片麻痺機能テストの代表である下肢のブルンストローム・ステージの評価法について、図を載せてわかりやすく解説していきます。
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下肢のBrunnstrom StageⅠ
非麻痺側の股関節内転運動に対して徒手抵抗を加え、その際に麻痺側の内転筋の収縮の有無を確認する。
連合反応を確認するテストで、収縮がない場合はStageⅠ、収縮がある場合はStageⅡ-1以上となる。
上肢のBrunnstrom StageⅡ
麻痺側の股関節内転運動を行うように指示する。動かなくても随意収縮が認められる場合はStageⅡ-2以上となる。
上肢のBrunnstrom StageⅢ
StageⅢの検査は2つ存在するが、不可能を0点とし、不十分を1点、十分を2点として考えると理解しやすい。以下にその例を示す。
判定 | 1の検査 | 2の検査 |
Ⅲ未満 | 不可能 | 不可能 |
Ⅲ-1 | 不十分 | 不可能 |
Ⅲ-2 | 不十分 | 不十分 |
Ⅲ-3 | 十分 | 不十分 |
Ⅲ-4 | 十分 | 十分 |
1.伸筋共同運動
背臥位にて麻痺側の膝関節を90度屈曲位とし、そこから下肢を伸ばすように指示し、伸筋共同運動を確認する。膝関節を屈曲20度以下まで動かせるなら十分、屈曲20度以上なら不十分、運動できないようなら不可とする。
2.屈筋共同運動
背臥位にて下肢を伸展させた状態から麻痺側の下肢を曲げるように指示し、屈筋共同運動を確認する。股関節を屈曲90度以上まで動かせるなら十分、屈曲90度未満なら不十分、運動できないようなら不可とする。
上肢のBrunnstrom StageⅣ
StageⅣの検査は3つ存在するが、1つが十分ならⅣ-1、2つ又は3つともが十分ならⅣ-2と判定する。
1.下肢伸展位挙上(SLRテスト)
背臥位にて下肢を伸展させた状態から麻痺側の下肢を挙上させる。膝関節は20度以内とし、股関節屈曲が30度以上で十分とする。
2、膝関節屈曲(坐位)
椅子に腰掛けた状態で麻痺側の膝関節を屈曲させる。その際に、股関節屈曲は60~90度を保持し、足を床から離さないようにして実施する。膝関節屈曲が100度以上で十分とする。
3、足関節背屈(坐位)
椅子に腰掛けた状態で麻痺側の足関節を背屈させる。その際に、股関節屈曲は60~90度を保持し、踵を床から離さないようにして実施する。足関節背屈が5度以上で十分とする。
上肢のBrunnstrom StageⅤ
StageⅤの検査は3つ存在するが、1つが十分ならⅤ-1、2つが十分ならⅤ-2、3つとも十分ならⅤ-3と判定する。
1.足関節背屈(臥位)
麻痺側の肩関節を外転させる。その際に、肘関節屈曲は20度以内、肩関節は屈曲は20度以内とする。60度以上の外転が可能で十分とする。
背臥位にて下肢を伸展させた状態で麻痺側の足関節を背屈させる。その際に、膝関節屈曲が起こさず、踵を床から離さないようにして実施する。足関節背屈が5度以上で十分とする。
2.足関節背屈(坐位で膝関節伸展位)
椅子に腰掛けた状態で麻痺側の膝関節を伸展位に保持し、足関節を背屈させる。その際に、膝関節屈曲は20度以内、股関節屈曲は60~90度を保持する。足関節背屈が5度以上で十分とする。
3.股関節内旋
椅子に腰掛けた状態で麻痺側の股関節を内旋させる。その際に、股関節屈曲は60~90度、膝関節屈曲は90度±10度を保持する。股関節内旋は20度以上で十分とする。
上肢のBrunnstrom StageⅥ
腰掛けた状態で麻痺側の股関節内旋運動を10回実施するまでのタイムを計測する。その際に、股関節屈曲は60~90度、膝関節屈曲は90度±10度を保持し、股関節内旋は20度以上で反復する。
非麻痺側も同様にタイムを計測し、麻痺側が非麻痺側のタイムの1.5倍以内なら十分とする。例えば、非麻痺側が20秒なら、麻痺側は30秒以内で十分となる。