読谷村長選4選、石嶺伝実氏に聞く 村経済の回復課題、基地跡地利用大きく進展


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無投票での4選を決め、村政の課題や抱負を語る石嶺伝実氏=読谷村役場

 【読谷】8日に告示された読谷村長選で現職の石嶺伝実氏(66)が無投票で4選を果たした。これまでの取り組みの成果や4期目の抱負を聞いた。

 ―4選となった。

 「たくさんの方のご尽力のおかげで、12年間取り組むことができた。厚く感謝申し上げたい。これからの4年間は、産業経済や教育福祉などの、読谷村の抱えるさまざまな課題解決に向けて取り組みたい」

 ―これまでの成果は。

 「一番の懸念事項であった基地返還跡地利用が大きく進展した。多くの村民の連携と協力があり、教育環境の充実やスポーツコンベンション事業の進展もあった。福祉関係では村内の高齢者を対象とした、ゆいまーる共生事業を進めた」

 ―基地返還跡地利用の取り組みは。

 「読谷村大湾の米軍嘉手納弾薬庫地区返還跡地の大湾東土地区画整理事業が進み、周辺に商業施設ができるようになった。住宅地も増え、都市的なにぎわいもできる。読谷補助飛行場跡地は農業基盤整備が進み、農業施設も増え大きく変容を遂げている。農業従事者と一緒になって、読谷村の農業をどう発展させていくかが今後の課題だ」

 「飛行場跡地には、図書館や村史編集室、商業施設が入居する村総合情報センターの建設も予定している。民間の資金やノウハウを導入するPFI方式を取り入れる。村の発展の起爆剤になると期待している」

 ―4期目の取り組みは。

 「新型コロナウイルスの影響で疲弊している村内の商工業、観光業をV字回復
させることが一番の課題だ。村内は宿泊施設が充実しているので、ワーケーションにも力を入れたい。ワーケーションで訪れる県外企業と連携し、村のデジタル化推進に取り組んでいく」

 「子育て施策も積極的に取り組む。村民の自由な発想を支援する『こども未来基金』を本年度で設置し、次年度から基金を積み立てて運用したい。認可保育園の増設や、子どもたちの放課後の居場所の充実も図っていく。安心して子どもを産み、育てられる環境づくりに取り組んでいく」
 (聞き手 石井恵理菜)