兼六園

金沢の広大な日本庭園・兼六園はこう回る!季節ごとの楽しみ方、おすすめ見学ルートをナビゲート

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石高百万石を誇った加賀藩の歴史をたどれる、金沢を代表する大名庭園・兼六園。水戸の偕楽園、岡山の後楽園とともに日本三名園と称されています。約3万4600坪に及ぶ広大な園内の楽しみ方、おすすめ見学ルートを徹底的にガイドします!

Summary

兼六園ってこんなところ!

兼六園

延宝4年(1676)、金沢城の外庭として、加賀藩5代当主・前田綱紀が作庭。歴代藩主が時代ごとに手を加え、13代当主・斉泰によって、現在の形に整えられました。巡りながら楽しむ林泉回遊式庭園で、 明治7年から一般に開放されています。

日本三名園の中でも兼六園は特に価値が高く、国宝と同等とされる「特別名勝」に指定されているほか、著名な旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で「わざわざ旅行する価値がある」を意味する3ツ星に選ばれているんです!

名前の由来、「六勝」って何?

六勝とは六つの景観のことで、「宏大」「幽邃」「人力」「蒼古」「水泉」「眺望」を指します。中国宋代の『洛陽名園記』に「宏大なところには幽邃が少なく、人力が勝っていると蒼古が少ない。水泉が多いところは低地だから、眺望は望めない」という一節があり、兼六園の園名はそれを踏まえ、「兼備するのが難しい六勝をすべて備えている名園」という意味が込められているんです。

宏大(こうだい)

宏大

明るく広々としていること。自由で開放感のある様子。


幽邃(ゆうすい)
幽邃物静かで奥深い景観。山奥のように緑がうっそうとした様子。

人力(じんりょく)
人力灯籠や橋、植栽など人の手がかかっている人工的なもの。

蒼古(そうこ)
蒼古古びていて寂びた趣。深みのある自然そのままの様子。

水泉(すいせん)
水泉池や滝、川などの水景色。通常は水が豊富な低地の景観。

眺望(ちょうぼう)
眺望遠くまで見通せる眺め。水泉とは逆に高所ならではのもの。

四季それぞれの楽しみ

桜の季節はもちろん、新緑とカキツバタがまぶしい初夏や、カラフルな紅葉に色づく秋、凛とした雪景色の冬…。春夏秋冬それぞれの美しさがあるので、訪れた時期にしか味わえない景観に浸ってみましょう。
春の兼六園
春は約40種400本の桜が園内を薄紅色に染める

夏の兼六園
新緑と鮮やかなカキツバタがとても美しい

秋の兼六園
広葉樹が集まる山崎山は別名「紅葉山」とも

冬の兼六園
雪の重みによる枝折れを防ぐ雪吊りはアート作品のよう

光の演出にうっとり!ライトアップにも注目

ライトアップ季節ごとにライトアップが行われていて、通常は入園できない夜の園内を楽しむことができます。訪れる際には実施されているか要チェックです。

みどころコンプリート!おすすめ見学ルートをご紹介

園内は広大で、ざっと1周するだけでも1時間以上はかかります。必見スポットだけ巡りたい人は30分、足を止めつつじっくりと見学したい人は2時間以上をみておくのがオススメです。

1、徽軫灯籠(ことじとうろう)
徽軫灯籠

桂坂口からスタートしたら、まずは記念撮影スポットのこちらへ!手前にある虹橋に立って、霞ヶ池と徽軫灯籠をバックに記念撮影するのが定番。「兼六園といえば!」の構図の写真が撮れますよ。


2、霞ヶ池・唐崎松(かすみがいけ・からさきのまつ)
霞ヶ池・唐崎松霞ヶ池のほとりにある唐崎松は、松の景勝地である近江の唐崎から種を取り寄せ、実生から育てた黒松です。姿形の美しさは園内随一! 特に冬の雪吊りが施された唐崎松は必見です。

3、雁行橋(がんこうばし)
雁行橋雁が夕空に列をなして飛んでいくように見えることから、その名がついた橋。石が亀甲の形になっているため「亀甲橋」とも言われています。摩耗防止のため通行はできないのでご注意を。

4、根上松(ねあがりのまつ)
根上松根が露わになった、高さ15mの風格ある黒松です。地上2mに40数本の根が盛り上がっている奇観は見ごたえ充分!

5、明治紀念之標(めいじきねんのひょう)
明治紀念之標西南戦争で戦死した兵士を祭るために明治13年(1880)に建立されたもの。人物はヤマトタケルノミコトで、日本で最初の西洋式銅像といわれています。

6、曲水(きょくすい)
曲水曲水に架かる花見橋は、園内きってのお花見スポット。春は桜、初夏はカキツバタやツツジが咲いてとてもフォトジェニックです。絶妙な高低差によって曲水の流れが生まれていて、当時の高い土木技術と作庭の巧みさが伺えます。

7、栄螺山(さざえやま)
栄螺山山頂への道がサザエの殻のように渦巻き状になっていることが名前の由来。山頂からは、霞ヶ池や唐崎松、さらに園外の卯辰山までが見通せます!

8、瓢池・翠滝(ひさごいけ・みどりたき)
瓢池・翠滝広々とした霞ヶ池とは対照的に、緑に覆われ、静けさが漂う瓢池。翠滝は高さ6.6m、幅1.6mの巨大さで、滝音を楽しむためにあえて滝壺が設けられなかったそう。

9、黄門橋(こうもんばし)
黄門橋謡曲「石橋(しゃっきょう)」を題材に作られた、長さ約6m、幅約1m、厚さ約40cmの重厚な石橋です。1枚の石版が2枚の石板を重ねたように見える削りの細工が施され、趣があります。

10、噴水(ふんすい)
噴水13代当主・斉泰が作らせた、日本最古と伝わる噴水です。霞ヶ池から管が引かれ、池の水圧を利用して噴き上がっています。高さは水圧によって変わりますが、最大約3.5mまで上がるそう! ここまで回ったらまた桂坂口に戻ってきて1周です。


抹茶や甘味、和食でひと休み

園内には和の情緒満点の食事処や茶屋も!散策の休憩に立ち寄ってみては。

兼六園茶屋 見城亭

兼六園茶屋 見城亭

世界的建築家・隈研吾氏が手がけた、洗練された空間設計が魅力。2階のレストランからは石川門が間近に望めます。金沢食材を生かした和食や甘味を楽しんで。入口横のスイーツバーでは、ソフトクリームがテイクアウトできます!


■兼六園茶屋 見城亭(けんろくえんちゃや けんじょうてい)
TEL:076-222-1600
営業時間:1階カフェ10時〜16時30分、2階レストラン昼食11〜15時、夕食17〜21時(予約のみ)
定休日: 水曜(季節により変更の場合あり)

時雨亭

時雨亭

明治の初めまで噴水前にあった「時雨亭」を2000年に現在地に再現!呈茶(ていちゃ)も用意されていて、「季節の上生菓子付き抹茶」730円、「干菓子付き煎茶」310円など。庭を眺めながら優雅なひと時を。


■時雨亭(しぐれてい)

TEL: 076-232-8841
営業時間:9〜12時、13時〜16時30分(受付は〜16時)
定休日:年末年始

三芳庵

三芳庵
治部煮などが付く「瓢(ひさご)弁当」2200円

瓢池のほとりにある茶店。瓢池に浮かぶ 「水亭」で、翠滝を眺めながら、金沢らしい料理を盛り合わせた「弁当」1620円~や、「抹茶(生菓子付き)」750円を味わって。


■三芳庵(みよしあん)
TEL: 076-221-0127
営業時間:9〜17時(季節により変更あり。食事11時〜14時30分)
定休日: 水曜(祝日や予約により前日または翌日に変更あり)

知っておくとお得!耳寄り情報

無料開園期間もあり
桜の開花時期1週間や6月の金沢百万石まつり、8月14~16日、11月3日(文化の日)、 12月31日〜1月3日などは無料開園となります(事前に要確認)。

当日なら再入園可能!
出入口で入場券を提示すれば当日の再入園はOK。「随身坂口」を出て石川県立美術館を見学し、再入園して「真弓坂口」から金沢21世紀美術館へ向かうなど、周辺施設と併せて効率よく観光もできちゃいます♪


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●この記事は「るるぶ北陸 金沢 富山 福井 '23」に掲載した記事をもとに作成しています。
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