橿原神宮

【奈良】日本のはじまりの地「橿原神宮」のみどころを徹底ガイド!

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関西の初詣スポットといえば、必ず上位に名が挙がる「橿原神宮(かしはらじんぐう)」。御祭神に、第一代天皇の神武(じんむ)天皇と皇后を祀る、格式高い神社です。大和三山の一つ、畝傍山(うねびやま)の麓に約53万㎡もの広大な神域をもち、豊かな緑に包まれた境内には清々しい空気が漂っています。今回は、“日本のはじまりの地”といわれる「橿原神宮」のみどころを、わかりやすくご紹介します。

Summary

「橿原神宮」ってどんなところ?

橿原神宮
外拝殿から見た内拝殿 写真提供:橿原神宮

神武天皇は畝傍山の東南の橿原宮(かしはらのみや)で即位されたと『日本書記』に記されています。その即位の地に、明治23年(1890)に創建されたのが橿原神宮です。本殿は京都御所の内侍所(賢所)(ないしどころ〈かしこどころ〉)を明治天皇より下賜され移築したもので、国の重要文化財に指定されています。本殿の手前には幣殿(へいでん)、内拝殿(ないはいでん)、外拝殿(げはいでん)が整然と並び、その壮大さと美しさに圧倒されます。

甲子園球場の約13個分という広大な境内には、森林遊苑や芝生広場、水鳥たちが遊ぶ深田池などもあって、市民の憩いの場としても親しまれています。

第一鳥居から表参道を進んで南神門へ

第一鳥居

橿原神宮

さあ、早速お参りしましょう。高さ約10mの巨大な第一鳥居をくぐり、表参道を進みます。約300m続く表参道の両側には、地名にちなんだカシの森が広がり、イソヒヨドリなどの野鳥のさえずりも聞こえてきます。

橿原神宮

橿原神宮の鳥居は表参道に2基、北・西参道に各1基の計4基ありますが、いずれも着色をせず、木そのものがもつ美しさを生かした素木造り(しらきづくり)。昭和15年(1940)、御鎮座50年と神武天皇即位2600年を記念して、銘木の宝庫である台湾の阿里山(ありさん)のヒノキで築造されました。現在の鳥居は令和2年(2020)の御鎮座130年にあたり修築されたもの。鳥居上部の笠木(かさぎ)など、傷みの少なかった部分は築造当時のものが今も使われています。

第二鳥居

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第二鳥居から見た第一鳥居

表参道の途中、宮川に架かる神橋を越えると、第二鳥居があります。写真は、第二鳥居から振り返って第一鳥居を見たところ。その向こうに音羽三山が見えます。その峰の中には、中大兄皇子(のちの天智天皇)と藤原鎌足が密談を交わした所と伝わる多武峰(とうのみね)があります。

南神門

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表参道をさらに進むと、左手に南手水舎が見えてきます。こちらで手と口を清めてから、向かいに立つ南神門(みなみしんもん)へ。切妻造・銅板葺きの立派な屋根をもつ門をくぐると、いよいよ「神さまの領域」。

玉砂利を踏みしめて外拝殿で参拝

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南神門をくぐると、玉砂利が一面に敷き詰められた広大な外拝殿前庭が目の前に広がります。その向こうには畝傍山がそびえ、外拝殿がどっしりと立っています。玉砂利は神域を清浄に保つだけでなく、引かれた線は水の流れを表していて、そこを歩くことで身を清める意味があるのだとか。ザクッザクッと玉砂利を踏みしめながら、外拝殿へ向かいます。

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外拝殿から見た内拝殿

外拝殿に入ると、前方に外院斎庭(げいんのゆにわ)が広がり、その向こうには内拝殿が立っています。内拝殿の屋根越しに見えるのは、幣殿の千木(ちぎ)と鰹木(かつおぎ)。幣殿のさらに奥に本殿がありますが、本殿は直接拝することはできません。内拝殿では例祭「紀元祭」をはじめとする各祭典のほか、正式参拝や神前結婚式も行われます。通常の参拝は外拝殿から行いますが、お正月期間はだれでも内拝殿前に進めるんですよ。

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釣燈篭が並ぶ廻廊

橿原神宮の拝殿は、内拝殿と外拝殿を廻廊でつなぐ「二重拝殿型」となっています。廻廊にずらりと並ぶ釣燈篭は、重要な祭典の際やお正月期間、また、近年人気の夜間の結婚式の時などに一斉に灯され、昼間とはひと味違う幻想的なムードが漂います。

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さざれ石

外拝殿に向かって右手の植え込みに、大小の不思議な岩が鎮座しています。これは、国歌『君が代』の歌詞にも登場する「さざれ石」。さざれ石とはもともと小さな細かい石のことで、これらが炭酸カルシウムなどの作用で長い年月をかけて徐々に結び付きあい、大きな岩=巖(いわお)となったもの。眺めているとなんだかパワーが湧いてきそうです。

外拝殿の干支の大絵馬は絶好の記念撮影スポット

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外拝殿の大絵馬

昭和35年(1960)に今上陛下の御生誕を祝って制作されて以来、橿原神宮の“名物”となっているのがこちら。高さ4.5m、幅5.4mという見上げるような干支の大絵馬です。原画は現在、橿原市在住の日本画家・藤本静宏(ふじもとしずひろ)氏が描いています。毎年11月末に「大絵馬奉納奉告清祓」が執り行われ、次の干支へと掛け替えられます。令和6年の干支は「辰」。開運を願って大絵馬と一緒に記念撮影をしましょう!

ご利益抜群のお守りやかわいいおみくじをゲット!

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「勝ち守」1000円(左)「開運延寿御守」1000円(右)

御祭神である神武天皇のご神徳によって、橿原神宮は開運招福、健康延寿などのご利益があることで知られます。そのためお守りも、力強く頼もしいものが揃います。たとえば、神武天皇の危機を救った金色のトビ、金鵄(きんし)をあしらった「勝ち守」。さまざまな困難に打ち勝ちすべてうまくいくとのご利益が。「開運延寿御守」は、開運招福と健康延寿の両方を叶えてくれる貴重なお守りです。

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「鮎みくじ」500円(左)、「金鵄みくじ」500円(右)

こちらは神武天皇ゆかりの金鵄(きんし)をモチーフにした「金鵄みくじ」と、神武天皇が戦いの前に勝敗を占うため使ったという鮎をデザインした「鮎みくじ」。どちらもキュートな、置物型のおみくじです。金鵄には橿原神宮の社紋である橿の葉があしらわれています。

参拝後は、水鳥が飛来する自然豊かな深田池を散策

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写真提供:橿原神宮

参拝を終えて南神門を出ると、前方に大きな水辺が見えてきます。周囲を桜やカキツバタなどが折々に彩る深田池です。飛鳥時代に築造されたと伝わる歴史ある溜池で、約5万㎡もの広さを誇ります。池の周りには遊歩道も整備されているので、自然を感じながらのんびり散策することができますよ。

橿原神宮

深田池では季節ごとにさまざまな種類の野鳥も見られます。寒くなるとマガモやオシドリなどの水鳥もやってきて、さながら“鳥の楽園”のよう。

御祭神ゆかりの名品を展示する宝物館にも注目!

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宝物館展示風景

第一鳥居の手前に立つモダンな建物「崇敬会館」の1階にある宝物館も見逃せません。明治天皇御奉納の御太刀をはじめ、昭憲皇太后(明治天皇の皇后)御奉納の御鏡「白銀八角鏡」、平成30年(2018)に天皇皇后両陛下(現 上皇上皇后両陛下)より下賜された銅鏡「橿原の杜」などが並びます。随時開催される企画展も見ごたえがありますので、ぜひ立ち寄ってみてください。

■宝物館
料金:入館500円(企画展により異なる)
時間:10~15時(土・日曜、祝日は9~16時)
定休日:無休(臨時休館あり)

境内にはひと休みできるおしゃれなカフェも

橿原神宮

崇敬会館内には「Café橿乃杜(かしのもり)」もあります。ガラス張りの広々とした店内で、手ごろなランチや季節替わりのスイーツなどを楽しめます。

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「かしもりランチ(ワンドリンク付)」1300円

ランチのおすすめは、ハンバーグやエビフライなどがワンプレートに盛られた「かしもりランチ」。コーヒーなど選べるドリンクがセットになっているのもうれしいです。「蒸し柿の葉寿司にゅうめんセット」など奈良らしいメニューもありますよ。

■Café 橿乃杜
時間:10時30分~17時(フードメニュー15時LO、カフェメニュー16時30分LO)
定休日:火曜(祝日の場合は営業)

「橿原神宮」へのアクセス方法をチェック

橿原神宮
近鉄橿原神宮前駅中央口

橿原神宮の最寄り駅は近鉄の橿原神宮前駅です。
近鉄奈良駅からは、近鉄奈良線で5分の大和西大寺駅で近鉄橿原線急行に乗り換え、約30分で橿原神宮前駅に到着。大阪からは、大阪阿部野橋駅から近鉄南大阪線急行で約40分。到着の車内アナウンスが流れるころには、車窓から畝傍山や深田池を見ることができ気分が盛り上がります。

橿原神宮前駅中央口を出て、駅前広場から真っすぐ延びる大通りを歩くと10分ほどで第一鳥居に到着。同駅は各路線の乗換駅で構内も広いため、中央口のほかに東口と西口があります。普段は東口と西口を利用する人の方が多いのですが、駅舎や駅前広場は中央口が一番立派。中央口は、皇族の方をお迎えする際にも使われ、お正月などには大変な人出となるため、それに見合った立派な造りとなっています。橿原神宮へのお参りは、この駅舎に降り立った瞬間から始まるのです。

■橿原神宮(かしはらじんぐう)
住所:奈良県橿原市久米町934
TEL:0744-22-3271
料金:境内自由
時間:日の出~日没(季節により異なる。御祈祷・その他受付は9~16時)
定休日:無休

Text:長谷川ゆかり(パーソナル企画)
Photo:八木孝(パーソナル企画)

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