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中城湾港、下地島空港、久米島空港、兼城港も「特定重要拠点」の指定候補に 政府、自衛隊利用を想定


中城湾港、下地島空港、久米島空港、兼城港も「特定重要拠点」の指定候補に 政府、自衛隊利用を想定 中城湾港(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 政府が安全保障上必要性が高い民間インフラ施設を「特定重要拠点」に指定して優先的に予算付けを検討する事業に関し、指定候補に沖縄市やうるま市にまたがる中城湾港、宮古島市の下地島空港、久米島町の久米島空港と兼城港が含まれることが27日までに分かった。複数の関係者が明らかにした。政府は予算付けと引き換えに防衛省や海上保安庁の円滑なインフラ利用に向けた覚書を自治体と結ぶことを想定している。

 政府は全国約40カ所を候補に挙げてリストを作成しており、国土交通省や内閣府、防衛省の担当者が関係自治体に検討状況を説明している。政府は首長の判断によって利用の可否が左右される状況を懸念している。防衛省や海保が将来にわたって施設を使えるよう覚書を結びたい考えだ。県にも意向を伝えて検討を求めている。

 下地島空港は「屋良覚書」と「西銘確認書」で軍事目的で利用しないことを県と政府の間で確認している。関係者によると、県民の反対などを予想して指定を困難視する見方も政府内にある。

 中城湾港はこれまでも自衛隊が部隊展開訓練などで多用してきた。沖縄市とうるま市によると、両市は10月中旬ごろ、中城港湾の整備を検討する旨について説明を受けた。久米島町によると、10月17日に政府担当者が訪れ、町は久米島空港と兼城港が候補だと知らされた。

 「特定重要拠点」の候補は県内ではほかに、那覇市の那覇空港と那覇港、宮古島市の宮古空港と平良港、石垣市の新石垣空港と石垣港、与那国町の与那国空港の既存施設に加え、同町の比川地区への新設港湾、竹富町の波照間空港が検討されている。

 (明真南斗、福田修平、藤村謙吾)