Sunday, 12 May 2024
クリエイティブ業界のアジア系アメリカ人が2020年国勢調査に協力-大切な人が国勢調査で集計されるために
Gold House hosts a virtual town hall on the economy and politics, featuring speakers from top left to right: Richard Lui, MSNBC anchor; Amrita Ahuja, CFO of Square; Andrew Yang, former 2020 presidential candidate; Betty Liu, executive vice chairman of New York Stock Exchange; Richard Lui, MSNBC anchor; Tim Wang, TDW+Co founder and principal; and Jose Antonio Vargas, founder of Define American.

クリエイティブ業界のアジア系アメリカ人が2020年国勢調査に協力-大切な人が国勢調査で集計されるために

WEAREUPRISERSの創業者兼クリエイティブ・ディレクターのMichelle Hanabusaは、ファッションと2020年国勢調査では共通するスレッドがあるといいます。
「着るものは、自分自身を表現します。
何を着るかは、あなたが何者であるかを体現するものです。」同じように、2020年国勢調査はアジア系アメリカ人がどう見られるか、自分たちが何者なのか、ということを数字で示すもの、だとHanabusaは捉えています。
HanabusaはUPRISERSを通じて、ファッションの力を借りながら2020年国勢調査を盛り上げようとしています。

Hanabusaは、コミュニティに根付いたストリートウェアブランドをゼロから築き上げました。UPRISERSという名前をつけたのは、自分に正直にありたいという彼女の気持ちの表れで、社会を変革しようする彼女の生き方や価値観を表すものだからです。
Hanabusaはこれまでにも、いくつかのグループと連携してアジア系への偏見と闘うキャンペーンを行うなど、重要な大義や理念を啓蒙する活動をしてきました。

現在、彼女は2020年国勢調査と連携し、自分のプラットフォームを活用してアジア系アメリカ人の回答率を上げることを目的とした全米レベルの取り組みに積極的に協力しています。
新型コロナウイルスの影響で集会が中止され、親しい人同士が会えなくなり、あらゆる産業で通常の業務が困難となり大きな弊害が生じている今の時期に、UPRISERSのような市民志向のプラットフォームが社会の隙間を埋める役割を果たしています。

多くの人たちが自宅待機を余儀なくされる中、主にアートやエンターテインメント系のグループを率いる多くの若手アジア系アメリカ人が、どうしたらこのコミュニケーション障壁を打破できるかを体現しています。
彼らは2020年国勢調査と連携して、中心となるプログラムやオンラインイベントなどを企画し、数百万という人たちにオンライン上でアプローチしています。
例えば、著しい文化的影響をもたらしているアジア系アメリカ人を讃える毎年恒例のGold House主催 A100 Listのような例があります。

 

パフォーマンスアートを行う非営利団体、KollaborationのMinji Changは、2020年国勢調査で何が論点となっているのかを人々に伝えることに、喜びを感じています。
正確な国勢調査データと、公的資金やコミュニティのリソースが医療や住居といった基本的ニーズに関してアジア系アメリカ人を支援できるかどうかに関連性があることを、Changはわかっているのです。

 

Kollaborationの役員として、Changはアジア系アメリカ人に対してもっと国勢調査をわかってもらえるような説得力のある物語を作り出し、彼らが自分1人で回答する気になるように促す手伝いをしています。感情に訴えれば効果は長続きすると、Changは信じています。

 

「誰もが自分たちの存在は大事だと実感し、大切な人の未来を自分たちの手で変えることができるのだと感じられるようにすることが重要です」とチャンは言います。

 

オンラインイベントを通して、Kollaborationは2020年国勢調査の機運を盛り上げ、集計されにくいグループにアプローチしています。それにはアジア系アメリカ人のミレニアル世代や、彼らの年配の親族で、移民や難民として渡ってきた、恐らく英語が流暢でない人たちなどが含まれます。

 

「両親という側面は非常に大きいですね。
人間は時に、自分より家族を大切にすることがありますから」とChangは言います。

 

Kollaborationは、地域のタレントを発掘し売り出す活動が知られていますが、最近では毎年「EMPOWER Conference」も開催しています。今年は5月にオンラインで開催され、アジア系アメリカ人がメディア等で正しく反映されているかについて討論するパネルディスカッションやワークショップなどに何千もの人が参加しました。

 

その中で、2020年国勢調査でアジア系アメリカ人コミュニティ向けの公式コミュニケーションパートナーを務めるTDW+Co創業者兼社長のTim Wangは、「It’s Time to Be Heard」(今こそ声を届けよう)というテーマのパネルに登壇しました。
Wangは、2020年国勢調査でアジア系アメリカ人の声を届ける方法について語りました。
コミュニケーションキャンペーンの威力を向上させるため、TDW+Coはオンライン上で定評のあるクリエイティブアート系のグループを動員し、彼らの巨大なネットワーク内でストリートを共有し、討論を重ねました。

Kollaborationは、2020年国勢調査の回答率を上げるためにTDW+Coに協力した団体の1つです。
今年の後半には、国勢調査のことを人々に思い出してもらうために、アジア系アメリカ人のパフォーマーや講演者を集めたオンラインイベントを開催する予定です。

International Secret Agents(ISAtv)も同様に国勢調査に協力しているパフォーミングアート団体で、インフルエンサーの力を結集してきました。
ISAtvはアジア系アメリカ人の中でも若い人向けのオリジナルコンテンツを作成してきた経験が豊富です。

 

彼らは自分たちのLunch Break(ビデオポッドキャスト)のあるエピソードで、2020年国勢調査を取り上げました。
デジタルでの取り組みであるが故、より広範なアジア系アメリカ人コミュニティにアプローチすることができました。
視聴者が自宅のソファで寛いでいようと、一時的に自宅で勤務していようと、彼らがどこにいようとも声を届けることができたのです。

ISAtvのマネージングディレクター、Dan Matthewsと仲間たちも、インフルエンサーの協力を得て、5つのアジア系言語(中国標準語、日本語、韓国語、タガログ語、ヴェトナム語)をカバーするソーシャルメディアにコンテンツを投稿してきました。

ソーシャルメディアのコンテンツは、若いアジア系アメリカ人たちに何ができるのかを教えるガイドの役目を果たしました。
彼らは国勢調査で集計されることについて、両親や年配者と会話することで、自分たちの任務を果たしたのです。こうしたアジア系アメリカ人のインフルエンサーたちで構成されたチームは、ソーシャルメディア上で自分たちのフォロワー(18歳から35歳まで)に向かって、第一世代に相当する親たちに国勢調査への回答は安全かつ簡単だと理解してもらうように促しました。
フィギュアスケートのオリンピック代表Mirai NagasuやミュージシャンのCathy Nguyen、AJ Rafaelのような著名人も協力しています。

「アジア系アメリカ人コミュニティの活躍を応援する会社として、影響力を測る物理的な尺度をなかなか見つけられない時があります。
2020年国勢調査は、自分たちのコミュニティに手を差し伸べ、調査に回答することで未来を変えられるんだよということを伝えられる、目に見える方法です」とMatthewsは言います。

こうしたクリエイティブ業界のプロであるアジア系アメリカ人たちは、楽しく、意味のある方法で、好奇心を刺激することが2020年国勢調査について理解してもらうことにつながると認識しています。
この方法だと、多くの人が自宅で過ごす中、他人とのつながりが持てることに加え、学びの機会にもなります。

フィリピン系アメリカ人のミュージシャン、AJ Rafaelは、初めて国勢調査について知った時のことをこう思い出します。
Rafaelは高速道路の番号標識と人口の関係について不思議に思い、どうやって番号が割り振られるのかを母親に尋ねました。それが国勢調査のデータだったのです。Rafaelは成長する過程でそのことについて知ることができましたが、中にはそうした情報に触れる機会のない人たちもいます。だからこそ、若い世代が国勢調査の重要性を理解し、自分たちの仲間にそれを伝えていくことが大切なのです。

「僕のオーディエンスは、僕の音楽を聴きながら育っている人たちです。ですから、僕と同世代だと思います。ということは、前回の国勢調査以降、初めて一人暮らしをしているか、または大学をちょうど卒業するところなのではないでしょうか」とRafaelは言います。「自分がフォローしている人が、国勢調査のような重要なことについて話しているのを聞くのは、勇気づけられると思います。」

UPRISERSのHanabusaは、人々は国勢調査について質問があることを知っています。
例えば、回答は安全なのか、米国市民でなくてはならないのか、などです。
Hanabusaは、楽しく、共有でき、印象的な投稿をソーシャルメディアに載せることで、人々の2020年国勢調査への関心を高めようとしています。
そのため、Instagramで国勢調査に関する知識を問うクイズ形式のフィルターを設置し、国勢調査に対する誤解が溶けることを願っています。

今回紹介した団体は、インターネットへのアクセスが限られている、集計困難なグループに直接アプローチすることはないかもしれませんが、このようなアウトリーチの方法はより親しみやすく、楽しい方法で、多くのアジア系アメリカ人にアプローチすることができます。
こうした団体が採用している多様な手法は、人々が自分のために、そしてコミュニティ全体のために何かをしようと思わせる多彩な戦略を示しています。

米国内でアジア系アメリカ人の影響力が高まりつつあることを考えると、今こそ行動すべき時です。
my2020census.govにアクセスしてオンラインで回答するか、電話または郵便で回答できます。
詳細については、2020CENSUS.GOV/jaにアクセスしてください。