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無許可で農道工事、強行の市議「住民寄り添った」「応急措置」正当性を主張 宮古島市


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農道の無許可工事に踏み切った理由について語る宮古島市の粟国恒広市議=1日、宮古島市役所

 【宮古島】沖縄県宮古島市議会の粟国恒広市議=自民=の指示で市内の建設業者が市に無許可で市平良久貝の農道を工事した件で、粟国市議は1日、市役所で記者会見を開き、「二次被害が広がらないための応急措置」「地域住民に寄り添った行為だ」と正当性を訴えた。一方、市は弁護士に相談するなどし、原状回復や法的措置も視野に対応を検討している。

 農道の下は、台風2号で護岸の一部が破損し、そこから土砂が流失し、空洞ができ、崩落の危険性があった。粟国市議は市に応急措置としての工事を申し出た。市は、水産庁の災害復旧事業を活用した修繕を検討しており、国の査定が終わるまで現状維持する必要があったため、粟国氏の工事を中止するよう再三にわたって伝えていた。

 会見で、粟国氏は「土砂流失が続けば、近隣の畑の土まで流失する危険性があった」「地元住民から嘆願書をもらい、被害を最小限にするために強行した」などと説明した。

 市の関係者は「嘆願書があれば何をやってもいい、ということにはならない」と指摘し、国の査定に影響が出ることを懸念した。

(友寄開)