映画「県庁おもてなし課」

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実在した「おもてなし課」がモデルの観光奮闘劇

2013年、映画の公開と共に高知を盛り上げた県庁のおもてなし課。そのおもてなし課が2022年の春、県の機構改革によって統廃合され、惜しまれつつもその名前は高知県庁からはなくなってしまいました。

映画「県庁おもてなし課」の原作は、「図書館戦争」や「空飛ぶ広報室」など数多くの作品を生み出している小説家、有川ひろさんの高知を舞台とした作品。有川さん自身も高知の出身で、物語は有川さん自身に起きた実話をもとに書かれています。高知県から「おもてなし課」の名前はなくなっても、高知のおもてなしの心は変わらず引き継がれていきます。今回は、そんな高知の魅力を映画「県庁おもてなし課」のロケ地を巡りながらあらためて実感していきましょう。

©2013映画「県庁おもてなし課」製作委員会

– キャスト –

錦戸亮
堀北真希
船越英一郎
関めぐみ
高良健吾

– スタッフ –

監督:三宅喜重
脚本:岡田惠和
音楽:吉俣良
主題歌:関ジャニ∞「ここにしかない景色」(インペリアルレコード)

©2013映画「県庁おもてなし課」製作委員会

手結エリア

佐和と掛水の掛け合いや、吉門と佐和のシーンなど物語において重要な場面が多く撮られた舞台。物語のメインパーソンである清遠和正とその娘、 佐和が営む民宿もここ手結港にあります。

劇中、清遠が営んでいた「民宿きよとお」が 位置するのは、高知市から車で東に40分ほど走った場所にある香南市の手結港。民宿として撮影に使用されたこの家は、当時、本当に“清遠さん”という方がお住まいだったそうですが、今は県外から移住された方が住んでらっしゃいます。撮影当時に美術さんが作られた漆喰や民宿の看板も、思い出だからと当時のままの姿で残してくださっていました。突然伺ったのに快く受け入れてくださり、撮影当時のお話や、大事に飾られていた看板まで見せていただきました。とっても温かくすてきなご夫婦でした!本当にありがとうございました。

ここ手結港は日本最古の掘り込み式港湾と言われており、そこには長さ約32mの可動橋があります。自動車のCMにも起用され話題になりましたよね。下から見上げるとその迫力はまさに圧巻です。

そんな珍しい景色を拝みつつ、映画での吉門と佐和の名シーンはどこで撮られたのか と一帯を散策して見るのも面白いと思います。ここには、時間を忘れさせてくれるのどかさがありました。

日曜市

掛水と多紀が高知市の日曜市を訪れ、日曜市の歴史の深さと魅力を再確認。高知県民にとっては当たり前の日常も、観光客へのアピールの方法はまだあると感じる2人。

高知市の日曜市は江戸時代から続く300年以上の歴史ある大規模な青空市。高知の特産品はもちろんですが、なぜこんなところで?と思うようなものも多く売られていま す。映画でも触れらていますが、どこか異国間漂うこの市を日本にいながらここ高知でぜひ味わってみてはいかがでしょう!

国分川

自分は最低だと言う多紀に、そんな気持ちは誰にも言わなくていいのだと伝える掛水。

藁工倉庫

国分川で思いっきり叫んだあと、2人はここ 藁工倉庫の前で缶ビールを飲みながら座って話す。

かつてこの辺りには藁製品を備蓄販売 するための倉庫が多く存在していました が、藁の需要が薄れていくにつれて倉庫も姿を消していきました。残った一角を再生させようと地元の人たちが立ち上がり、2011年にアートゾーン藁工倉庫が完成! 土佐漆喰や水切り瓦といった高知独特の建築様式で作られた建物は、高知市内でまとまって見られるのはここだけだそうです。

この建築様式を見に来る人も多いそう で、ロケ地を巡りながら高知の歴史に触れるのもいい機会ではないでしょうか。 藁工倉庫の中にはミュージアムが入っており、タイミングが合えばアートイベントも楽しめるかも。ゆったりとした時間を楽しめそうですね。

一点、公式サイトにも記載がありましたが、施設共用の駐車場はアートゾーン藁工倉庫北の細い路地沿いにあります。私は車で行きましたが、この駐車場が分かりづらくて苦戦しました。本当に見落とすほどの狭い路地です。車一台がやっと通れるくらいの細さで、大きい車だと通り抜けできないんじゃないでしょうか。別ルートで駐車場まで辿りつくことはできそうですが、近隣の方は公共交通で行かれるのもいいかもしれません。


いかがだったでしょうか。

今回ご紹介しているのはほんの一部で すが、高知県内で撮影された場所はまだまだたくさんあります。映画ではほとんど描かれていませんが、小説で取り上げられた馬路村も、小さな村ですがとても魅力的なところです。

たくさんのロケ地の中でも個人的には やはり手結港でのシーンが印象に残るものばかりでした。ここでご紹介しきれなかった分はぜひ実際に足を運んでゆっくりと散策してみてください。高知の自然の美しさにきっと気づくはずですよ。

さて、読書が好きな方は、映画を観たあとにぜひ小説を読んでみることをおすすめします。高知の魅力が多すぎて、映画では深く取り上げられなかった場所がたくさんあります。読み終えると、気づけば高知に足を踏み入れているなんてことがあるはず。

ロケーションMAP

pepe
愛媛県生まれ。メガネは頭に乗せがち、そしてアイスは冬に食べがち。海外留学から舞い戻り、えひめ愛をチラつかせながら四国の魅力を再発見中です!
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