母校金武中で講演 ブラジル移民・池原さん


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 【金武】金武町出身で、ブラジル移民1世の池原昭子さん(59)を招いた講演会が15日、金武中学校で開かれ、同中1年生127人が参加した。約40年ぶりに母校に訪れた池原さんは「ぜひ(沖縄の)外に出てほしい。今の友情を大切にしてほしい」と後輩たちにメッセージを送った。

 池原さんは高校3年生だった1972年10月に、父の提案で9人家族全員でブラジルに移民した。ブラジルでは語学学校で日本語教師として働き、ブラジル県人会の本部書記も務めている。
 池原さんは最後から2番目の移民船に乗って移民した経緯や、沖縄の伝統文化を大切にしているブラジル県人会での活動を講演した。「言葉の違いで困ったことはあったか」との生徒の問いに「どの言葉を使っているかすらも分からない状態で行った。最初はジェスチャーで会話をしていた」と経験を語った。
 ゴルフを続けている島袋ひのさん(13)は「自分も大人になったらアメリカに行ってゴルフをしたいと思った。英語をちゃんと勉強したい」と意気込んだ。「言葉の壁を乗り越えて移民する勇気がすごい」と言う山城尚君(13)は「先輩を見習って頑張りたい」と感想を話した。
 池原さんは「外国に出てウチナーンチュであることに誇りを感じた。後輩たちにはどんどん外に出て行ってほしいと伝えたかった」と話した。

楽しそうな表情で話を聞く金武中児童ら=15日、金武中学校
池原 昭子さん