社会の課題や問題解決のヒント得る 県内経済界のゲスト講義 Ryukyufrogs9期


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 Ryukyufrogs9期生は7月2日、那覇市旭町のパーソルプロセス&テクノロジーで「視点をあげる」をテーマに研修を行った。

 Ryukyufrogs代表理事の比屋根隆レキサス社長、沖縄銀行総合企画部の上地龍太上席調査役、オリオンビール取締役の亀田浩営業戦略部長を招いて、日本の人口問題や課題解決をする際の考え方などを学んだ。

 「人口減少問題」をテーマに講義をした沖縄銀行の上地さんは、グラフや図を提示しながら1時間半の講義で日本の将来の社会課題を想像するよう投げかけた。

 出生率と死亡率が現在の水準で推移すれば「おおよそだが毎年、沖縄の人口が減っていくようなもの」と日本の人口減少のスピードを解説。首都東京の例をあげ「高齢化、出生率、都市への人口集中は因果関係がある」と話し、沖縄からどのような変革が起こせるか問いかけた。

 出生率の向上、女性活躍、高齢者の活躍、外国人労働力の活用、ITの活用についてメリットと課題を提示し、9期生に解決すべき課題のヒントを与えた。

 最後は、出生率の向上や女性の活躍などについて先進的なデンマークの暮らしを映像で鑑賞。「全然違う」の日本や沖縄の社会との落差に驚くメンバーもいた。

 オリオンビール取締役の亀田さんは、課題解決に必要な視点を9期生に提示した。根気強さと好奇心、素直さの3つを強調し、特に「夢中になれることが大事」と話した。数ある課題解決の手法のなかでも成功している仕組みとして、計画、行動、評価、改善のPDCAサイクルを回転させ続ける重要性を説いた。「失敗をしてもPDCAに活かすことができれば成長し続けることができる。なぜそれができるかというと物事に夢中になれているからだ」と語った。

 大学では情報工学を学んでいるという川満歩貴さん(20)は「普段大学で考えない社会や経済、国際問題のことを聞ける。新鮮な経験ができて、自分の知識が増えていくことに期待している」と語った。「ここまで掘り下げて考える機会はこれまでなかった」と語るのは辺土名律さん(19)。将来は途上国の子どもたちの教育に関わる取り組みをしたいという夢がある。「子どもたちの教育へのアプローチも質があがりそうだ」と話した。