか?」「白い幼虫を米と一緒に食べてしまったのではないか?」と心配になって食欲がわかないこともあります。

コクゾウムシ自体には毒性は確認されていませんが、黒い成虫を取り除いたとしても、卵や白い幼虫が残っている可能性があります。さらに、時間の経過とともに大量発生していくという要素も、私たちにとって不快な要因となります。

穀物の発熱

コクゾウムシは、穀物内で急速に増殖することで発熱現象を引き起こすことがあります。これは、周囲の温度が低い場合に好ましい温度環境を作り出し、幼虫の成長を促進し、繁殖を促進するためです。この発熱現象により、穀物の温度は30℃以上に上昇し、場合によっては38℃に達することもあります。注意が必要なのは、発熱した穀物が劣化し、虫を取り除いた後でも食用に適さなくなることです。そのため、コクゾウムシの繁殖には早急な対策が必要であり、穀物の品質を維持するために注意が必要です。

穀物などの食品の食害

コクゾウムシは、米やトウモロコシ、小麦粉、乾麺などの穀物や食品を好んで食べる害虫です。硬い穀類を粉々に砕き、食べ尽くしてしまうため、被害を受けた穀物は中身が抜けてしまい、スカスカになってしまいます。コクゾウムシによる被害は、単に食品のおいしさが損なわれるだけではありません。コクゾウムシの成虫、幼虫、卵を摂取することで、アレルギー反応が引き起こされる重大なリスクもあります。さらに、米びつなどの容器内でコクゾウムシが大量発生してしまうと、容器内の米を全て廃棄する必要が生じます。10kg以上など大量の米を廃棄する場合は、経済的にも大きな打撃となるでしょう。食品の品質だけでなく、私たちの健康や経済にも悪影響を及ぼす可能性があるため、適切な対策が必要です。

コクゾウムシの駆除方法

ここからは、コクゾウムシを駆除する方法を確認してみましょう。コクゾウムシの駆除は早めに行うことが重要ですが、それぞれの手段には注意点もあります。

殺虫剤による駆除

台所の床など、食べ物の中以外の場所で見つけた場合は、家庭で利用できる燻煙剤や殺虫スプレーなどを使うことができます。一般的なピレスロイド系の家庭用殺虫剤は、コクゾウムシにも効果的です。1プッシュで使用できるスプレータイプの殺虫剤が便利ですが、近距離から噴射すると、コクゾウムシが小さすぎて飛ばしてしまう可能性もあります。まとめて駆除する場合は、エアゾールタイプ燻煙タイプの殺虫剤が使いやすいでしょう。

食品ごと破棄する

コクゾウムシが発生した場合は、単に虫を取り除くだけでなく、お米全体を廃棄することが重要です。米びつや穀物には害虫駆除を目的とした殺虫剤を使用することはできません。コクゾウムシの卵が混入している可能性も高いので、コクゾウムシによって食べられた食品は、安全を確保するために丸ごと捨てるのがベストといえるでしょう。

コクゾウムシが見つかったお米は、水でゆっくりと洗うことで浮いてくるため、取り除くことができます。また、お米を新聞紙などに広げて日光に当て、コクゾウムシが逃げるのを待つ方法もあります。あるいは、マイナス20℃の低温で虫を死滅させる方法もあります。ただし、完全に卵や幼虫を除去することは難しいため、注意が必要です。

もしコクゾウムシの幼虫または成虫を食べてしまっても、即座に健康への影響が出るわけではありませんが、後日にアレルギー症状が現れる可能性はあります。無理に食べる必要はないので、大量発生している場合は思い切って廃棄しましょう。

駆除業者に依頼する

コクゾウムシが大量発生したら、自力では完全に駆除することが難しいこともあります。手間と時間がかかるため、駆除業者に依頼するのもおすすめです。駆除業者に任せることで、より安心感を得ることができます。

害虫駆除業者に依頼する場合

業者に依頼する際には、評判の良い害虫駆除業者相場価格をチェックしましょう。駆除業者の専門知識と経験を活かして、効果的かつ効率的にコクゾウムシを撃退してくれます。大量発生に悩んでいる場合は、早めに業者に相談することをおすすめします。

相場

被害の範囲や被害状況によって駆除費用は変動します。多くの害虫駆除業者は無料で見積もりをしてくれるので、いくつかの業者に依頼して見積りを依頼してみましょう。数件の見積りを取って比較すれば、妥当な駆除費用の相場がわかります。一般的には5,000~1万円程度が相場のようです。業者によっては、無料の現場調査で被害状況を写真を使って説明し、最適な駆除プランを提案してくれるところもあります。他社に対抗する料金設定を設けている場合は、他社の見積もりを提示することで、最安値保証が受けられることもあるので、数社から見積りを取ることがおすすめです。

手間がかからない

自分で駆除を行う場合は、完全に駆除できたかどうかいつまでも不安が残ります。米びつなどでコクゾウムシが大量発生した場合は、米びつから全ての米を取り除いた後に、周囲に迷惑がかからないように密閉した袋を何重も重ねて捨てる必要があります。ゴミの日までゴミが出せない場合は、象の鼻のような口ばしを使って袋を突き破ってくるのではないかと不安になることもあるでしょう。害虫駆除業者にもよりますがほとんどの場合は、依頼してから数十分から数時間内に駆けつけて処理してくれることが多いようです。また、駆除前と駆除後の写真を撮影して状況を可視化してくれたり、状況を細かく説明してくれるので安心できるでしょう。施工後の清掃だけではなく、消毒や除菌も任せられるので、手間がかかりません。

アフターフォローがある

多くの害虫駆除業者では、保証期間を設けています。施工1年後に無料点検を行ってくれたり、10年間の再発保証が付いていたりします。万が一のときも無料で駆除してくれることもあるので、再発に怯える心配もありません。ただし、アフターフォローを行っていない業者もあるので、見積りを取って害虫駆除業者を比較する際は、アフターフォローや保証期間も合わせて確認しておきましょう。

コクゾウムシへの対策

コクゾウムシが食品に付着すると、食べることができずに無駄になってしまいます。また、せっかく駆除しても対策を怠ると再発する恐れがあるので注意が必要です。コクゾウムシ対策として、日頃からできる簡単な方法を3つご紹介します。

湿度が高い場所に置かない

先にご紹介したとおり、コクゾウムシは60〜80%の高い湿度を好むので、湿度の高い場所や水の周辺にお米を置くのは危険です。コクゾウムシが活発化するだけではなく、お米にカビが生える危険性もあります。よくシンクの下に米びつを置くことがありますが、シンクの下は湿度が高くて風通しも悪いため、米の保管場所としては好ましくありません。また、濡れた手で米を計ったり、濡れた計量カップを使うのも湿気を呼ぶので避けましょう。

密閉して冷蔵庫に置いておく

お米などの穀類を購入した際は、密閉容器を使用することでコクゾウムシの侵入を防ぐことができます。コクゾウムシは、象の鼻のような口ばしを使って硬いものを砕くことができるので、買ったままの袋だと突き破られてしまうことがあります。例えば、漏斗を使ってペットボトルにお米を移し替えると良いでしょう。密閉容器やペットボトルに入れたお米は、冷蔵庫で保管するのがポイントです。冷蔵庫内の冷たい環境では、コクゾウムシが動けなくなります。お米の酸化も防げて一石二鳥です。家族が多くて冷蔵庫にお米を収納するスペースが足りない場合は、保冷タイプの米びつを選ぶと便利です。

唐辛子や防腐剤を入れておく

コクゾウムシの被害を防ぐためには、唐辛子防腐剤が有効です。昔から、お米を保管する際には乾燥したトウガラシを入れることで、虫の発生を防いできました。トウガラシに含まれるカプサイシンには、虫除け効果があります。米びつにトウガラシを入れる際は、米10kgに対して5本程度が適量です。ただし、トウガラシにヘタがついている場合はカビの原因となるため、ヘタを取り除いてから加えましょう。最近では、食品にも使用可能な害虫の増殖を抑えるタイプの虫よけも販売されています。虫よけを利用することで、コクゾウムシの繁殖を抑えることも可能です。

まとめ

コクゾウムシの特徴や生態をはじめ、駆除方法や対策方法をご紹介しました。コクゾウムシの発生は見た目が気持ち悪いだけではなく、健康被害を起こすこともあります。どの家にも発生する可能性があるので、ご紹介した内容を参考にして十分な対策を行ってください。

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