4月28日

美少女アイドルは地球防衛少女 ♡ 増田未亜、歌手デビュー!

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増田未亜の歌手デビューシングル「ハートは水色」がリリースされた日
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昭和から平成への移行期、まるで時代の変わり目に合わせるかのように、レコード店の店頭からはアナログレコードが急速に姿を消し、みるみるうちに CD が主力商品となっていった。そんな中、89年にデビューしたアイドルは誕生間もない8センチ CD シングルと共に、かろうじてレコードも出している。そんなギリギリセーフ(?)なアイドルのひとりに増田未亜がいた。

新人とはいっても、彼女の場合は小学生の頃から児童劇団に所属して、87年にはテレビドラマの主演作もあったぐらいだから芸歴は既に新人ではなく、あくまでも歌手としてのデビューが89年だったということになる。同期の新人歌手には、河田純子、田村英里子、里中茶美、細川直美、島崎和歌子らがいた。デビューから CD でのリリースになった宮沢りえや CoCo も同期だ。

特徴ある声にちなんだ “ハートにやさしいビスケット・ボイス” というキャッチフレーズが用意され、ファーストシングル「ハートは水色」が89年4月28日にコロムビアからリリースされた。「ハートは水色」は井上ヨシマサの作曲で、48グループをはじめ現在のアイドルシーンで活躍する氏がまだ20代の頃に手がけた作品だ。ビスケット・ボイスが映える、甘く優しいメロディが展開される。ちょっと不安定な歌唱がかえって守ってあげたくなるという、ファン心理をくすぐる巧みな戦略だった(=個人的解釈)。

そのあともラストアナログとなったシングル第2弾「夏の瞳DOKI・DOKI」をはじめ「冬のウインド」「ハピネス物語」「電撃的ロマンス」など、91年までに9枚のシングルと、『PURE』『HAPPINESS』など4枚のアルバムを出したが、92年に出されたベストアルバムを最後に歌手活動を終え、本来の女優業に戻った。

おニャン子クラブとモーニング娘の間、後によく言われるアイドル冬の時代に、乙女塾出身生らと並んで健闘を見せたわけだが、増田未亜の名前を聞いて真っ先に思い出されるのは、やはり「イコちゃん」ではないだろうか。

それまでの特撮ヒーローもので作品の魅力の一要素であったヒロインを主役にした設定が斬新。それも十代の美少女に拘った点が画期的だった。オリジナルビデオ作品の『地球防衛少女イコちゃん』は、初代ヒロイン・磯崎亜紀子が務めた第1作が評判となってシリーズ化され、第2作『地球防衛少女イコちゃん2 ルンナの秘密』では菅河イコ役 = 2代目イコちゃんに増田未亜が抜擢されたのだった。

監督は鬼才・実相寺昭雄に薫陶を受けた、日本のエド・ウッド(※褒め言葉)こと河崎実。美少女を撮らせたら大林宣彦や金子修介に並ぶと言われる氏が、増田の放つ美少女オーラを画面いっぱいに表現して多大なる支持を集めた。増田未亜にとってもアイドル時代の代表作となり、90年の『地球防衛少女イコちゃん3 大江戸大作戦』にも出演した。

アイドル映画は、本人が最も輝いている瞬間をフィルムやビデオに収め、後世に遺すことに価値があるのだ。さらに河崎監督の功績が大なのは、彼女に歌を歌わせたこと。それも主題歌となった「おねがい!イコちゃん」をはじめ、「イコちゃん音頭」「イコのバラード」「イコちゃんマ-チ」と、60~70年代におけるアニメ・特撮作品を彷彿させるような、分かりやすい楽曲がいくつも作られたのが素晴らしい。世が世ならば、広瀬健次郎や宮内國郎が手がけたであろう仕事である。

それらは『IKOCHAN SONG BOOK』という、4曲入りのミニアルバムとして90年6月にリリースされ、ファンのマストアイテムとなった。その後廃盤となって久しいが、現在は2011年にリリースされた『増田未亜 ゴールデン☆ベスト』で4曲とも聴くことが出来る。ちなみにサントラ盤の『地球防衛少女イコちゃん ミュージックファイル(バップ)』も発売から24年経つにもかかわらず、現在も奇跡的に新品で買えるのでオススメ。なお映像についても30周年記念の DVD が2017年に発売されているので、手に入る内にぜひ増田や磯崎の美少女ぶりを再確認して欲しい。

女優としての増田未亜は『春日局』『水戸黄門』といった大きな作品に出演し、舞台やラジオでも活躍したが、2007年の NHK連続テレビ小説『芋たこなんきん』を最後に事実上の引退となって現在に至る。

そろそろ出てきてもらってアイドル時代の話を聴いてみたい。1972年5月6日生まれだから、もうすぐ47歳。まだまだお嬢さんですよ。きっと素敵な女性になっていることでしょう。

2019.04.28
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  YouTube / hiryugalaxyz
 

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カタリベ
1965年生まれ
鈴木啓之
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