佐渡山、女子55キロ級初V 重量挙げ全日本選手権 1本目失敗もしっかり修正


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女子55キロ級 ジャーク3回目で106キロを成功させトータル191キロで日本選手権初優勝した佐渡山彩奈=28日、愛媛県の新居浜市市民体育館(謝花史哲撮影)

 掲げた目標には届かなかったが、女子55キロ級の佐渡山彩奈(宮古高―平成国際大出、いちご)は2位にトータルで9キロ差をつけて念願の日本選手権初優勝を手にした。スナッチ、ジャークいずれも1本目を失敗したが、しっかり修正を図って記録を残した。「自己記録を伸ばせず悔しい気持ちもあるが、初めての優勝は素直にうれしい」と喜びをかみしめた。

 スナッチ1本目でバーベルを引き上げた直後にバランスを崩し、尻もちをついてしまった。しかし「練習はうまくできていた」と2本目で同じ83キロを成功させ、勢いに乗って3本目に自己記録に並ぶ85キロを挙げきった。ジャークは自己記録に2キロ届かなかったが、きっちりまとめた。

 前回11月の全日本選手権は東京五輪59キロ級銅メダリストの安藤美希子に敗れ2位だったが、トータル1キロ差まで迫ることができた。今回は安藤が本階級の59キロで出場。戦うことはなかったが、前回の試合を自信に試技をやりきった。

 「今は55キロ級で」と言うが、パリ五輪を見据える上では、安藤のいる階級に上げる必要がある。体重を増やすことが苦しく課題となっているが、「一つ上げて戦っていけたらと思っている」と視線はおのずと五輪へ。まずはアジア選手権に向けて「記録を出してきたい」と静かに闘志を燃やした。

(謝花史哲)


 重量挙げの第82回全日本・第36回全日本女子選手権大会が28日、愛媛県の新居浜市民体育館で開幕し、女子55キロ級で佐渡山彩奈(宮古高―平成国際大出、いちご)がスナッチ85キロ、ジャーク106キロ、トータル191キロで初優勝を飾り日本一に輝いた。同階級の比嘉成(本部高2年)はスナッチでジュニア日本新の86キロを成功させた。自ら打ち立てた記録を2キロ上回り、大会新、日本高校新を合わせて樹立した。トータルは118キロで3位入賞を果たした。同階級の大城朱萌(那覇高出―日体大)は7位だった。男子61キロ級の森田幸司(糸満高―中央大出、丸産業)は4位、同55キロ級の榮蒼(沖縄工高出―東京国際大)は6位、知念育利(南部農林高出―金沢学院大)は8位だった。女子49キロ級の糸数加奈子(豊見城高―金沢学院大―自衛隊体育学校)はスナッチで失敗し記録なしだった。