「こんなに大きくなる」と希望を持って 三つ子3組、新1年生に 母親たちが成長の喜びを分かち合う 沖縄・北中城 


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 【北中城】語呂合わせで「三つ子の日」の3月25日、4月から小学校に入学する3組の三つ子のきょうだいが集まり、成長の記録としてランドセルを背負い、記念撮影をした。病院の情報などでつながった母親たちは出産後から連絡を取り合い、情報交換や悩みを共有してきた仲だ。この日は互いの子どもたちの成長を確認し、喜びを分かち合った。

 この日、謝花家、比嘉家、宮平家の3組の三つ子は、北中城村の中城公園に集まった。2016年度生まれで、4月からそれぞれの学区の小学校に入学する。謝花理江さん(45)によると、16年度に県内では6組の三つ子が誕生したという。三つ子の妊娠が分かり、戸惑った母親たちは、声をかけ合い輪を広げ、出産後から6人で連絡を取り合った。同じ境遇だからこそ分かり合える悩みを共有し、励まし合ってきた。

 謝花家は、長女の千幸(ちゆき)さん(4月から小3)と三つ子の4人きょうだい。三つ子は次女・栞里(しおり)さん、長男・幸(こう)さん、次男・楽(がく)さんの3人。理江さんは三つ子を妊娠した当初は双子と診断を受けたが、妊娠13週に「もう1人いる」と告げられた。どうやって育てていけばいいのか不安と戸惑いがあったが、夫と共に前を向いたと振り返る。

記念撮影する3組の三つ子たち。

 ある日、医師から2人を大きく育てて1人を諦めるという選択もあると告げられた。しかし「3人とも生きていてほしい」と強く願い、27週目で出産を選んだ。いよいよ出産を迎えると、栞里さんが小さな声で産声を上げた。幸さん、楽さんの産声は聞こえなかったという理江さんは「とにかく無事でいてほしい」と願った。

 出生時の体重は、栞里さんが1045グラム、幸さんが916グラム、楽さんが575グラムだった。「こんなに小さく産んでしまった。こんなに小さくても頑張ってくれている。保育器の中のわが子に頑張れとしか言えなかった」と当時を思い出し、涙をぬぐう理江さん。育児も想像以上の困難だったと振り返り、同じ境遇の母親との交流は大きな励みになったと話す。

 3月初旬の3人の体重は、栞里さんが18.5キロ、幸さんが20.5キロ、楽さんが17.5キロと成長した。栞里さんは「プールが楽しみ」、幸さんは「国語や算数を頑張りたい」、楽さんは「体育が楽しみ」と話す。

 理江さんは低出生体重児で不安を感じている親に向け「妊娠中や出産後の手術などで不安が多かったが『こんなに大きくなる』と希望を持ってほしい」と語り、子どもたちのさらなる成長を願った。 
(中川廣江通信員)